東アジア・ニュースレター

New!『東アジア・ニュースレター』
2015 年 12月 18 日号
――東アジアのビジネスに関心のある方のための情報誌――
(毎週金曜日配信 計 4 回総集編)
執筆:前田高昭
(国際金融ジャーナリス)
中国関連では、国際通貨基金(IMF)の理事会が人民元の特別引出権
(SDR)の構成通貨入りを決定した。これによって人民元はドル、円、ユ
ーロ、英ポンドとともに IMF の特別引出権の通貨バスケットに加わる
ことになった。経済大国として適切な決定という見方がある一方、こ
れを契機として人民元改革をさらに推進しなければならなくなったと
指摘されている。
台湾経済は輸出依存度がきわめて高いが、11 月の輸出は 221 億ドルと
前年比 16.9%減となり、10 カ月連続のマイナスを記録した。メディア
の一部は、輸出低迷の原因は主要輸出先の中国経済の減速よりも中国
の競争力向上にあると指摘している。
韓国で反政府デモが頻発している。背景に国定教科書策定や労働法改正、反テロ法制定、ジャーナリスト、学
者への弾圧的姿勢などが挙げられている。朴槿惠大統領には、かつて独裁者であった朴正煕元大統領の娘とい
うイメージが国民の間に高まっているが、北朝鮮の脅威を抱える韓国の民主主義には限界があるとの指摘もあ
る。
北朝鮮の漁船が遭難し日本に漂着する例が急増している。原因は金第一書記が食料増産と外貨獲得の手段とし
て漁業に増産を強制し、インセンティブ制度も導入しているのが一因とみられている。
東南アジアからは、ベトナムで住宅ローンが急拡大し住宅販売が今年に入り倍増した。背景として人口の 60%が
35 才以下というベトナムの人口構成と、都市部に移住する若者の増加、経済の成長発展に伴い誕生した若い中
間層の需要の後押しが指摘されている。住宅ローンの盛行は経済の成長発展を物語っている。
インド経済は、目下きわめて好調に推移しているが、それは表面のことで様々な問題が隠されているとメディ
アが指摘する。具体的には、改革の遅れ、医療や識字率、女性の地位の低さが挙げられ、これらの問題は毎年
労働市場に参入してくる若者達へ雇用を提供する上で懸念材料になると警告する。
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