若いパワーで 長時間のマスク装着

8
2015年
Vol.016
4月号
かながわ経済新聞
発行日 2015/4/10
発行
かながわ経済新聞社 編集長 千葉 龍太
〒252-0239 相模原市中央区中央3-12-3 相模原商工会館 本館1F
TEL 042-851-3021 FAX 042-851-3532
監修
産業情報化新聞社 編集長
神奈川版
竹原 信夫
〒550-0004 大阪市西区靭本町1-16-7 日報印刷ビル2F
TEL.
06-6445-7405 FAX.
06-6445-7406
URL http://www.akaruinews.com
着目
若いパワーで
色で反応 する
虫の 特性に
薬剤を使わずに害虫
対策―。業務用粘着シー
トなどの製造販売を手掛
長時間のマスク装着
ける大協技研工業(座間
市栗原、☎046・25
若い力でBtoC市場にチャレンジ! これまで培ってきた技術を使
2・9311)は、家庭
加工を手掛ける、相模カラーフォ
って新分野にも挑戦できないかと、独自製品を開発する中小企業が目
用園芸用品の害虫捕獲シ
ーム工業(相模原市中央区上溝、 立ってきた。自社ブランドの製品を持って〝メーカー〟へと脱皮する
ート「むし恋いこい・キ
でヒットを飛ばしそうな製品を開発している企業がある。
補助アイテムを開発した。
くん」
。市販のマスクのゴ
ムひもを、耳ではなく首に
掛けるという発想だ。3月
から発売を始めた。価格は
370円(税抜き)
。
得意とする発泡体の加工
技術を使って開発したもの
で、首回りや頭の大きさに
応じて、3つの穴が付いて
いる。穴にゴムひもを掛け
「くびにかけるくん」
ると、耳ではなく首周りで
親子の二人三脚で挑んだ。
マスクを装着できる。
ポリオレフィンフォーム
マスクは、風邪やインフ
特有の嫌な臭いが一切な
ルエンザの流行、花粉が飛
散する季節に欠かせないアイ
アイ
イデ
デア
ア製
製品
品
ア
名付けて「くびにかける
痛くならない
けても、耳が痛くならない
得意技術で
ことは、大きな目標だ。こうしたなか、若く、そしてユニークな発想
社では、市販のマスクを長時間付
補助アイテム開発
☎042・778・0288)
。同
ャラクター V e
r .」を開発した。
園芸の支柱などに設
大 協 技 研工 業
置するだけで、害虫を捕獲する。
同社によると、害虫の目は紫外
線だけでなく“色”に反応する。黄色のシートに日光が当
たって反射する光の波長が、虫を寄せる特性があるという。
この特性に着目し、得意とする粘着シートの加工技術を
活かして製品化した。害虫によって反応する色が異なる。
黄色と青色の2種類を用意している。
以前から業務用防虫シートを販売しているが、今回はB
toC市場に切り込む製品として「キャラクターVer.
」
を発売した。価格は540円(3シート入り、税込み)
。
シート表面にはご当地キャラクターを印刷。裏面には害虫
捕獲効果の高い粘着剤を塗布して剥離紙加工した。ネット販
売を始めており、全国のご当地キャラクターを選べる。
栽培している野菜のイラストを描いたオリジナルシー
ト、ネームプレートシリーズなどもそろえている。このほ
い発泡体などの素材選び
か、自分の写真を入れるなど、オーダーメードも可能だ。
から始まり、形状やデザイ
「虫を捕獲できる機能性のみに特化してきましたが、表
テム。ただ、
「長時間使用しているとゴム
ン ・・・。これまで6回の試作を
面にキャラを入れることで、園芸の飾り物としても使えます」と、大
ひもで耳が痛くなったり、かゆくなったりします」と
重ねた末に完成させた。
山純平・技術部部長(38)
。
甲斐大輔係長
(33)
。
開発のきっかけは
現在はネット販売が中心
同社は粘着テープなどの粘着製品の開発から製造までを手掛けてい
だが「ドラッグストアーや
る。例えば、自動車の車体にエンブレムを付ける粘着製品、ハードデ
ホームセンター、コンビニ
ィスクで部品を接合する粘着製品などを製造する。
相 模 カラーフォーム 工 業
自身の経験から。花粉症でマスクが欠かせなかったと
いう甲斐係長。市販のマスクを長時間使うと耳が痛く
にも置いていきたいです」
なることから、商品のアイデアを思いついた。昨年3
(甲斐係長)と目標は大きい。
月から商品開発に着手した。
化成品の加工を知り尽くした父・甲斐全吉社長も協力。
配管検査の自走式ロボ開発
「大手はどんなに
優 れ た 技 術 で も、 市
場規模がなければ使い
ません。でも、中小は
異なります。小さい市
場でも成長できます」と
松下恵三・所長弁理士。
葉・浦安市のガス復旧工事にあ
エンジニアリング(綾瀬市吉岡東、☎
たった経験から。現場の惨状を
0467・79・6506)は、ガス
目の当たりした根本社長。
「想
管など配管の外面を検査する自走式ロ
定外の事態に対応できる機械を
ボット「のぼるくん」を開発した。
つくりたいと強く思いました」
。
試行錯誤を重ね、2013年
遠隔操作で動くこのロボットは、
末に第1号とな
リング状の外見。これにタイヤを6
個搭載した。
「シンプルな構造のロボットです」 サーフ・エンジニアリング る試作機を完成
と根本秀幸社長。配管に巻きつくように取り付ける。曲が
させた。実証実験を経て、ロボットのベー
りくねっている配管部分もスムーズに動くのが特徴だ。
スとなる技術開発に成功、製品化のめどもついた。
ロボットにカメラやセンサーを付けて、配管の表面
幅広い活用も見込む。水道管、高い場所にある
に生じる傷や腐食を検査する。人の目の届かない部分
橋梁、煙突、高熱のボイラー設備…。老朽化が進
や検査するには危険な場所で活躍する。今後は実証実
んでいる社会インフラや工業地帯のパイプライン
験を進めていき、1年後には製品化したい考えだ。
の保守点検に大いに貢献できると期待している。
■ご購読のお申込みは、☎ 045・624・8023 まで(委託先/産経情報開拓㈱)
商売は
「持ちつ持たれつ」
中小が休眠特許を活用す
ることで、多大な開発費用
を負担しなくても独自技術
が持てるメリットが出てく
るという。
また、
「新規事業を始め
て も、 知 ら な い う ち に 特
許係争に巻き込まれるリ
スクがあります。しかし、
大手とライセンス契約す
る こ と で、 そ の 企 業 の 保
有する特許については問
題にならなくなります」
。
同事務所は現在、活用
を検討している県内企業
を探している。
災。液状化の被害が相次いだ千
前回お伝えした末 に貢献しようという
永 い 取 引、 お 付 き 合 考 え を 持 っ て い な い
い を す る に は 自 分 た 可能性があります。
もう少し詳しく説
ち︵ 自 社 ︶ が 相 手 へ
の 貢 献 を し な け れ ば 明 し ま す。 通 常、 人
ならないという事を、 は 誰 か に 貢 献 し た い
︵困っている人を助け
お伝えしました。
そ ん な こ と は 分 か た い、 誰 か の 役 に 立
ちたい︶という考
っ て い る し、 い つ も
えを持っています。
こういった相手︵お
客様︶に貢献すれ
ば、 必 ず 自 分 た ち
にも貢献が還って
きます。
が、 相 手 が こ の
﹁誰かに貢献した
い、 誰 か の 役 に 立 ち
たい﹂という考えが
薄く、
﹁自分だけ儲か
ればよい﹂という思
考 が 強 け れ ば、 貢 献
し て も、 一 向 に 還 っ
てこない状況になり
ます。
これではモチベー
シ ョ ン も 上 が ら ず、
末 永 い 取 引、 お 付 き
合いをしようとはな
り ま せ ん。 こ う し た
相 手 と の 商 売 は、 で
きるだけ避けた方が
よいかも知れません。
や は り 商 売 は﹁ 持
ちつ持たれつ﹂が大
切だと思います。
︵バイオクロマト代
表取締役︶
虎ノ門知財事務所
開発のきっかけは東日本大震
配管のカーブもすいすい―。サーフ・
や っ て る よ!
という方々も
多いかと思い
ます。
し か し、 う
まくいかない
ことも多いか
と 思 い ま す。
それはなぜか
︱。 1 つ の 原
因がありそう
です。
そ れ は、 貢
献しようして
い る︵ し た ︶
相手の問題で
す。
どのような
問題かという
と、 相 手 が そ
も そ も、 自 分
以外の人たち
特許業務法人・虎ノ
門知的財産事務所(東
京都港区赤坂、☎03・
5549・1007)
は、
大手企業や知財開発企
業が持っている膨大な
「休眠特許」を、県内の
中小企業が活用できる
ように橋渡しをする新
サービスを始めた。
休眠特許を持ってい
るこれらの企業と中小
企業とをマッチングし
て、協議段階からライ
センス契約までを同事
務所がサポートする。
同事務所は現在、国
内の大手メーカーなど
と取引しており、休眠
特許などの情報も持っ
ている。
な か に は、 保 有 す
る特許のうち半分以上
が休眠特許の企業もあ
るという。
一方、県内では“脱
下請け”を目指して、
新規事業を検討する中
小が増えている。
県内企業対象、
サポート事業開始
大手の休眠特許を
中小に
BtoBが主力だが、
「これからは一般消費者にも販路を拡大して
いきます」
(大山部長)と話している。
ご当地キ�ラで﹁害虫捕獲シ�ト﹂ 危険な場所で活躍
ウレタンフォームなど化成品の