短期予報解説資料1 2015年 3月15日 15時40分発表 気象庁 予報部 1.実況上の着目点 ①日本の南の高気圧の後面から の下層暖湿気流入が東シナ海の 前線に吹き込み、 奄美付近から台 湾にかけての東シナ海で解析雨 量 50mm/h を超える活発な対流雲 列を形成。 前線上の波動は九州の 南を通過した。 ②中国東北区に 500hPa5340m の 寒気トラフ(500hPa-33℃以下) に対応する水蒸気画像の上層渦 が確認できる。 ③華中内陸に 500hPa5700m のト ラフがあって、 前面で対流雲が発 達しており、華中・華南の前線上 に波動を解析。 16日にかけ、前線は東シナ海から日本の南にのび、 前線上の低気圧が日本の南を東進する。九州南部や 伊豆諸島を中心に、短時間強雨に注意。 FT36 FT36 FT12 FT12 前線記号は、FT24が黒塗り、FT48は白抜き。 2.主要じょう乱の予想根拠と解説上の留意点 ①15 日夜には、1 項①の前線波動が四国沖に進み、500hPa5760m 付近の正渦度移流をうけて低気圧を形 成する。その後、トラフの東進とともに前線や低気圧が日本の南海上を東進するが、17 日朝にはトラ フが先行して低気圧は消滅する見込み。一方、1 項③の前線波動もトラフ東進に伴って、16 日にはキ ンクとして東シナ海を進み、17 日朝には九州南部付近に進む見込み。 ②16 日は、前線や低気圧に向かって、東日本の南には 850hPaθe318K(可降水量 30~40mm)、東シナ海 から九州の南には 327K(可降水量 40mm 前後)の暖湿気が流入する。2 項①の低気圧やキンク付近となる 九州南部・奄美や伊豆諸島では、局地的には激しい雨のおそれがあり、短時間強雨に注意。落雷や突 風にも注意。 ③15 日夜から 16 日午前中にかけ、 1 項②の寒気トラフが北海道を通過。 局地的な対流雲の発達に留意。 3.数値予報資料解釈上の留意点 ①総観場は最新初期値の GSM を基本とするが、2 項①の前線上の低気圧やキンクの予想について不確実 性があり、解説図はこれまでの初期値も参考にした。②黄砂:16 日に北日本を中心に黄砂が飛来して 視程が低下するおそれがある。最新の実況や予想資料に留意。 4.防災関連事項[量的予報と根拠] ①大雨ポテンシャル(18 時からの 24 時間):特に高い所(100mm 以上)ないが、2項の短時間強雨に留 意。②波(明日まで):北海道・伊豆諸島 3m。 5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はありません。 1 量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。
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