ご参考資料 2016年1月12日 中国の外貨準備高減少と人民元 図1:中国の外貨準備高と人民元 ポイント① 過去最大の月間減少幅 12月末の中国の外貨準備高は約3兆3,300億米ドルと、 11月末から約1,080億米ドル減少し、過去最大の月間減少 幅となりました。資本流出圧力に対応して、中国当局が外貨 売り為替介入を行なったことを示唆しています。しかし、人民元 安を止めるには至っていません。 ポイント② 人民元安阻止は得策ではない 中国の外貨準備高は2014年7月末に4兆米ドル近い水準 から減少に転じましたが、依然世界1位の額であり、もっと大規 模な外貨売り介入を行なうことは不可能ではありません。 しかし、中国にとって人民元の下落を止めることは得策ではな いようです。デフレの回避や、減少している輸出の梃入れにも人 民元の下落が望ましいと考えられます。 ポイント③ 外貨準備高の増減と国内資金需要 一方、人民元の下落で資本流出に拍車がかかり、国内資金 需給のひっ迫を招くという見方もあります。しかし、これは正確で はありません。 誰かが人民元を売って人民元が下落しても、他方で誰かが人 民元を買っているため、市場の人民元の量は減少しません。し かし、中央銀行が人民元買い介入を行なうと人民元の資金供 給が減少します。中央銀行がオペなどにより資金供給を行なえ ば相殺可能なはずですが、人民元の下落抑止効果が薄れてし まうこともあり、為替介入の国内資金需給への影響は遮断でき ないようです。国内の資金需給を引き締めてまで、大規模かつ 継続的な為替介入を行なうのは、中国にとって得策ではないと 考えられます。 急激な人民元安は市場の混乱を招く恐れがあり、短期的に は、当局が人民元の下支えを行なう可能性があります。一方で、 貿易額により加重した実効為替レートで見れば、人民元は依 然として割高感があると見られることから、当局は中長期的には 穏やかな範囲での人民元安を容認する可能性が高いと考えら れます。 期間:人民元:2011年1月1日~2016年1月7日、日次 外貨準備高:2011年1月~2015年12月、月次 (人民元/米ドル、逆目盛) (10億米ドル) 4,200 3,800 6.0 人民元高 6.2 人民元安 3,400 6.4 外貨準備高(左軸) 3,000 2,600 6.6 人民元/米ドル(オンショア、右軸、逆目盛) 人民元/米ドル(オフショア、右軸、逆目盛) 11/1 12/1 13/1 14/1 6.8 16/1 (年/月) 15/1 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 図2:中国の輸出と輸入(米ドル建て) 期間:2006年1月~2015年11月、月次 (前年同月比、%) 90 中国の輸出 中国の輸入 60 30 0 -30 -60 06 07 08 10 11 12 13 09 (出所)ブルームバーグデータより野村アセットマネジメント作成 14 15 (年) 図3:人民元の実効為替レート 期間:1994年1月~2015年11月、月次 (2010年=100) 140 人民元、名目実効為替レート 人民元、実質実効為替レート 120 100 人民元高 80 重要 イベント 1月13日 中国貿易統計(12月) 1月19日 中国GDP(10-12月期) 2月7日 中国外貨準備高(1月) 60 人民元安 94 97 00 03 06 09 12 15 (年) (出所)BIS(国際決済銀行)より野村アセットマネジメント作成 当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした 資料ではありません。当資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を⽰唆するものではありません。当資料は信頼で きると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に⽰された意⾒等は、 当資料作成⽇現在の当社の⾒解であり、事前の連絡なしに変更される事があります。なお、当資料中のいかなる内容も将来の投資収益 を⽰唆ないし保証するものではありません。投資に関する決定は、お客様ご⾃⾝でご判断なさるようお願いいたします。投資信託のお申込 みにあたっては、販売会社よりお渡しします投資信託説明書(交付⽬論⾒書)の内容を必ずご確認のうえ、ご⾃⾝でご判断ください。 1
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