東アジア・ニュースレター

New!『東アジア・ニュースレター』
2016 年 3 月 4 日号
――東アジアのビジネスに関心のある方のための情報誌――
(毎週金曜日配信 計 4 回総集編)
執筆:前田高昭
(国際金融ジャーナリス)
中国の資本市場を監督する中国証券監督管理委員会(CSRC)の委員長が
交代した。前任者は昨年の株価急落に際しての責任を問われ更迭され
たとの見方が一般的だが、後任者が中央銀行や大手銀行の経営経験を
持つ人物であり、金融監督行政改革が始まるのではないかとの期待が
高まっている。同時に異動人事に政治的背景があるとも指摘されてい
る。
台湾の博物館外交が注目されている。国際的に知名度の高い国立故宮
博物院を看板に掲げる外交政策である。中国の妨害にあって国際舞台
での活動が制約されている台湾が考え出した、いわば苦肉の策である
が、その成果が注目されている。
韓国の家計債務問題は韓国経済の弱点と指摘され、政府も削減に取り組んできたが、昨年末の残高がついに 200
兆ウォン(約 9,730 億ドル)に達した。ただし、債務の大半を占める住宅債務の内容は比較的良好であり、専門
家は危機を触発するリスクは少ないとみているが、問題点として個人所得の多くが債務返済に回るため、消費
が伸びないことが指摘されている。
北朝鮮との協力事業であった開城工業団地の操業中止を韓国政府が決定した。北朝鮮が工業団地の操業から得
た外貨を核・ミサイル開発に使用したことが理由とされる。北朝鮮は現在外貨獲得策の一環として自国労働者
を海外に多数派遣し労賃を没収しているが、そうした政策を今後いっそう拡大強化していくとみられ、その場
合、低賃金労働者の搾取が人権問題として浮上してくるとみられる。
東南アジア関係では、インドネシア中央銀行が政策金利(翌日物レポ金利)の 0.25%引き下げと預金準備率の
7.5%から 6.5%への引き下げを決定した。利下げは今年に入り 2 か月連続で、政策金利は年 7.00%となった。こ
うした金融政策によるてこ入れによって、今年のインドネシア経済は 5%台半ばの成長率を維持すると見込まれ
ている。
インドは現在 4 月から始まる財政年度の予算編成の時期にある。主要メディアのひとつがインド経済の最近に
おける成功の秘訣はマクロ経済の安定性にあり、財政規律の維持が肝要だと指摘。同時に経済の潜在力を完全
に引き出し、強力な経済成長を達成するには、経済の構造改革の加速が大事だと主張する。
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