9年間を見通した小中連携体制の土台づくり 1 B市 取組の実際 潤いと秩序のある学校を目指し、信頼関係に基づく好ましい人間関係づくり=「絆」を深める教育に 取り組んでいる。特に指導法改善に視点を向け、「教師自ら聴き・考え・深め・広げる」授業力向上に 努めている。そこで、昨年度より学区内の小学校2校と連携体制の構築に努め、小・中学校のそれぞれ の特性を生かした学習指導、授業づくりの推進を図るために小中合同教職員研修会を行い、全ての教科 において学力の土台となる「読む」 「書く」「計算」の定着を図っている。 平成21年度 ◎夏季休業中における3校合同職員研修会 ○「教育に関する3つの達成目標」検証結果による各学校の取組についての協議 ・ 「学力」 ・ 「体力」 ・ 「規律ある態度」それぞれの部会に分かれ課題解決に向けた取組 ・小学校、中学校それぞれの連携の在り方の確認 平成22年度 ◎中学校の学習会に小学校の先生方がサポート ○長期休業中における中学校の補習会(数学)に小学校の 先生方の協力を願い個別指導を行うとともに、小・中学 校の課題の明確化を図る ・中学校1年生を対象に基礎・基本の計算問題(整数、 分数、小数の四則計算・正負の数の計算等)を中心に個 別指導の実施 ◎夏季休業中における3校合同職員研修会 ○「数学」 ・ 「理科」 ・ 「英語」 ・ 「体育」 ・「道徳」の部会 に分かれて実践に即した模擬授業及び協議 ・ 「数学」 ・・・学力分析、教材教具、板書、発問の研究・授業の紹介 ・ 「理科」 ・・・実際に実験を行い興味関心の持たせ方の研究 ・ 「英語」 ・・・AETの活用(活動場面)の仕方の研究 ・ 「体育」 ・・・体力向上の取組、食育(健康)指導の研究 ・ 「道徳」 ・・・資料分析、授業力向上の研究 2 成果 教科によって取組に差はあるが、小・中学校の教員の垣根を無くし、9年間を見通した教育を行える よう、小・中学校の教員が一丸となり指導を行い、各教科の学習の中で学力の土台となる「読む」「書 く」 「計算」の確実な定着を図る体制を築き始めている。 数学の補習会に協力して頂いた小学校の先生方から「どのような点で生徒がつまづくのかがわかっ た。」「小学校の学習の大切さを感じた」「小学校の学習が中学校の学習にどのように活かされるのか知 った」等の言葉を耳にした。新たな発見や気づきが指導法改善に役立つ道しるべになると考える。多く の小学校の先生方の協力のおかげで、生徒は意欲的に取り組み、正答率は上がり、それぞれの課題を克 服している結果( 2 9 5 などの正負の数の計算が出来なかった生徒は145名中16名が、補習会後 4 9 3 の問題が解答できなかった生徒が2名、小数・分数の計算問題ができなかった32名が補習会 後3名まで減っている)が出ている。 小・中学校がそれぞれ創意工夫ある指導法を取り入れ、研修を重ねることで、きめ細かな指導、魅力 ある指導が実践できると捉える。小中合同研修会は昨年度からの取組のため課題はあるが、小・中学校 の教員に相互の資質向上を目指すと共に、お互いに身近な支援者、協力者という視点に立ち、それぞれ 特色を生かした指導法を融合させ、9年間の見通しを持った教育活動を実践し成果をあげている。
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