優秀賞:宮崎市立生目台中学校2年花岡知恵香さんの作品(PDF:83KB)

優 秀 賞
私の相棒「水」
「水!」
花岡
知恵香
宮崎市立生目台中学校
二年
思わずそう声をあげるようになったのは、いつの頃からだろうか。私の記憶の
中では、中学生になった頃から、という気がしている。
小学生の頃までは、私の飲み物はお茶、ジュースだった。遊び疲れて家に帰
ってきても、「お茶!それともジュースないの?」
とこの言葉が口をついて出た。
中学生になって、私は部活動に打ち込み始めた。入部したのは硬式テニス部
だ。多くの体力を使い、体を鍛える部活動であるから、始める前に水を飲み、
合間にも水を飲み、終わったあとにも水を飲む。部活動の時に飲む水は特別に
おいしい。一口の水は、今から動き回る体に「さぁ、やるぞっ。」と気合を入れ
てくれたり、疲れている体に「限界まで頑張れ。」と励ましてくれたりする。私
にとって水はまさにかけがえのない大切な「相棒」と言える存在になっていた。
さて、この相棒、私が日頃付き合う時は実に安全で安心なことこの上ない。
私たちが毎日、水のおいしさを体感できるのも、日本に広大で豊かな自然があ
るからだ。そして毎日おいしい水を送ろうと努力している方々の存在があるか
らだ。
日本には四季があり、川・海・森林・空気などすばらしい自然に恵まれてい
る。自然の循環の中で水は生まれてくる。つまり、それらのどれ一つが欠けて
も水はできなくなってしまうということだ。
そうやって生まれてきた水は確かにおいしい水である。しかし、そのままで
は目にはきれいであったとしても微生物が存在してしまう。そのため、私たち
人間の手を加えて浄水場できれいにされ、安心安全な水が私たちの手元に届い
ているのだ。私たちにとってはそれが当たり前のことで、ついつい感謝する心
を忘れてしまう。私にも、相棒「水」の存在の大切さを思い知らされた経験が
ある。
私が六歳になるかならない頃、宮崎を大型台風が襲った。私の住む生目台は
断水になってしまった。水が蛇口から出なくなって一日目の夕食。一口ご飯を
食べた私は生まれて初めて母の作ってくれた料理に文句を言ってしまった。母
は悲しそうな顔をして言った。
「水が足りずにおいしくないね。ごめんね。」
母への申し訳なさとともに、水が足りないと料理にも影響してくることを思い
知らされた。
料理だけではない。お風呂に入ることも当然できず、二日に一度福祉センタ
ーまでお風呂に入りに行った。本当は毎日入りたかったが我慢した。
「早く蛇口
から水が出ないかな」幼かった私に強烈に残っている思い出だ。
どこにでもある「水」、蛇口をひねれば出る「水」。それがいったんなくなる
と、本当に大変なことになる。しかし近年、地球温暖化に伴う森林減少、生活
排水や原発による水質汚染など、「水」をめぐる問題を多く耳にする。「水」の
安全性は危惧すべき状況にある。このような現実があるからこそ私たちは覚え
ておかなくてはならないと思う。毎日を生きる中で水がなくてはならないもの
であるということを。飲み水、洗濯、お風呂、トイレといった生活に直結する
ことから、動植物すべて生あるものの命をつなぐものであることを。そしてど
んな資源でも底をつくことがあるという大事なことを。
「水」を守るため、私たちは行動し始めなければならない。水を大切に使っ
たり、洗剤の量を減らしたりといった本当に小さなことでもいい。私自身は水
が使えるありがたさを毎日心に留めて感謝し行動することから始めていきたい。
部活動で思いっきり汗を流した後、蛇口をひねる。
「ほとばしる水は私たち人
間の命を支えている。」そう思いながら飲んだ私の相棒「水」はとても冷たくて
おいしい水で、私ののどをきれいに潤してくれた。