vol.240 断熱材メーカー、床下施工の断熱リフォームを強化

 vol.
240
ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
5 15 5 21
2015 年 5 月22 日号
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
断熱材メーカー、床下施工の断熱リフォームを強化
より簡単に断熱改修を行える商品や技術の開発が活発化す
るなか、壁や天井などだけでなく床の断熱改修に関する提案
も目立ってきている。
床の断熱改修については、省エネ性能の向上といった観点
だけでなく、足元の寒さ対策としても有効であると言われて
いる。だが、多くの場合、床材をはがして施工する必要があ
り、コストや手間といった課題から、なかなか普及しないの
マグ・イゾベールが開発した「床リノベ」。ボードタイプのものには、製品に
スリットを入れ折りたためるようにしたことで、床下に搬入しやすくした
が実情だ。こうした課題を受けて、ここにきて床材をはがす
ことなく、住まい手が住まいながら工事ができる断熱リフォ
ーム商品・工法の提案が活発化してきている。
合わせて使用)の床の表面温度を比較すると、後者の方が3・
よりハードルの低い
断熱リフォームとして訴求
1度高くなった。
例えばマグ・イゾベールでは、床下から簡単に施工できる
リフォーム用グラスウール断熱材「床リノベ」を新たに発売
した。様々な既存住宅により柔軟に対応できるように、マッ
トタイプと、ボードタイプの2タイプの断熱材を用意した。
マットタイプのものは圧縮させることで、床下点検口から
「工事中も室内の日常生活にほとんど支障が起こらないため、
より住まい手に提案しやすい。
『床リノベ』による断熱リフ
ォームをきっかけに、全面リフォームにも関心を持ってもら
いたい」
(同社)としている。
一方、フクビ化学工業では、既築住宅の床下から床をはが
さずに発泡系断熱材を施工する「床下断熱 フクフォーム
Eco リフォーム工法」の提案を強化している。
簡単に搬入可能。また、ボードタイプには小さく折りたたむ
床下からフクフォームEcoを施工することで、省施工、
ためのスリットが入っている。折りたためることで、床下点
短期工事を実現した。住まい手が住んだままの状態で、1日
検口から搬入できる。
から2日という短期で施工できる。床下からフクフォーム
また、床下側から簡単に留め付けられるのも、床リノベの
Ecoを施工するために、
「断熱受リング」という専用の部材
を開発。まず、大引の間にフクフォームEcoを充填し、次に、
特長。
マットタイプの断熱材全体をポリプロピレンフィルムで包
断熱受リングを等間隔に当て、ビスで根太に固定する。根太
み、フィルムの耳部分をタッカー釘で簡単に留め付けられる
の間に既存の断熱材が施工されている場合でも、フクフォー
ようにした。ボードタイプの断熱材では、透湿防水シートの
ムEcoを重ねて施工できる。
「施工後、床下に熱が逃げにく
耳部分をタッカー釘で留め付けられるようにした。
くなり、床表面温度は2度から3度上昇する。リビングや寝
さらに、ボードタイプの断熱材に付いている透湿防防水シ
ートは、気流止めの役割も果たし、床下の冷たい空気が壁体
内に上昇することを抑制する。
同社が実施したテスト施工事例では、無断熱の場合と、床
リノベを施工した場合(マットタイプとボードタイプを組み
室などを部分的にリフォームするだけでも、断熱性能の向上、
暖房効率の向上を期待できる」
(同社)としている。
省エネ性能の向上だけでなく、足元の寒さ対策としても効
果を発揮する床下断熱改修。断熱改修市場でのヒット商品と
なる可能性も高そうだ。
今週の主なニュース
5 15
5 21
・積水ハウス 実証実験棟3棟を関東工場に結集 住
まいと環境を学ぶ場を提供
・大和ハウス工業 スマートハウスのアプリ開発コン
テストを開催 エントリーを開始
・住友林業 一棟リノベーションマンション事業を開
始 東名阪で順次発売
・アイディールブレーン 世界初、
「金属流動」を活用
した制震ダンパーを開発 現場に一人で運び設置可能
・YKK AP 面ではなく線で仕切る内装間仕切りを提案
光と視線を柔らかく通し開放的な空間を演出
・ニチベイ スラットやラダーテープなどを自由に組み合わせら
れる横型ブラインドを発売 スラット1枚からカスタマイズ可能