vol. 12 19 12 25 221 ハウジング・トリビューン【ウィークリー】 2014 年 12 月26 日号 http://www.sohjusha.co.jp 今週のトピック解説 省エネ基準 大規模建築から平成25年基準適合を義務付けへ 国土交通省の社会資本整備審議会 建築分科会建築環境部 会が「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方につ いて」の骨子案を取りまとめた。国は2020年までに新築住 宅・建築物について段階的に省エネ基準の適合を義務化する 方針。建築環境部会ではそのための取り組みの方向性や具体 的な方策について議論、今回、骨子案をとりまとめた。 省エネ基準の義務化をどのように段階的に進めていくかに ついては、まずは大規模非住宅建築物から義務化していくこ とになりそうだ。単体としてのエネルギー消費量や届出制度 における対応状況、建築主による対応能力などを踏まえたも の。新築建築物における省エネ基準への適合率では、2000 省エネ基準は、適合率の高い大規模非住宅から義務化されることになりそうだ ㎡以上の建築物では2013年時点で93%と9割を超えている。 合わせて、省エネ基準への適合率向上も図っていく。設計 国土交通省も「現行の届出制度における届出率、適合率が 者や中小工務店の負担を軽減し規制への対応を円滑化するた 比較的高く、件数も一定範囲内におさまる大規模な非住宅建 め、基準への適合性をチェックする際に用いるプログラムな 築物から基準適合を義務化する方向で検討する」 (住宅局 住 どの使い勝手の改善を図る。 宅生産課)としている。義務化する基準については、現行の 義務化に向けた道筋をつけていく一方で、建築主が省エネ 省エネ基準である平成25年基準がそのまま導入される見込 対応に積極的に取り組む環境整備も進める。例えば、賃貸住 みだ。義務化の時期については未定となっている。 宅については、低所得者や被災者、高齢者、子育て世帯など 住宅は省エネ基準への 適合状況を踏まえて判断 が多く居住しているものの、省エネ化に関しては貸主の意向 一方、住宅については現行の平成25年基準への適合率の が強く、対策が進んでいないのが実情だ。そのため、一定の 省エネ性能を持つ賃貸住宅の整備に対し、支援を行うなど、 省エネ性能が確保された賃貸住宅ストックの形成を推進して 進捗などを見ながら、義務化の時期や義務化する基準のレベ いく。 (独)住宅金融支援機構の「省エネ賃貸住宅建設融資」 ルを判断していくことになりそうだ。 などを今後も継続するとともに、住宅性能表示制度による性 新築住宅における省エネ基準への適合率は2013年時点で 能のラべリングで賃貸住宅の省エネ性能を見える化し、借主 49%と約半数に留まっている。とくに中小工務店などでは が賃貸住宅を選ぶ際の目安になるような取り組みも推進する。 省エネ基準への対応の遅れが指摘されている。また、住宅の 今年度が目標年次となっている住宅建築主の供給する建売 場合、建築主の多くは一般消費者であるため、資力の面など 戸建住宅の省エネ性能向上を促す措置(住宅トップランナー から基準への適合が難しくなっているケースもある。このま 制度)も、今後も継続する方針。 ま義務化に踏み切ると市場に混乱を招く恐れがある。 「これまでの目標達成状況など結果を分析し、新たに次期 「住宅については、2015年4月から平成25年基準が完全施 の目標などを設定したい」 (同)としている。省エネ基準の 行となるので、その後の適合率の推移や制度の運用状況を見 義務化に向けて、省エネ住宅の底上げを図るうえでも動向が ながら判断したい」 (同)としている。 注目されそうだ。 今週の主なニュース 12 19 12 25 ・大和ハウス工業 米国で賃貸住宅事業を開始 物流倉 庫や分譲住宅事業も順次スタート ・住友林業 ハイクオリティ・ハイセンスな高価格帯の 新商品を開発 富裕層向けの提案を強化 ・積水化学工業 インテリアとエクステリアの子会社を 統合 住宅内外のトータルデザインを提案 ・リンナイ デジタル放送の受信に対応した浴室テレビ を発売 従来品に比べ消費電力を6割削減 ・YKK AP 国内最高の断熱性能を実現した高性能トリ プル樹脂窓を開発 ・大建工業 インテリア畳のラインナップに970㎜角サ イズを追加 関西間などに最適
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