平成25年度 千葉市未来の科学者育成プログラム 総合コース・医療系コース「放射線の性質と医学利用」 「放射線」について、どのくらい知っていますか。今回は、放射線の人への影響について学び、 放射線のデモンストレーションや、放射線の性質を医学に利用する現場を見学しました。 日時:8月7日(水) 13:10~16:20 会場:独立行政法人 放射線医学総合研究所 講師:独立行政法人 放射線医学総合研究所 人材育成センター教務室長 笠井 清美 先生 他 今回の会場は、放射線医学総合研究所。放射線と人々の健康に関わる研究開発に取り組む研究機関です。 今年5月には新しい研修棟が完成し、放射線に関わる人たちの人材育成に、より一層力を注いでいます。 はじめに新しい研修棟の広い講義室で放射線と人間に関する 講義を受けました。 放射線の種類(α線・β線・γ線・X線)、放射性物質とは何か、 放射線の透過性といった基礎的な知識を学びました。 そして、放射線の人体への影響(健康影響、確率的影響)や、 くらしの中の放射線、外部被ばく及び内部被ばくの仕組みなどに 発展し、内容の濃い講義となりました。 受講生は、わかりやすい説明により、放射線についての理解を 深めることができました。 次に、3班に分かれて、放射線のデモンストレーション、及び 放射線の医学利用の現場見学を行いました。 放射線のデモンストレーションでは、自然の中にある放射線の 説明を聴いた後、測定器を使って、身の周りにある色々な物質の 放射線量を比較してみました。 さらに、簡易霧箱キットを各自で組み立て、光を当てながら、 放射線の飛跡を観察しました。飛跡が思ったより太く見えたり、 きれいに見えたりすると、受講生は驚きながらその様子を眺めて いました。 画像診断棟では、PET(陽電子断層撮像法)検査で必要な がん細胞に目印をつけることができる薬剤を造る装置、がん診断 や認知症などの研究に活用している画像診断装置(PET-CT) とPET-CTで撮影した融合画像などを見学しました。PET 検査と いう方法を初めて知った受講生も多かったようです。 また、重粒子線棟では、最先端の重粒子線がん治療装置(HI MAC)がある場所に入りました。受講生は、イオン源室や線形 加速器室の巨大な加速装置を目の当たりにし、興奮気味に加速器 室内を回っていました。 放射線についての講義とデモンストレーションとともに、通常 なかなか見学することができない放射線医学総合研究所の最先端 の装置を自分の目で直接見ることができた今回のプログラムは、 受講生にとって非常に貴重なものとなりました。 今回、講師をしてくださった放射線医学総合研究所の皆様、 本当にありがとうございました。
© Copyright 2025 ExpyDoc