2015年1月

Vol. 132 2015年1月号
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□ トピック □
冬場の結露とその仕組み
冬場になると、室内の窓ガラスが曇ったり、その下に水が溜まったりするのを目にすることが
多いと思いますが、この結露、高い衛生環境を保つ上でも非常に嫌なものです。
結露は空気中の水分が急激に冷やされて水滴になる現象です。結露が起こる原因は空気
中の「温度」と「湿度」、それと結露が起こる場所の「温度」が大きく影響します。特に近年の気
密性の高い建家では、水分の逃げ場が少なくなっている上に、冬場は外気温と室内の温度差
が大きく、結露が起こりやすい環境がよく見られます。窓ガラスなどで起こった場合、目立ちや
すいのでわかりやすいですが、床、壁、さらには壁裏や天井裏などでも起こっていることがよく
あり、気づいたときには結露が原因でカビで真っ黒になっている場面をみることもあります。
結露は水分が凝集した水滴で、カビなどの微生物の発生や食菌性昆虫類の発生、壁紙の
剥離、木材や基礎の腐朽、シロアリの発生原因など、起こった場所によって様々な問題を引き
起こします。壁がしっとりしていたり、ポツポツと壁に黒い点が見られたり、壁紙が少しずつめく
れ上がってきていたりと、そのシグナルはあちこちで少しずつ見られています。
身の回りにこういった環境は見られませんか?あった場合は要注意です!
□ お知らせ □
ヒメマキムシ科
体 長:1~3mm。
生態的特徴:多湿を好み、
カビの胞子などを摂食する。
防カビ塗装
□ 豆知識 □
結露による被害
壁紙が剥離し、その奥には
黒ずんだカビが見えている
結露を防ぐためには
結露対策はどうしたらよいでしょうか?このヒントを少し紹介します。
結露の出発点は窓ガラスについた小さなゴミなどで、その周辺に窓ガラスにはじかれた
水滴ができることで起こります。ということは、窓ガラスをキレイに洗浄することで、水滴
が取り付きにくくすることができ、界面活性剤などを塗布することで水滴になりにくくする
ことができます。撥水加工は水滴を弾くので逆効果です。このあたりはまず皆様のおうち
のお風呂の鏡などで試してみて頂ければ実感できると思います。
また、気流を作って、空気の澱んだ場所を作らないことも重要です。タンスの奥にカビ
が生えやすいのはなぜか。これを室内でも考えてやれば良いわけです。
弊社では結露防止対策のご相談も承っており、結露が原因となって起こるカビや虫の
発生に関する問題のご指摘、改善案などもお話させていただいております。虫の状況か
ら結露の問題にたどり着く場合もあります。カビや虫の発生が広がってしまう前にお気づ
きの点がありましたらぜひご相談ください。
今年の干支は「未(ひつじ)」ですね
あけましておめでとうございます。今年は「ひつじ」年です。
ヒツジやヤギは日本では気候にマッチしなかったのか、日本国内では飼育も昔からあまりされてお
らず、馴染みの薄い動物かもしれません。しかし、羊は世界中で牛や馬と並んで重要な家畜として飼
育されている動物なのです。日本では「捨てるところがない動物」と言えば「鯨」といわれますが、欧
米では「羊」といわれます。毛皮はウールなどの繊維に、皮や胃袋は加工して水入れに、腸はソーセ
ージの皮や楽器の弦に、肉以外にも内蔵や脳味噌、目玉は食用に、乳はミルクやチーズに、骨は肥
料や薬品にと、まさに捨てるところのない動物です。
最近ではウールの多くが化学繊維に変わっていたり、テニスの弦のガットも羊の腸の筋を使用して
いたものが少なくなり、チーズも「羊の胃袋」から取り出したレンネットという物質を使っていたものが
他の物に置き換わっていたりと、少しずつ羊から出来ているものは減りつつありますが、まだまだ身
の回りには羊から得てきた多くのものがあります。
今年はひつじ年ですので、年初めに身の回りのひつじ探しをしてみてはいかがでしょうか?