vol.263 建材・設備メーカーのリフォーム販売が拡大 業績好調をけん引

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ハウジング・トリビューン【ウィークリー】
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2015 年 11 月6 日号
http://www.sohjusha.co.jp
今週のトピック解説
建材・設備メーカーのリフォーム販売が拡大 業績好調をけん引
建材・設備メーカー各社のリフォームが好調だ。
している。窓の内側
TOTO の2015年度上期の決算は、売上高が前年同月比
に新たに樹脂窓を設置
11.6%増の2722億5400万円、営業利益が同66.1%増の200
するだけで、居室の
億円と、いずれも過去最高を更新し増収増益の決算となった。
寒さの緩和、窓の結露
好業績を牽引したのがリフォームだ。
の防止、騒音の解消と
国内では、昨年度の消費税引き上げに伴う駆け込み需要の
いった様々なメリット
反動減から持ち直し、とくに住宅リモデルが大きく増えた。
をもたらす。1窓当た
リモデル事業の売上高は同9%増の1330億円、営業利益は同
り1時間の短時間で施
40%増の85億円となった。
工が完了。このインプ
リモデル商材の中でも特に好調なのが、システムバスのサ
ラスの販売実績が右肩
LIXILの玄関リフォーム、
リシェントⅡ。2015年6月
の発売開始以降、前年比150%増で売上が推移
している
ザナと、トイレのネオレスト。機能面の進化、施工性の良さ
上がりで推移している。
などをアピールすることで、リフォーム需要の深耕に成功し
2002年に販売を開始したロングラン商品だが、省エネ住宅
ている。
「省エネ住宅ポイントに関しても工務店やリフォー
ポイントの影響などもあり、ここにきて一段と販売実績を伸
ム店をしっかりフォローできる体制を整え対応した。リフォ
ばしている。
ーム市場全体の伸び率よりも大きく実績を伸ばすことができ
さらに、外壁を壊さず1日で工事が完了する「1dayリフ
た」
(同社)としている。
ォーム」に対応するリフォーム玄関ドア「リシェントⅡ」に
LIXILは窓まわりの断熱改修が急増
ついても2015年6月の発売開始以降、前年比150%で売上が
LIXILも売上拡大に国内リフォーム事業が大きく寄与して
推移している。LIXILでは、
「窓や玄関ドアといった開口部
のリフォームは、てきめんに効果が現れる部分。見た目にも
断熱改修の成果がわかりやすく、施主の満足度は非常に高い。
いる。
LIXIL の2015年度上期の売上高は前年同期比10%増の
リフォーム施工店も提案しやすい」
(同社)としている。
8774億円、営業利益は同141%増の320億円に達し、過去最
玄関リフォームに関しては、YKK APが展開する玄関リフ
高を更新した。リフォームの販売実績は、当初の計画を上回
ォーム、かんたんドアリモの販売実績も好調だ。10月の販
る前期比10%増の1488億円。
「省エネ住宅ポイントの影響
売状況が前年同月比200%増という伸びを見せている。かん
が大きかったことに加えて、断熱リフォームを中心としてリ
たんドアリモは、壁を壊さない「カバー工法」で簡単にリフ
フォーム関連商品の拡充を進めた。施工店がよりリフォーム
ォームできる玄関リフォーム。業界初となるドアを引き戸に
をすすめやすいソフト面の提案も強化している。こうした取
変えられる「アウトセット引き戸」など独自性を持たせたラ
り組みが徐々に浸透して、エンドユーザーのリフォームに対
インナップを揃えている。
する関心が水回り以外の断熱改修などにも広がってきている」
(同社)としている。
断熱改修のなかでもとくに好調なのは、玄関ドアや窓など
の開口部。同社では、防音・断熱内窓、インプラスを展開
新築需要が減少していく中でリフォーム市場をいかに拡大
していくかは、建材・設備メーカーにとっても死活問題と言
える。省エネ住宅ポイントが終了したこれからがリフォーム
市場拡大に向けての正念場となっていきそうだ。
今週の主なニュース
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・住友林業ホームテック 既存のモルタル外壁利用の耐
震補強工法を開発 住みながらのリフォームも可能に
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・飯田グループ HD シニア事業者2社と業務提携 介
護事業で新サービスの創出目指す
・ソニー不動産 ヤフーと個人間売買プラットフォーム
の提供を開始 買主・売主がネット上で直接やりとり
・グリー 住まい・暮らしの情報提供プラットフォー
ムで新会社 500以上の事業者・専門家が参画
・LIXIL 風を創出し洗濯物の乾きを促すテラス囲いを
開発 省施工にも配慮
・アイカ工業 人気のシート系フロアを一新 基材を
安定供給可能な国産材に変更