日本基準トピックス

日本基準トピックス
「税効果会計に関するQ&A」の改正(公開草案)の公表
2015年4月10日
第283号
■主旨
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2015年4月3日、日本公認会計士協会(JICPA)は、「税効果会計に関するQ&A」を
改正する公開草案(本公開草案)を公表しました。
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本公開草案は、平成27年度税制改正に係る改正法の公布等を受けて見直しが
行われたものです。
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本公開草案における主な改正事項は、外国子会社配当益金不算入制度の改正に
伴うQ12の見直し、および、復興特別法人税の廃止に伴うQ14の削除となります。
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コメント募集期限は、2015年5月8日です。
・ 原文については、JICPAのウェブサイトをご覧ください。
http://www.hp.jicpa.or.jp/index.html
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1.改正の経緯
JICPA では、平成 27 年 3 月 31 日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」(平成 27 年
法律第 9 号)(以下、平成 27 年度税制改正)等を受けて、関連する税効果会計の処理について
「税効果会計に関する Q&A」の見直しの検討を行い、公開草案として公表しています。
2.主な改正内容
本公開草案における主な改正は、次のとおりです。
(1) 外国子会社(注 1)配当益金不算入制度の改正に伴う Q12 の見直し
① 税制改正の概要
平成 27 年度税制改正により、内国法人が外国子会社から受け取る配当等の額の全部
または一部が外国子会社の本店所在地国の法令において損金算入することとされている
場合(注 2)には、従来の取扱いでは親会社の所在地国と外国子会社の所在地国の両方
において課税対象とされないことから、その配当等の額は外国子会社益金不算入制度
の適用対象外とされました。
上記外国子会社益金不算入制度の適用対象外とされた配当の額に課される外国源泉
税等は、外国税額控除の対象または損金算入されることが示されています。
(注 1) 外国子会社とは、当該内国法人が保有しているその株式又は出資の数又は金額がその発行済株式
又は出資(その有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の百分の二十五以上に相当する数又
は金額となっていることその他の政令で定める要件を備えている外国法人をいいます。
(注 2) 国税庁の HP の質疑応答事例「国子会社配当益金不算入制度の対象となる剰余金の配当等の額の
範囲について」では、例示としてオーストラリア法人やブラジル法人から受ける配当が該当するものとして紹介
されています。
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② 平成 27 年度税制改正による「税効果に関する Q&A」見直し
平成 27 年度税制改正により、外国子会社からの配当の額等が外国子会社所在地国に
おいて損金算入されている場合に外国子会社益金不算入制度の適用対象外とされた
ことを受けて、当該配当受領を解消事由とする連結子会社の留保利益に係る繰延税金
負債の計上額は、一般に下記のように変更されるものと考えられます。
平成 27 年度税制改正前
平成 27 年度税制改正後(注 3)
配当等の額の 5%に親会社の実効税率
を乗じた額+配当等に係る外国源泉税
等の額
配当等の額に親会社の実効税率を乗じ
た額-外国子会社において損金算入さ
れ親会社の税負担額が軽減されると見
積られる税額
(注 3) 平成 27 年度税制改正では、平成 28 年 4 月 1 日以降開始する事業年度において内国法人が外国
子会社から受け取る配当等の額から適用するとされています。また、平成 28 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日
までの間に開始する各事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額(平成 28 年 4 月 1 日
において有する当該外国子会社の株式等に係るものに限る。)については、従前どおりの取扱いとするものと
されています。
(2) 復興特別法人税の廃止に伴う Q14 の削除
平成 26 年 3 月 31 日に公布された「所得税法等の一部を改正する法律」(平成 26 年法律
第 10 号)において、復興特別法人税制度が改正され、復興特別法人税が 1 年前倒しで廃止
されることになったため、復興特別法人税に関する Q14 が削除されています。
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