2015 年度 早稲田大学 政治経済学部 (現代文) 全体概況 試験時間 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数: ○ 難化 2題 ○ やや難化 解答数: ● 変化なし 問題の分量(対昨年) ● 多い ○ 変化なし 出題分野の変化 ○ あり ● なし 出題形式の変化 ○ あり ● なし 新傾向の問題 ○ あり ● なし 90分 21問 ○ やや易化 ○ 易化 ○ 少ない 総評 現代文の分野は、 (二)がやや古い時代の随筆もしくは随筆調の評論、 (三)が現代の評論という大問 2題の構成で、例年通りの形式であった。空欄補充の設問が多いこと、語彙力などの国語常識に関する 設問があること、記述説明問題が出題されることなど、全体的な出題内容も例年の傾向通りであるが、 例年出題されていた文学史の設問と昨年出題された誤表現訂正の設問は、今年は出題されていない。 (二) (三)ともに昨年よりも文章量が増加しており、トータルでは約 2000 字の増加となっているが、 解答数の方は、昨年の 24 から 21 に減少している。 (二)は花田清輝の随筆調の評論からの出題。昨年は戦前の文章(谷崎潤一郎『陰翳礼讃』)であった が、今年は戦後まもない時期の文章であった。文章内容は比較的読みやすく、設問の難易度も標準的で 昨年並みである。(三)は舟木亨の評論からの出題で、ケータイやメールという受験生にも馴染みのあ る内容だったので、読みにくさはないものの、記述問題の制限字数が昨年よりも増えている(昨年は 55 字、今年は 70 字)。難易度は昨年とほぼ同程度であった。 全体的に現代文の分野はとりくみやすい印象があるが、この学部の受験生のレベルを考えるとケアレ スミスは命とりになるだろう。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School 2015 年度 早稲田大学 政治経済学部 (古典) 全体概況 試験時間 国語全体で 90 分 大問数・解答数 難易度の変化(対昨年) 大問数: 1題 解答数: 16 問 古文: ○ 難化 ○ やや難化 ○ 変化なし ● やや易化 ○ 易化 漢文: ○ 難化 ○ やや難化 ○ 変化なし ● やや易化 ○ 易化 問題の分量(対昨年) 古文: 漢文: ○ 多い ○ 多い ● 変化なし ● 変化なし 出題分野の変化 古文: 漢文: ○ あり ○ あり ● なし ● なし 出題形式の変化 古文: 漢文: ○ あり ● あり ● なし ○ なし 新傾向の問題 古文: 漢文: ○ あり ● あり ● なし ○ なし ○ 少ない ○ 少ない 総評 今年度も、古文・漢文をそれぞれ「甲」「乙」と分け、併せて大問1題の出題である。 古文は例年、知名度の低い、和歌や風流に関する長めの評論系文を出題することが多いが、本年もそ の傾向は変わらなかった。本年は童形に和歌について教えるという形で書かれた、戦国時代の歌学書『釣 舟』からの出題。若い時に歌を詠む際注意すべきことを述べ、筆者が「歌の父母」とする二首の歌と、 珍しい例としての回文の歌を挙げ、それらを解説している。 本文の分量は300字近く長くなったが、例年の抽象度が高い文章と比較すると、童子向けに書かれ た文章のため内容が掴みやすく、設問についても一部悩む問題はあるものの、大きな難問と言えるもの ではないので、全体としてはやや易化した。 比較的すぐに答えの出る問題が多いが、問七・八の内容合致問題は文全体を見通す必要があるので手 間がかかり、ここを解けるかが合否を分ける。問七は本文に書かれていない内容を含む選択肢をそのま ま切っていけばよいが、問八は選択肢の吟味に迷うかも知れない。過不足なく、本文と完全一致してい る選択肢を選ぶこと。 本年度、本学部と文学部との問題傾向が近かったことは注目に値する。特に文学部・政治経済学部の 受験生は、学部にこだわりすぎた過去問演習に終始せず、幅広い「早稲田対策」をするべきであろう。 漢文は、甲の古文に引用されている内容の出典(A=『晋書』 「列女」伝の記事)と、それを踏まえた 漢詩(B=李白の「烏夜啼」)からの出題であった。B の漢詩は昨年同様に七言古詩であるが、18 句から 6句へと短くなった。しかし、その分を A の文章が埋める形となったため、全体の分量は昨年と変わら なくなっている。設問は、甲(古文)の本文から該当箇所を抜き出す古漢融合問題が出題されたが、書 き下し文や内容説明は例年通りの出題である。昨年のように深い読解力を問う設問はなく、すべての設 問が本文に記載されている内容や漢文の基礎知識で解答できるので、やや易化した。それだけに失点は 許されず、確実に得点することが求められている。 Copyright (C) 2015 Johnan Prep School
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