平成28年12月 16日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 【株式相場レポート】 ~循環物色しながら続伸~ 今週の総括 16日終値 前週末比 日経平均 (円) 19,401.15 +404.78 ドル (円) 118.04-06 +3.61 NYダウ (ドル) 19,852.24 +95.39 長期金利 (%) 0.075 +0.025 NY原油 (ドル) 50.90 -0.60 ※NYダウ・NY原油は15日終値、ドル・長期金利は16日15時現在 ★原油減産合意、米利上げ、日銀ETF買いと好材料揃い続伸も、けん引役は攻守交代 今週のプラス材料 ・米FOMCが0.25%利上げ、17年利上げ3回を予測 今週のマイナス材料 ・原油価格が1バレル52ドル台の高値後に下落 ・円安(1ドル118円台)、米長期金利高(2.5%台)が進行 ・OPEC加盟国と非加盟国が原油減産で合意 今週の日経平均は、年初来高値を更新して19,000円台に乗せた後も、利益確定売りをこなしながら続伸した。 前週末にOPEC加盟国と非加盟国の原油減産合意を受けた原油価格上昇を好感、年初来高値を更新して始 まった。14日の米FOMC前に、先週までの相場をけん引してきた石油・資源、鉄・非鉄と金融株に利益確定売 りが見られる一方、これまで弱かった、食料品、医薬品、小売、通信などが物色された。しかし米利上げ決定 後に米株高、米金利高と円安が進行すると、再び金融株が上昇、輸出関連株もけん引した。また、下落局面 では、日銀のETF買入れが意識されて買い戻される展開もみられた。 1週間を通した騰落率でみると、精密を筆頭に医薬品、小売、食料品、電力、通信が上位に並び、鉄・非鉄、 石油・資源、海運、銀行以外の金融、不動産の下落が目立った。製造業でも機械や任天堂株のウェイトが大 きいその他製造業も下落した。 来週以降の見通し ★高値圏のまま年末相場入りか 想定レンジ 18,800~19,500円 来週以降の注目材料 リスク要因 ・米新政権の経済政策などに対する報道 ・原油価格の乱高下 ・原油価格の動き ・為替市場の乱高下 ・メガバンク株の動き ・メガバンク株価のピークアウト ・欧州の各国選挙での与党敗退 米新政権への期待をベースにした「ハネムーン相場」が年内は続くとの見方をもうしばらく継続する。 今週も円安、原油高、米株高、米金利高と、これまでの株価上昇を支えてきた要因がさらに継続したことで、 結果として続伸した。しかし、先週までとはけん引する業種が変わっており、上昇した銘柄が売られ、出遅れ た銘柄が買われる、いわゆる「循環物色」の動きが目立ってきた。今回のラリーも第2幕入りした印象がある。 ただし、円安、原油高、米株高、米金利高の流れは変わっておらず、結果として日経平均の上昇も続いてい ることから、売りパワーよりも買いパワーの方がまだ大きいことが示唆される。外人投資家から見た場合、 米ドルベースでのTOPIXはあまり上がっておらず、日本株に対して出遅れ感や割安感を感じる投資家はまだ いると考えられる。また円安のまま年末を越せば、1月下旬から始まる3Q決算発表では、輸出企業の業績 上振れや株主還元引き上げが期待できる。まだ「材料出尽くし」ではないだろう。 来週以降は、徐々に年末相場入りするとみられる。売買代金の50~60%を占める海外投資家が、年末を前 にポジション確定の売りに動いたり、休暇入りして取引が減少しやすくなる。特に今月最終週は、取引が細 る分、株価の振れ幅が大きくなりやすい点に注意が必要だろう。 平成27年8月26日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 来週・再来週の主なイベントカレンダー 国内 19(月) 海外 貿易統計:11月 資金循環統計:7-9月 20(火) 日銀金融政策決定会合結果 EU経常収支:10月 人口推計:12月 21(水) 米GDP確定値:7-9月 22(木) 米個人消費支出:11月 23(金) 祝日(天皇誕生日) 英GDP確定値、経常収支:7-9月 消費者物価指数:11月 米ケース・シラー住宅価格指数:10月 26(月) 27(火) 失業率、有効求人倍率:11月 住宅着工戸数:11月 家計調査:11月 28(水) 鉱工業生産:11月 29(木) 30(金) 大納会 リスクおよび手数料等の説明 株式取引は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。 ■株式取引の委託手数料はインターネット経由の場合1日の約定代金の合計により決定し、100,000円(税抜)が上限です ■上場有価証券等書面、取引規程、取引ルール等をご覧いただき、内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任により お申込みください ■口座基本料は個人の場合には原則無料です ※各種書面の郵送交付には、年間1,000円(税抜)をご負担いただく場合があります ■本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証 するものではありません ■本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません ■投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします ■本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません ■本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります ■本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願い いたします 次回発行予定:12月 22日(木)17:00以降 業者名等 松井証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第164号 加入協会名 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会 Copyright (c) 1998 Matsui Securities Co.,Ltd.
© Copyright 2024 ExpyDoc