多様な特性、任意の形状を持つ成形品の製造を可能にするポリマー素材

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多様な特性、任意の形状を持つ成形品の製造を可能にするポリマー素材
岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科(歯) 生体材料学分野
Tel 086-235-6668 Fax 086-235-6669
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田仲持郎
【概 要】
近年、複数のポリマーを加熱熔融混練して調製されるポリマー混合物(ポリマーアロイ)が着目され、
多様な特性をもった成形品が創られているが、選択出来るポリマーの制約と大規模な設備が必要であ
る。ここで提案するモノマー液材
モノマー液材/ポリマー粉材混合型ポリマーアロイ成形品創製法
/ポリマー粉材混合型ポリマーア
ロイは、右図に示すように、エス
テル基を有するポリマー粉材を
膨潤溶解出来るモノマー液材を
モノマー
見出したことに始まり、それらの
エステル基を持つポリマー
(液�)
(粉�)
低粘稠状態
混合物が可塑性を有する粘弾性
↓
高粘稠状態
体となることに基づいている。即
↓
糸引き状態
ち、「ポリマー粉材とモノマー液
餅状混和物(可塑性を有する)
材のฆӳ」⇒「可塑性を有する粘
弾性体の঺࢟」⇒「成形物中のモ
ノマーの᣻ӳ」と言う 3 ステッ
プで任意の形状と多様な特性を
持ったポリマーアロイ成形品を
混和物重合体
(ポリマーアロイ)
容易に創り出す技術である。
【新規性・独自性】
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粉材を、その構成モノマー単位であるメタクリル酸メチル(MMA)
液材で膨潤溶解する PMMA/MMA 系レジンは歯科用レジン義歯床素材として応用されているが、重
合体は PMMA あり、物性に関する改善は望めない。また、ポリマー粉材をそのモノマー単位ではな
い異種モノマーで膨潤溶解し、可塑性を持った混合物を成形する系は知られておらず、全く新規なポ
リマーアロイ成形品の創造手段である。また、★分子量の大きなモノマー(蒸気圧が低い)を選択出
来るので、殆ど臭気がなく開放した容器内で混合が可能 ★ポリマー粉材とモノマー液材の混合比の
調整により、混合物は粘性流体から可塑性を示す固体まで可能(成形時の自由度が高い) ★多様な
重合様式の選択が可能 ★新規な機能を期待した第三物質の添加が容易などの特徴を有する。
【事業化・用途】
歯科粘膜調整材、機能印象材、義歯床、床裏装材、生体吸収性骨セメントなどの医療用ポリマー素材
として有望である。更に、光学用ポリマー素材や家庭でアクセサリーなどの手工芸品自作など、広範
囲なポリマー成形品の製造を可能にするポリマー素材である。
【特許等知的財産】
特許 4517148 号「歯科・整形外科用樹脂組成物、その製造方法及び歯科・整形外科用樹脂組成物
の製造方法」
、U.S. Patent Application No.13/208、884「Process for Producing Resin
Composition and Process for Producing Molded Article」、
中華人民共和国特許 ZL201180014342.3 号「医療用樹脂組成物及びその製造方法並びに医療用
キット」、特願 2014-60281「組成物及びその製造方法」
研究進度
共同研究等
の 意 向
□アイディア段階 □基礎研究段階 ■応用実用化研究段階 ■試作・実証試験段階
少数ロットのポリマー成形品の製造やポリマー成形品に新規な機能を持たせることを
模索している企業との共同研究を希望
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