佐 農 技 防 第 884 号 平 成 27 年 2 月 26 日 病害虫発生予察注意報第8号 佐賀県 作 物 名:タマネギ 病害虫名:べと病 1) 注 意 報 の 内 容 発生地域:県内全域 発生量:平年より多い 2) 注 意 報 発 令 の 根 拠 (1)2 月 18 日 に 実 施 し た べ と 病 の 巡 回 調 査 で は 、越 年 罹 病 株 の 発 生 株 率 は 0.09%( 平 年 0.01% 、 前 年 0.06% )、 発 生 圃 場 率 は 43.8% ( 平 年 4.4% 、 前 年 25.0% ) で あ り 、 発 生 株 率 、 発 生 圃 場 率 と も こ こ 10 年 の 中 で 最 も 高 い ( 表 1、 図 1 、 写 真 1)。 (2)一 部 圃 場 で は 、二 次 伝 染 源 と な る 分 生 子 を 形 成 し た 越 年 罹 病 株 が 認 め ら れ て い る( 写 真 2、 3)。 (3)平 成 26 年 夏 は 長 雨 で 経 過 し 、 苗 床 の 土 壌 消 毒 の 効 果 が 十 分 で な か っ た と 考 え ら れ 、 苗床で感染した株が本圃に持ち込まれた可能性が高い。 (4)近 年 、 本 病 の 発 生 が 多 く 、 病 原 菌 密 度 が 高 ま っ て お り 、 今 後 さ ら に 越 年 罹 病 株 の 発 生が増加すると考えられる。 (5)3 月 上 旬 以 降 、本 病 菌 の 本 格 的 な 感 染 時 期 と な る た め 、二 次 感 染 株 が 急 激 に 増 加 す る ことが予想される。 表1 タマネギ巡回調査におけるべと病の越年罹病株の発生状況(各圃場2,000株調査) 各調査圃場(a~p)におけるべと病の発生株率(%) 調査年月日 マルチ被覆圃場(早生) a 露地圃場(中晩生) b c d e f g h i j k l m n o p 平成27年1月26日 0.10 0 0 0 0 0 0 0 0.05 0 0 0 0 0 0 0 平成27年2月18日 0.40 0.25 0.05 0 0 0 0 0 0.35 0.05 0.10 0.25 0 0 0 0 1 前年 平年 発 生 株 率 ( % ) 本年 0 12中 1下 2下 図1 巡回調査におけるタマネギべと病の発生推移 3下 3) 防 除 上 注 意 す べ き 事 項 (1)圃 場 を 経 時 的 に 観 察 し 、 越 年 罹 病 株 を 抜 き 取 っ て 圃 場 外 へ 持 ち 出 し て 埋 め る か 、 ビ ニ ル袋等で密閉するなどして確実に処分する。 (2)定 期 の 予 防 散 布 に 加 え 、 3 月 上 旬 頃 ( 二 次 感 染 が 始 ま る 直 前 ) か ら の 薬 剤 散 布 を 徹 底 する。また、薬剤散布後においても、曇雨天が続くと新たな病斑を形成することがある ので、このような場合は追加防除を実施する。 (3)薬 剤 感 受 性 の 低 下 を 防 ぐ た め 、 同 一 系 統 の 薬 剤 を 連 用 し な い 。 (4)ト ン ネ ル 栽 培 や 早 生 タ マ ネ ギ で 早 期 に 発 生 し た べ と 病 が 、 周 辺 の タ マ ネ ギ の 感 染 源 と なるため、マルチ除去後の一斉防除等に地域全体で取り組む。 (5)薬 剤 防 除 に 当 た っ て は 、 農 薬 使 用 基 準 ( 収 穫 前 日 数 等 ) を 遵 守 す る 。 写真 1 マルチ被覆タマネギで多発生し ているべと病越年罹病株 写真 3 写真 2 の○部分のタマネギ葉身 上に形成された分生子 写真 2 分生子を形成しているべと病越年 罹病株 注 ) 写 真 1 は 、 平 成 27 年 2 月 18 日 撮 影 、 巡 回 調 査 地 点 圃 場 。 写 真 2~ 3 は 、 平 成 27 年 2 月 17 日 撮 影 、 巡 回 調 査 地 点 外 圃 場 。 矢印:べと病越年罹病株
© Copyright 2024 ExpyDoc