国内景気の好転で注目される 小売り、サービス関連企業

マーケットウィークリー・817号
2015.2.27
マーケット展望 07年の節目突破、2万円の大台が
視野に入った株式市場
作成者:奥村義弘
2万 円 の 大 台 が 視
野に入った日本
株
日経平均株価は2007年2月の高値18,300.39円(ザラ場)を突破し、
15年ぶりの高値水準。テクニカル的には騰落レシオなど過熱感を示す
指標もあるが、先高期待は強く上値余地を感じる。次の目標としては
ITバブル時の2000年4月高値20,833.21円が視野に入った。
世界的に株高基
調、好材料が多い
日本株
世界的に株高基調となっており、企業業績の好調やマクロ経済のベ
クトルの好転がみられる日本株はターゲットにされやすい。証券系調
査機関の調べでは日本企業の業績は16年3月期も増収増益で、経常利益
は2桁増益予想。予想EPSは過去最高を更新中。確かに原油価格の下
落で資源関連の一部にはプラント案件の先送りなど の動きもみられ
る。また円安による原材料高、人件費の上昇などコスト増要因も多い。
これに対し、原油安メリットは製造業を中心にコスト安として波及し
よう。また物価下落で家計の購買意欲の向上にも結び付く。インバウ
ンド需要でのにぎわいに続き、賃上げによる消費マインドの向上、円
安による輸出競争力の改善など今春に向けては好材料が続こう。
米国の出口戦略
を巡る政策当局
者の発言で株価
はぶれやすい
対外環境では、ギリシャやウクライナなど不安定な欧州情勢が引き
続きリスク要因といえる。一方、ギリシャ金融支援の4カ月延長の合意
などで、リスク回避の動きに一服感も出てきた。量的緩和に踏み切る
ECBをはじめ、世界的な金融緩和基調は継続しており、株高の支援
材料。ただ、世界経済の回復テンポは総じて鈍く、金融政策への依存
度が高い。当面、米国の出口戦略を巡る政策当局者の発言で株価はぶ
れやすい。雇用統計など米経済指標の動きにも引き続き注意したい。
構造改革や成長
戦略が一段高へ
のポイントに
日経平均株価も1万8,500円台を超える水準にまで上昇すると、短期
的なGDPの改善、賃上げ効果、消費税引き上げの影響の一巡などは
ある程度織り込まれた感がある。日経平均で2万円を超える株価水準の
実現に向けて、構造改革や成長戦略にどれだけ踏み込めるかが、海外
投資家の目を日本株に引き付けるためのポイントになる。ハードルが
高いとみられてきた労働規制の緩和、農協改革、TPP交渉の妥結に
向けた動きが強まっていることはポジティブに映ろう。
◇日経平均株価(月末値)の推移
(円)
40,000
35,000
30,000
22,530.75
(96/6)
25,000
20,337.32
(00/3)
18,466.92
15/2/23
18,138.36
(06/5)
20,000
15,000
10,000
5,000
13/5
14/7
11/1
12/3
08/9
09/11
(出所)Quick Astro Manager より CAM作成
06/5
07/7
04/1
05/3
02/11
00/7
01/9
97/1
98/3
99/5
94/9
95/11
91/3
92/5
93/7
90/1
0
マーケットウィークリー・817号
2015.2.27
(兆円)
2.5
12,000
0.5
10,000
5.5
0.0
8,000
5.0
▲ 0.5
6,000
4.5
▲ 1.0
4,000
4.0
▲ 1.5
3.5
▲ 2.0
3.0
▲ 2.5
(出所)日本政府観光局公表データよりCAM作成
2012
2009
2006
2003
2000
1997
1994
1991
1988
1985
1982
1979
0
1964
14/7
14/11
14/3
13/7
13/11
13/3
12/7
12/11
12/3
11/7
11/11
11/3
10/7
10/11
10/3
2,000
1976
1.0
6.0
13,414
14,000
1.5
輸入金額(左軸)
6.5
(千人)
1973
輸出金額(左軸)
7.0
◇年別訪日外客数の推移
16,000
2.0
1970
貿易収支(右軸)
7.5
1967
◇貿易収支の推移(季節調整値)
(兆円)
8.0
(年)
(出所)財務省「貿易統計」よりCAM作成
◇日本のGDP2015年度予測
3.0
実質GDP
(%)
名目GDP
2.5
2.0
2.36
1.7
2.26
2.71
2.45
1.75
1.85
1月
2月
1.3
1.5
1.0
0.5
0.0
11月
12月
(出所)ESPフォーキャスト調査(2月調査)
日本経済フォーキャスター41人(機関)による予測の集計
◇2015年3月の主なイベントスケジュール 月
3
日本
米国
02:10-12月期の法人企業統計
03:1月毎月勤労統計
その他
02:2月ISM製造業景気指数
04:地区連銀経済報告(ベ-ジュブック)
04:2月のADP雇用統計
05:欧州中央銀行(ECB)理事会
05:中国の全国人民代表大会開幕
06:2月雇用統計
09:10-12月期のGDP二次速報
09:2月景気ウォッチャー調査
09:2月工作機械受注
10:住宅エコポイント受付開始(~16/1/15)
11:1月機械受注
12:2月消費者態度指数
13:メジャーSQ
14:北陸新幹線開業、上野東京ライン開業
09:ユーロ圏財務相会合
10:EU財務相理事会
11:2月中国鉱工業生産、小売売上高
12:2月小売売上高
13:3月ミシガン大消費者信頼感指数
15:米債務上限引き上げ法案の期限
16:3月NY連銀景気指数
16:2月鉱工業生産指数
17:2月住宅着工
16:日銀金融政策決定会合(~17)
17:3月独ZEW景況感調査
17:FOMC(~18)
18:2月貿易統計
18:春闘大企業集中回答日
24:2月の消費者物価指数(CPI)
25:2月の耐久財受注
27:10-12月期GDP確報値
27:消費者物価(2月全国、3月都区部)
27:2月労働力調査、家計調査
30:2月鉱工業生産指数
31:2月毎月勤労統計
19:EU首脳会議(~20)
24:3月中国HSBC製造業PMI速報
30:2月個人消費支出
31:3月消費者信頼感指数(カンファレンス・ボード)
31:1月ケース・シラー米住宅価格指数
通常国会(1/26~6/24)、15年予算成立
公示地価(下旬)
(出所)各種資料よりCAM作成
◇CAMの株価・金利・為替予測
項 目
日経平均株価
円
TOPIX
10年国債利回り
為 替
%
(円/ドル)
2015年2月23日実
15年3月予
15年4月予
15年5月予
18,466.92
18,000~19,500
18,000~19,500
18,000~19,500
1,502.83
1,460~1,550
1,460~1,590
1,460~1,590
0.375
0.300~0.500
0.300~0.500
0.300~0.500
119.20~119.23
116~122
116~122
116~122