成長見通しを上方修正。将来的な利上げも見据える(2015/2/13作成)

*グローバル投資環境 No.896*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
英国中銀のインフレレポート~
成長見通しを上方修正。将来的な利
上げも見据える
2015年2月13日作成
2月12日、英国中央銀行はインフ 【成長率とインフレ率の見通し(中央値、%)】
成長率
8月
11月
2月
レレポートを発表した。当レポート
3.5
3.5
の名称は「インフレレポート」だが、2014年
2015年
3.0
2.9
2.9
2.7
2.6
2.9
経済全般に関する中銀の見通しを網 2016年
2017年
2.6
2.7
羅している。
8月
インフレ率
11月
1.9
1.2
1.7
1.4
1.8
1.8
2.0
2月
0.5
1.8
2.1
レポートは成長率について、2015年を前回(11月)のレポー
トでの見通しである2.9%で据え置いたが、2016年を2.6%から
2.9%、2017年を2.6%から2.7%へそれぞれ引き上げた。その
背景についてカーニー総裁はレポート公表後の会見で「失業率
は引き続き低下し、過去6年余りの期間における最低に達して
おり、労働市場のタイト化に伴って賃金の伸びと単位労働コス
トは上昇を始めている。賃金の上昇とエネルギー及び食品価格
下落の相乗効果は家計の財政の助けとなり、消費支出の伸びを
サポートするだろう」と述べている。
一方、インフレについては、2015年を前回予想の1.4%から
0.5%に下方修正、カーニー総裁は「インフレは我々がインフレ
ターゲットを導入して以降の20年間の最低水準にある」と述べ、
「それはさらに低下し、春にはマイナスに転じる可能性もあり、
今年の残りの期間はゼロ近辺で推移するだろう」と指摘してい
るが、2016年のインフレ見通しは1.8%で前回から変化はなく、
2017年には2.1%を見込んでいる。総裁は、「現在のインフレ
率とターゲット(2%)のギャップの3分の2は食品とエネル
ギー価格の急速な下落で説明できるが、金融政策の効果がピー
クに達するまでには普通18~24ヶ月の期間がかかるため、最近
の食品とエネルギー価格の下落がヘッドラインインフレに与え
る影響を相殺するために、我々がなし得ることは余りない」と
述べた上で、「食品とエネルギー価格下落の影響が薄れた後、
出来るだけ早くインフレを目標に戻すべきであり、そのための
適切な期間は2年程度だ。それは、来たるべき年における利上
げのペースと度合いを調整することにより可能になる」との考
えを示している。
英国では、一時は昨年中すら意識されていた利上げの時期は
相当に後ずれしており、米国の利上げが年内に開始される可能
性が高いことを考えると、英国の通貨ポンドが米ドルに対して
大きく上昇することは想定しにくいと思われる。しかし、今年
に入ってからECBの量的緩和決定に加え、カナダ、オーストラ
リアの利下げなど、米国を除く先進国の中銀の多くが緩和色を
強めている中で、「利上げ」を口に出来る国の通貨であるポン
ドは、米ドルに以外の先進国の通貨に対しては堅調に推移する
可能性が高いと思われる。
(文責:勇崎 聡)
(出所:英国中央銀行及びBloombergより髙木証券作成)
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