東アジア・ニュースレター

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2015
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執筆:前田高昭
(国際金融ジャーナリス)
中国人民銀行(中央銀行)が 2 月 5 日より預金準備率を
0.5%引き下げた。目的は、低迷する経済のてこ入れや
最近における資金の国外流出への対処などとされ、今
後の金融緩和政策の前触れと見られている。しかし、
不動産、株式市場での投機再燃リスクや地方政府や企
業の過剰債務抑制政策との矛盾などの問題があり、今
後の当局対応が注目されている。
台湾が日本企業にとって中国ビジネスの架け橋になっ
ている。背景として、台湾の親日感情と中国ビジネス
で培ったノウハウが挙げられている。このため日本か
らの台湾投資が急増し、内容も中規模の建設会社から
ラーメン店と多様で、今後の日台企業間の協力関係の拡大が展望されている。
韓国企業が配当金の支払い増に動いている。政府や株主が、韓国企業が内部留保として貯め
込んだ現金を投資家に還元するよう圧力をかけていることが背景にある。政府は税制を改正
し、内部留保を増やす企業に対する特別課税を計画しているが、同時に、株式市場に対する
信頼回復のため企業統治の改善の必要性も指摘されている。
北朝鮮で農業や工場生産の改革という経済実験が進行中と報じられた。この経済実験が成功
し、北朝鮮経済が安定すれば、韓国は大きな利益を得られるとして韓国政府の協力が期待さ
れている。
東南アジア関係では、タイが軍事政権下で表面的には落ち着き、企業は事業環境が改善した
として歓迎している。その一方で、軍事政権はインラック前首相の弾劾や訴追を決定するな
ど強権的姿勢を強めており、国外脱出を計画する企業もあり、メディアは軍事政権が民主化
回帰の道筋から外れたとして批判を強めている。
シンガポール金融通貨庁が金融政策の手段としている通貨変動幅を調整し、これまで進めて
いた小幅で緩やかなシンガポール・ドルの切り上げペースを緩めると発表した。狙いは、イ
ンフレ懸念の後退を背景に輸出競争力の回復を図るためとみられる。
インド政府は今年度(2015 年 4 月~2016 年 3 月)の経済成長率見通しを 7.4%と発表した。最
近における経済回復の勢いの他に、GDP 算出に関する新方式を採用したことが、この数字に
反映されているとされる。しかし、新算出方式の内容について専門家が疑問視し、成長率自
体の信頼性にも疑問が付されている。
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