平成25年度 千葉市未来の科学者育成プログラム 医療系コース「電子顕微鏡の操作を体験する」 普段見えない世界を見ることができると、ワクワク・ドキドキといった好奇心や探究心が育まれ ます。今回は、千葉市科学館の走査電子顕微鏡の操作し、モノの非常に微細な部分を観察しました。 日時:11月2日(土) 10:30~12:00/13:30~15:00 会場:千葉市科学館 10F探究実験室 講師:千葉市科学館 館 長 大髙 一雄 先生 教育普及チーム企画戦略 吉田 麻弥 先生、池田 佳代 先生 今回は千葉市科学館を会場に、午前の組と午後の組に分かれて実施しました。千葉市科学館にある走査電子 顕微鏡(SEM)では、肉眼では見えない小さなモノを数万~数十万倍の倍率で立体的に見ることができます。 千葉市科学館の大髙館長から直々に、走査電子顕微鏡に関する 原理の講義を受けました。μm(マイクロメートル)などの単位、 光学顕微鏡との違い、電子の構造といった基本的な知識の話から 始まり、ターゲットとなる試料に一次電子を当て、試料から発生 した二次電子や反射電子などを読み取って試料を観察すること、 試料の場所によって飛び出す電子の数が異なることなどの仕組み にまで話が発展しました。受講生は、ホワイトボードに記された 図式、数式や用語などを一生懸命ノートに書き写していました。 一方、走査電子顕微鏡を操作して実際に試料を観察するためには、 試料を作る必要があります。この試料作りで大切なことは、試料に 導電性を持たせるため金属コーティングを行うことです。受講生は 装置に観察したい試料を入れ、コーティング作業を体験しました。 その後、走査電子顕微鏡にコーティングした試料を移し、講師の 丁寧な説明を聞きながら、自分の手で倍率やピントを調整し、観察 したい部分に照準を合わせていきました。そして、肉眼または光学 顕微鏡では見ることのできない微細な部分がパソコン画面に表示 されたとき、走査電子顕微鏡の性能の高さを実感しました。 また、受講生は自分自身の髪の毛や皮膚を試料にして細胞を観察 したり、消せる筆記具で書いた跡と消した跡を比較して観察したり するなど、身近な素材の細部がどのように見えるかといった面白い 実験も行ってました。さらに、受講生が持参してきた蚊も観察し、 想像していなかった蚊の足が画面に映し出されると、受講生や講師 の誰もがその姿を驚いた様子で眺めていました。 普段なかなか使用する機会がない走査電子顕微鏡の原理を学び、 実際に操作して試料を観察するという体験は、受講生に大きな印象 を与えました。また、日常生活で見ることができないモノの細かい 部分まで観察したことは、様々なモノを見てみたいという好奇心に つながりました。将来、走査電子顕微鏡を使用してモノを観察する 機会が出てきたら、今回のカリキュラムで学んだことを思い出し、 活かしてくれることでしょう。 今回、講師をしてくださった千葉市科学館の大髙先生、吉田先生、 池田先生、本当にありがとうございました。
© Copyright 2024 ExpyDoc