「千葉市の環境・保健衛生最前線」(PDF:327KB)

平成25年度
千葉市未来の科学者育成プログラム
総合コース「千葉市の環境・保健衛生最前線」
生活に不可欠な食品や水などの安全を守るため、多種多様な検査を行い、市民の暮らしを支える
研究所があります。今回は、千葉市環境保健研究所で試験検査や分析検査の方法を学びました。
日時:8月19日(月)13:40~16:30
会場:千葉市環境保健研究所
講師:千葉市環境保健研究所 健康科学課長 都竹 豊茂
先生、環境科学課長補佐
平山 雄一 先生
千葉市環境保健研究所は、千葉市民の健康と安全な生活を守るため、食中毒や感染症の試験検査、食品化学
検査、大気や水質の分析検査、そして、これらの業務に基づく科学的な調査研究を行っています。
前半は、
「環境保健研究所の概要について」、「食品の放射能に
ついて」
、及び「千葉市の環境測定について」の講義を受けました。
「食品の放射能について」では、スライドを見ながら、食品に
含まれる放射性物質の検査方法について、紹介してくれました。
特に、
「ゲルマニウム半導体検出器」についての重量や構造などの
説明があったとき、受講生は驚いた様子で聴いていました。
「千葉市の環境測定について」では、市内各所に設置している、
大気状況の測定器の分析データを提示しながら、大気に浮遊する
物質の経年変化を追いました。さらに、千葉市内を流れる河川の
水質環境基準に関する項目(健康項目、生活環境項目)や、近年
話題となっているPM2.5の物質、農薬の試験検査の方法など、
内容は多岐にわたりました。
後半は、環境測定の分析室やガスクロマトグラフ室に移動し、
試験検査や分析検査の実習を行いました。
ガスクロマトグラフ室では、ガスクロマトグラフ質量分析計で
分析された農薬の成分データから、含有する化学物質を探り
ました。各々の受講生が画面からグラフを探ると、どのような
物質がどのくらい含まれているか、詳しく説明してくれました。
分析室では、実際に水質の試験検査を体験しました。DО検査や
CОD検査といった、水の中の酸素量を測定する検査で、受講生は、
検出器の数値を確認しながら、薬品を使用して水の色を変化させる
体験をしました。さらに、河川の汚染状況の検査では、市内水域で
実際に採取した水の有機物がどのくらい含まれているかを機器で
分析し、計算式に当てはめて科学的数値を算出するといった方法を
学びました。
通常なかなか入ることができない施設に入って、試験検査や分析
検査の方法を学んだり、分析室の機器や薬品を使用し実際に行う
検査を本格的に体験したりすることができ、受講生にとって科学的
検査の興味・関心を高めるプログラムとなりました。
また、市民が安心して暮らせるよう、たくさんの人が、科学的な
知識を持って、日頃から様々な検査や調査研究を行っていることも
知ることができました。
今回講師をしてくださった千葉市環境保健研究所の都竹先生、
平山先生、及び職員の皆様、本当にありがとうございました。