ァ専作経営農家の生活時間構造

’専作経営農家の生活時間構造一
1．調査のねらい
農業生産・生活様式の変容に対応して、農家の生活時間構造は年毎に様変わりしている。とこ
ろで、農業経営と生活の相互間における問題点やら局面等を整理し解決策を見出だすために、農
家の生活行動時間等について平成元年に調査を行った。
2．調査方法
農家の生活は家族の労働力構成、経営形態や規模によって規制されており、また季節性をもっ
ている等から、代表的な専作農家2戸（果樹・花き）を選定した。
S農家：樹園地310a（なし270、りんご40）、四世代9人（男4、女5）、農業従事者。4人
（二夫婦）、安定活動期（経営主35才）、宇都宮市氷室町
Y農家：水田280a（ばら温室24、水稲256、麦40）、三世代7人（男3、女4）、農業従事
者4人（二夫婦）、育児期（経営主36才）、字都宮市砥上町
調査は平成元年5月から翌年4月まで。対象者は農業従事者4人（二夫婦）、在宅の起・就床
時刻と食事開始時刻並に継続的行動時間を単位10分以上として労働と生活に類別した。外出時間
は二つ以上の目的の場合は目的に応じて適宜分割した。
3 調査結果およぴ考察
（1）起床時刻についての季節変イ』はS農家でややみられるが（r＝0，620）、Y農家では判然と
せず（r＝0，169）、就床時刻はS農家の8∼一9月（なし収穫期）を外すと変化は少ない。両
家とも妻は早起遅寝で父の早寝遅起と対照的であり、その差は起床で16∼17分、就床で50∼72
分であった。ところで、妻の家事・育児なとに関連した生活行動が注目される（図一1）。
（2）朝夕の食事開始時刻は日出・日没との関係が大きく（朝r＝0，751、夕0，783）、昼食時刻
は両家とも12：15前後である。家族4名6食事同席率（60分以内）はS農家65％、Y農家53％
であり、朝食の比率は高いが（S76％、Y73％）、昼食は59％と38％で極めて低い。外食回数
はS農家11％、Y農家14％であり、両家とも昼＞夕＞朝の順下あり、中でも経営主の外食回数
は最も多く外出用務との関連が注視される。
13）農業労働時間は4人の累計でS農家8，212時間（在宅生活時間比40％、なし作7，043時間）
Y農家5，040時間（同23％、ばら作4，」491時間）であり、主な外出時間は4，014時間（同20％）
と6，320時間（同29％）であった。農業労働力の主役は両家とも経営主（農業労働時間比はS
30％、Y40φ）そあり、次いでS農家は父、Y農家は母であり二両家とも妻の農業労働時間が
最も少くない（S16％、Y11％）。しかし、妻の外串回数が多く（S農家27％、Y農家41％）、
在宅を含めた食事や育児・教育等を中心≒する生活関連時間が最も多く特徴的である（表一1）。
（4）主な外出用務はS農家では旅行・体育察を主としたレクリエーション関係が最も多く、次いで
消防団を含む自治、なし生産・農協・土地改良等の諸会合であり、回数は5時間以内が72％、
時間比24％であった。Y農家も旅行・各種スポーツ・体育祭等のレクリエーション関係が最も
多く、次いで公民館・消防団・青年団協議会を主とした自削士ら生産蛤農協等の諸会合
9一
であり、回数はち時問以内カ週6％、時間比45％となっている。両家とも回数は少ないが（S農
家8％、Y農家2％）20時問以上の旅行やら病人看護、自治関係の諸会合等があり、これらは
ほぼ農閑期に集中している。なお同時期には多彩な体育祭（町内、農協、各種団体学校等）tへ
の参加がある。
4、成果の裏約
起・就床時刻についての季節変化は果樹農家で収穫期に僅かみられたほかは幅は狭く、朝夕の
食事時刻は日出・日没との相関は高いが昼食はほぼ定時（工2時15分前後）である。外食回数はユ1
％・14％で昼＞夕＞朝の順であり、二夫婦家族4人の食事同席率は65％・53％であり、’昼食時が
最も少ない。農業労働時間は在宅生活時問の40％・23％で、主役は経営主（全農業労働時問の30％・
40％）であり、妻は食事や育児・教育等の生活関連時間が最も多い。主な外出用務は旅行・体育
祭を主としたレクリエーション関係が最も多く、次いで消防団三公民館活動等の自治用務及び生
産組合・農協・土地改良等の諸会合等である。これらは地域における専業農家の現況と家族成員
の役割分担を特徴的に示している。
（担当者企画経営部塩谷民一）
｛｛ 5言舌｛ 77
ぎll ㍑㍑㍑㍑㍑言
n30 630 03016jO
L」］ μ」一一」
ハ
平元．5
刷県 H
6 ぐ神与÷
、い
？静日入｝
7
㌶
8
、日出ハ！ノム
9 ・金
10
11
12
2．1
3
4
、鴻刻浦磁時刻涼嵐」煎
S農家の年間月別生活時刻の変化（平成元5∼2．4）．
図一1
表一1
籍
主
回
萎
父
数
母
計
蹄
Y農家の主な外出生活時間一
A諸会合 B．交膝C．字披学習D．レク E．買物 F一送迦 G一鱗理計
自治差嚢嚢営生活環境リェーション
そ剛胞
■9 22 4■5
81
55 43 6■．一 107
27
2
262
5
2
5
7 06 29 17
10 58 ■■ 69
1 47 15 66
86
7
26
485 79 746
12 ■’9 450
■ 40 204
050
62
．61 202 」 55 259
主
334．1
379，9
155．2 177．9 − 704．8
48，9
11，5 32．1 1844．4
嚢
8．6
8．7 251，5 85，0 86，9
86，7
285．3 579．8 1406．3
父
1226，1
母
計
13．8
5．7
18．3
1587．1
399．4
■46
25．0 180，6 46．1 422．0
13，9
0．7 181，1 58．5 498．6
93．7
189．6 791．1 189．6 1712．3
注．単位は時匿1
一・10一
243．2
517 163 ■815
8，0 30．4 1957．8
1．2 259．3 1111．4
306．0 901．6 6319．9

Download Report