の ろ し だ い 半田市文化財専門委員長 河 合 克 己 32 50 植物油インキ使用 再生紙使用 印刷 東海逓信印刷㈱ FAX 0569-25-2180 編集・発行 半田市秘書広報課 〒475-8666 半田市東洋町二丁目1番地 0569-21-3111(代表) □ 毎月1・15日発行(5月・8月・12月は月1回)http://www.city.handa.lg.jp/ Eメール [email protected] ∼半田の魅力を再発見∼ 83 が中国にあるという。 某年某月、尾張藩は海防大演習を挙行 した。黒船に見立てた千賀氏の手船が伊 勢 湾口に姿を現 すと、遠 見 番 所の知らせ によって各 烽 火 台は高々と烽 火 を 上 げ、 同時に、駅伝担当の連絡武士達は股立ち 高 く草 鞋 履 きで名 古 屋へ向 けて出 発 、各 砲台は予て用意の大砲に弾丸を装填、沖 合の黒船めがけて轟音一発、侵入艦隊の近 くに 高 々 と 水 煙 り が 上 げ る か と 思 いき や、徒に海 岸の砂 を吹 き飛 ばしていたと いう。 亀 崎の烽 火 台は半 田 村の小 栗 某 が 担 当していたというが、詳細は不明である。 ▲今も残る大井の烽火台の遺構 だし丸くんレポート 52 勢 湾 を航 行 する異 国 船 を攻 撃 するため に、名古屋鍋屋町の御用鋳物師の水野太 郎左衛門に鋳造させた、各種の大砲を設 置した 台 場︵ 砲 台 ︶を 建 設 する という も のであった。台場は師崎先端の林崎と、礫 ヶ浦近くの内海一色村の二ヶ所に設け、弐 こうほう 拾 貫 目 玉 火 矢 筒 、拾 弐 貫 目 忽 砲 、三 貫 目 か のんほう 迦 農 砲 、三 貫 目 カルロウンナーテ等の大 砲を砲弾や火薬等と共に運び込む手筈を 整 え 、加 えて、熱 田 の港に藩 所 有の関 船 ︵ 戦 艦 ︶を中 心 とする二編 成の迎 撃 艦 隊 を編成し、伊勢湾内で異国船を迎撃し名 古 屋への脅 威に備 え るという ものであっ た。 簡 便 、且つ迅 速 なお城への伝 達 手 段で ある烽火は次の烽火台から順に揚げられ る計画であった。 先ず一番目の烽火台は遠見番所近くの 大 井 村 小 海田 の標 高 mの丘 陵 上 、それ を布土村の祭山︵ m︶で受け、次は現在 の武豊町役場のある長尾山︵ m︶、続い て、亀崎中学校の東の高根山︵ m︶で受 け、緒川新田の mの丘陵上を経て、最後 は大高烽火台によってお城へ情報を伝え るという 仕 組みである。当 時の郡 内 某 村 の 記 録 に 、烽 火 台 用 の 燃 料 として 、枯 松 葉 、青 松 葉 各 ○ 貫 目 、他に狼 糞 ○ 俵の提 出 を指 令した記 事 が残 る。 ﹁ 狼の糞は煙 を真上に上げる働きがある﹂という伝承 56 第 回 尾張藩の黒船対策と﹁亀崎高根山の烽火台﹂ 開国を求めて再来日したペリー提督率 いる米国太平洋艦隊の江戸砲撃におびえ た 幕 府は、要 求 される まま不 平 等 な﹁ 日 米 修 好 通 商 条 約 ﹂へつなが る﹁ 日 米 和 親 条 約 ﹂に調 印 し 、我 が 国は長い鎖 国の眠 りから覚めた。安政元年︵1854年︶の ことである。 その七、八十年ばかり前から日 本近海 には多くの米、露の捕鯨船等が出没し、中 には上 陸して水や食 糧 を求 め、通じない 言葉の壁もあって住民に乱暴をはたらく といった事件が続発していた。 海 岸に面 する 諸 藩はそれを 重 く 受 け 止め、 ﹁異国船に対する海防対策﹂に積極 的に取 り組んでいた。尾 張 藩は異 国 船 が 伊良湖水道から伊勢湾へ侵入することを 想 定 して 藩 船 奉 行 千 賀 志 摩 守 に 対 策 を 策定させた。 ほう さ ぶん こ ち た ぐんほうだい のろ し 蓬左文庫に残る記録﹁知多郡砲台烽火 だい 台 ﹂に は 次 の よ う な 対 策 が 記 さ れ て い る。 先ず、師崎村の千賀志摩守の屋敷庭に ﹁遠見番所﹂を設け、遠眼鏡で伊勢湾口に 侵入する黒船のいち早い発見に努める。 次 に 、名 古 屋 城への 連 絡 手 段 として 、 のろ 知 多 半 島の高 地に﹁ 烽 火 台 ﹂を設 置し狼 し 煙による素早い伝達を図る。強風や雨天 を想 定し、十 数 人の武 士による徒 歩での 駅 伝 式での連 絡 も 併 せ 行 う 。そして、伊 参考文献:知多郡砲台烽火台 乾坤(蓬左文庫蔵) 亀崎町史 12 防災 Memo 12 地震に強く安全な住まいにしましょう 住宅の耐震対策は耐震補強が最も効果的です ●耐震改修工事には、壁の筋違取付、合板張などや瓦の 葺き替えによる屋根の軽量化などの工法があります 補助金を受けられた方の平均工事費は240万円程度となっています が、 150万円程度で耐震性を確保できた事例もあります。 改修工事をお考えの方は、建築課までお気軽にご相談ください。 ●問合わせ 建築課 84-0671
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