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Trend Report
株式会社フィスコ
2015/3/30
【3月米雇用統計 予想通りならば6月利上げ観測が再浮上か】
<前回のレビュー(2月雇用統計)>
非農業部門雇用者数:
失業率:
前月比+29.5万人
(市場予想:+23.5万人程度)
5.5%(前月比-0.2%) (市場予想:5.6%)
3月6日に発表された2月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比+29.5万人で市場予想の
+23.5万人程度を大幅に上回りました。労働参加率の低下によって、全体の失業率は5.5%に低下しま
したが、景気回復によって求人件数は堅調に推移していることも関係しています。ただし、平均時給は
前月比+0.1%にとどまり、伸び率は1月実績の+0.5%を下回りました。
2月の非農業部門雇用数が予想を大幅に上回ったことや失業率の低下を受けて、早期利上げに対
する市場の期待が広がり、ドル・円は119円90銭台から一時121円30銭まで上昇しました。しかしなが
ら、米国株の大幅安を嫌気してドル買いは縮小し、前日比+57銭の120円72銭で取引終了。NYダウ工
業株30種平均は早期利上げへの警戒感が高まったことや長期金利の上昇を嫌気して大幅安となり、
前日比-278.94ドルの17856.78ドルで6日の取引を終えています。
<今回の予想(3月雇用統計)> (日本時間4月3日午後9時30分発表)
・非農業部門雇用者数:前月比+25.0万人
・失業率:5.5%(前月比0.0%)
《非農業部門雇用者数が予想通りならば、6月利上げの思惑が再浮上しドル高に》
3月の非農業部門雇用者数が予想通りならば、労働市場の着実な改善が確認されることになり、6月
利上げへの期待が再び高まりそうです。日米金利差の年内拡大を想定したドル買いが増えることが予
想されます。ただ、4月3日は聖金曜日(GOOD FRIDAY)の祝日となり、欧米諸国の株式市場は休場と
なります。外為市場も全般的に休場状態となるため、雇用統計の影響が表面化するのは翌週(4月6
日)以降になりそうです。
《非農業部門雇用者数が予想を下回った場合、6月利上げの思惑後退でドル売りに》
3月の非農業部門雇用者が市場予想を下回った場合、6月利上げの期待は大きく後退し、ドル売りが
優勢となりそうです。20万人以上の増加でも、平均時給が0.1%-0.2%の伸びにとどまった場合、インフ
レ抑制の思惑が強まることでドルは伸び悩む可能性があります。インフレ見通しに影響を与える毎月
の賃金動向には当面注意が必要です。
《留意点:イエレン米FRB議長は年内利上げを正当化》
イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日に行われた講演で、「労働市場の力強い伸びは
米経済を抑制していた複数の要因が弱まりつつある兆候である」と指摘し、「年内に政策金利の引き
上げを正当化する可能性がある」と話しました。議長は「インフレの動向次第では、引き締め加速や減
速、一時停止の可能性がある」と述べており、労働市場とインフレ動向が金融政策を決定する最も重
要な要因であることが再確認されました。
本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。
円
【
株式会社フィスコ
2015/3/30
為替相場
3月30日
今週の見通し
118.33 円 120.17 円
取引レンジ
米ドルは対円で弱含みに推移した。日本の機関投資
げ観測が後退したことも、ドル売り要因となった。
118.00 円 123.00 円
想定レンジ
米ドルは対円で強含みに推移すると予想する。4月
の新年度入りで日本の機関投資家が新規の外貨建
て資産投資、円売り取引を活発化させる可能性、年
金積立金管理運用独立行政法人が外貨建て資産
投資増額を本格化させる可能性などから強含みに
推移する見通し。米国の3月の雇用統計が予想を下
回った場合には要注意か。
2週間の推移
1年の推移
家が3月期末決算に向けて外貨建て資産を売却し、
円を買う取引を活発化させたことで、やや弱含みに推
移した。米国の景況感の低迷を示す経済指標が相次
いだことで、米国連邦準備理事会(FRB)の早期利上
122.00
(円)
125
-
4月3日
先週のドル・円相場
(円)
120
121.00
115
110
120.00
105
119.00
2015/3/13
2015/3/20
2015/3/27
100
2014/3/27
2014/9/27
2015/3/27
債券相場動向(米国10年債)
先週の概況
今週の見通し
債券利回りは上昇。2月耐久財受注が予想外のマイ
ナスを記録したことで利回り水準が低下する場面が
あった。しかしながら、25日に行われた5年国債入札
が低調な結果となったことやドル高の一服が利回り
上昇につながった。NYダウの下落は債券利回りの水
準に大きな影響を与えなかった。
長期債利回りは下げ渋りか。4月1日発表の3月ADP
雇用統計と4月3日に発表される3月雇用統計の内容
を見極める展開となりそうだ。いずれも市場予想に
沿った内容であれば、労働市場の持続的な改善へ
の期待が広がることで長期債の利回り水準は強含
みとなる可能性がある。
今週の買い要因・売り要因
◆ 買い要因
◆ 売り要因
・日本の大手機関投資家は2015年度に
外債投資増加へ
・株高継続で投資家のリスク志向は低下せず
・インフレ鈍化で日銀による追加緩和の
可能性残る
・米長期金利の低下
・日本の貿易赤字は縮小傾向
・米国の利上げ開始は9月以降となる
可能性
本資料のご利用については、必ず巻末の重要事項(ディスクレーマー)をお読みください。
円
【
株式会社フィスコ
2015/3/30
為替相場
先週のユーロ相場 取引レンジ
ユーロ/円
ユーロ/米ドル
今週の見通し
129.03 円
1.0768 ドル -
想定レンジ
ユーロ/円
131.51 円
1.1052 ドル
ユーロ/米ドル
3月30日
-
127.00 円
1.0600 ドル -
4月3日
132.00 円
1.1100 ドル
ユーロは対円でやや弱含みに推移した。3月期末決
算に向けた日本の機関投資家のユーロ建て資産売
却、円買い取引が活発化したこと、ギリシャ政府の構
造改革計画に対する警戒感などから弱含みに推移し
た。しかし、ユーロ圏の3月製造業とサービス業PMI速
報値が予想を上回ったことで下値は限定的だった。
ユーロは対円でやや弱含みに推移すると予想す
る。ギリシャ政府の構造改革計画への警戒感から
弱含みに推移する見通し。構造改革計画が国際支
援団から承認された場合、ギリシャはデフォルト(債
務不履行)を回避できるが、承認されなかった場合
は、債務不履行、そしてユーロ圏からの離脱の可
能性が高まることになる。
2週間の推移
1年の推移
133.00
(円)
(円)
131.00
145
129.00
135
127.00
125.00
2015/3/13
2015/3/20
2015/3/27
125
2014/3/27
2014/9/27
2015/3/27
債券相場動向(ドイツ10年債)
先週の概況
今週の見通し
債券利回りは大幅上昇。ユーロ圏の3月製造業PMIと
3月サービス業PMIが市場予想を上回ったことが要
因。ギリシャの債務問題に対する市場の懸念がある
程度緩和されたことも意識された。ユーロ圏の景況感
悪化への警戒感は後退し、リスク回避的な債券買い
は縮小した。
債券利回りは横ばいか。ユーロ圏の景況感悪化に
対する懸念は緩和されたが、欧州中央銀行(ECB)
による量的緩和策は来年9月まで継続する予定と
なっている。ECBによる大規模な国債購入によって
需給関係はややひっ迫しつつあり、債券利回りの
大幅な上昇は抑制される可能性が高い。
今週の買い要因・売り要因
◆ 買い要因
◆ 売り要因
・日本の大手機関投資家は2015年度に
外債投資増加へ
・欧州諸国の株高
・ギリシャ債務協議の進展
・ギリシャ債務協議が難航する可能性
・ユーロ圏諸国のユーロ安容認姿勢
・日銀による追加緩和への思惑後退
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円
【
株式会社フィスコ
2015/3/30
為替相場
先週の豪ドル相場 取引レンジ
92.29 円
-
94.68 円
豪ドル・円は下落。米ドル・円相場が円高方向に振
れたことが影響したが、国内外の株式相場が不安
定な動きを続けたことでリスク選好的な豪ドル買
い・米ドル売りは縮小した。この影響もあり、豪ドル
の対円レートは一時92円台前半まで下落した。
2週間の推移
95.00
3月30日
4月3日
91.00 円 95.00 円
想定レンジ
豪ドル・円は伸び悩みか。豪州と米国の金利差縮
小への思惑はやや後退しているが、リスク選好的
な豪ドル買いは抑制されている。4月2日に発表さ
れる2月貿易収支は-13億豪ドルの予想で貿易赤
字は拡大する見込み。予想通りであれば、リスク回
避的な豪ドル売りが強まり、対円レートは弱含みと
なる可能性がある。
今週の見通し
1年の推移
(円)
103
94.00
98
93.00
93
92.00
(円)
88
2015/3/13
2015/3/20
2015/3/27
2014/3/27
2014/9/27
2015/3/27
債券市場動向(オーストラリア10年債)
先週の概況
今週の見通し
債券利回りは強含み。豪ドル高・米ドル安が一服し
たことや原油先物の反発が意識されたようだ。国内
株式相場は下落したが、リスク回避的な債券買い
は特に確認されず。原油高によってインフレ鈍化へ
の懸念は緩和されており、債券利回りの反転につ
ながった。
債券利回りはもみあいか。インフレ鈍化への懸念
は緩和されたが、米長期金利の上昇を意識して豪
ドル安が進行した場合、債券利回りの低下は期待
できなくなる。豪準備銀行(中央銀行)の政策金利
は4月も据え置きが予想されており、債券利回りの
継続的な低下は難しくなりそうだ。
今週の買い要因・売り要因
◆ 買い要因
◆ 売り要因
・日本の大手機関投資家は2015年度に
外債投資増加へ
・失業率の低下
・商品相場の上昇
・豪準備銀行は通貨安容認の方針維持
・豪準備銀行は4月以降に追加利下げの可能性
・貿易赤字の拡大
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株式会社フィスコ
【
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株式会社フィスコ