計画策定年度 平成25年度 計画主体 兵庫県丹波市 丹波市鳥獣被害防止計画 <連絡先> 担 当 部 署 名 丹波市産業経済部農業振興課 所 地 兵庫県丹波市春日町黒井811番地 号 0795-88-5028 F A X 番 号 0795-74-1055 電 在 話 番 メールアドレス [email protected] 1.対象鳥獣の種類、被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣 イノシシ、シカ、アライグマ、ヌートリア、カラス、 サル 計画期間 平成26年度~28年度 対象地域 兵庫県丹波市 2.鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本的な方針 (1)被害の現状(平成24年度) 被害の現状 鳥獣の種類 品 目 被害数値 水稲 イノシシ 野菜(かぼちゃ、ばれいし ょ他) 水稲 シカ 野菜(トマト、ばれいしょ 他) アライグマ ヌートリア 野菜・果樹(ブドウ、とう もろこし他) 野菜(ブロッコリー、ばれ いしょ他) カラス 野菜(トマト他) 計 ― 307 万円 2.67ha 248 万円 2.69ha 349 万円 3.28ha 340 万円 3.65ha 818 万円 2.64ha 49 万円 0.35ha 30 万円 0.21ha 2,141 万円 15.49ha (2)被害の傾向 シカ、イノシシについては、従来から駆除活動を行っているものの、依然市内全域で 被害が多数発生している。地元が中心となり防護柵の設置を行っている地域は出没頻度 が軽減されているが未設置であるところは、シカ、イノシシが出没し、被害をもたらし、 更に設置地域にまで被害を及ぼしている事態も見受けられる。生息状況については、地 元猟友会の捕獲活動により、シカ、イノシシともに概ね変化がないと思われるが、農作 物への被害は、シカ、イノシシともに水稲を中心に被害が多発しており、5 月~6 月の田 植え後、8 月の出穂時の食害が発生している。 アライグマについては、年々生息数が増加している状況であり、市内全域で確認され ている。被害状況としては、果樹、スイートコーン等の甘味食物への被害が深刻な状況 であり、5 月のイチゴ、7 月のスイートコーン、9 月のブドウなどを中心に食害が発生し ている。 ヌートリアについては、氷上、山南地域の加古川水系を中心に生息しており、氷上地 域においては、5月から8月にかけて野菜の食害が毎年発生している。 カラスについては、特に氷上、春日地域で増加傾向にあり、野菜への食害に加え、糞 害等の生活被害が発生している。 サルについては、近年、篠山市に生息する群れの1群が丹波市春日町まで移動範囲 を広げている状況であり、野菜、果物の食害が発生している。 1 (3)被害の軽減目標 指標 現状値(24年度) 目標値(28年度) 被害金額 2,141万円 1,900万円 被害面積 15.49ha 12ha 120件 70件 捕獲要望件数 (4)従来講じてきた被害防止対策 従来講じてきた被害防止対策 課題 ・ シカ、イノシシ、カラスにつ ・ 市猟友会の高齢化による会員の減少。 いては、市猟友会へ銃器、箱 ・ 急傾斜、民家付近等の地理状況により わなでの捕獲活動を委託 駆除活動が出来ないところがある。 ・ 小動物については、市所有の ・ シカ有効活用処理施設の建設により 捕獲等に関 する取組 箱わなを使用した猟友会に 捕獲された全数の処理が可能となる よる捕獲活動を実施 が、内臓、骨等の有効活用ができない (24 年度時点での導入数) 部位については、今後の検討が必要で 小型箱わな 183 基 大型箱わな 59 基 ある。 ・ 捕獲鳥獣の処理については、 有害鳥獣捕獲による捕獲個 体は、すべて猟友会により埋 設等による処分で対応 ・ 集落単位で防護柵設置補助 ・ 集落においては、防護柵の設置計画に 制度を活用し、防護柵を設置 あたり、補助制度を活用しても自己負 (事業実績) 担分の調整ができず設置できない区 平成 22 年度:延長 10.86km 防護柵の設 置等に関す る取組 平成 23 年度:延長 37.53km 平成 24 年度:延長 域がある。 ・ 防護柵の設置を行なった集落におい ては、隣接集落が未設置のため、被害 7.89km ・ 防護柵設置後の管理は、地元 集落で対応 が減少しない地域がある。 ・ 設置後の管理が行き届いていない地 域がある。 ・ 市として、被害地域に対する獣害対 策の知識向上のための普及啓発活動を さらに推進していく必要がある。 ・集落単位で野生生物育成林整 ・バッファーゾーン(緩衝帯)の集落に 備事業を活用し、バッファー おける整備地域の管理を継続して行 緩衝帯の整 ゾーン(緩衝帯)整備を実施 う必要がある。 備に関する 平成 23 年度:春日町上三井庄 34ha 取組 平成 24 年度:春日町柚津 34ha ・集落単位で市単独事業(里山 整備事業)を活用し、バッフ ァーゾーン(緩衝帯)整備を 実施 平成 22 年度:青垣町東芦田 2 0.3ha 平成 22 年度:青垣町稲土 1.17ha 氷上町市辺 1.53ha 平成 23 年度:氷上町石生 1.17ha :山南町谷川 1.97ha : 市島町戸坂 1.39ha :氷上町上新庄 0.7ha :氷上町鴨内 2.7ha :市島町戸坂 2.1ha :市島町乙河内 7.1ha (5)今後の取組方針 被害防止対策協議会において被害対策、捕獲計画等を年度当初に協議し、各委員の 役割を明確にして、行政機関及び住民が一体となり年間通じて被害対策等に取り組む。 効果的な捕獲を実施する上で、第一に被害状況を把握する必要があり、農家からの 被害発生状況をもとに県、市合同の集落診断等を実施し、詳細な情報収集を行ってい く。 第二に被害発生情報を受け、侵入防止柵の設置、放置果樹や残飯の放置解消などの 被害防止対策を集落や地域ぐるみなど広域的で組織的かつ持続性ある取り組みとなる よう地域住民一体となり実施する。 第三に被害防止対策を講じても効果が見られない場合、銃器による捕獲、箱わなに よる捕獲、追い払い活動等の実施状況、地理的条件などを踏まえ、地域住民、猟友会、 県、市との協議の上、それぞれの被害現場に応じた対象鳥獣の捕獲を検討していく。 以上の取り組みにおいて、地域住民の意識改革や技術指導者の育成を図るとともに 各関係機関と連携し、捕獲数、生息状況など様々なデータを活用し、被害の原因究明 も並行して進めていき、その調査結果を公表することで地域住民が事前に被害対策に 取り組むことができる環境づくりを推進する。 また、被害の深刻な集落については、県民緑税を活用し、緩衝帯(バッファーゾー ン)を設置して、既存の防護柵と一体となった事業効果を発揮させるとともに、金網 防護柵の保守管理及び人の入り込みのための管理歩道を設置する。 3.対象鳥獣の捕獲等に関する事項 (1)対象鳥獣の捕獲体制 現在、市においては、鳥獣被害対策実施隊を市職員 2 名で編成しているが捕獲活動 についてはその役割を丹波市猟友会が担うこととしている。従来から実施している有 害鳥獣捕獲を丹波市猟友会への委託事業として、被害箇所に対応した捕獲活動を今後 も継続し実施していく。捕獲活動の実施にあたっては、丹波市猟友会各支部内にそれ ぞれに銃器班、わな班を明確化し、被害地域に即座に対応できうる捕獲体制を再確認 し実施する。なお、農林業団体職員及び市職員においては、狩猟免許を有していない ことから、捕獲活動補助作業員として、捕獲活動の補助的役割を担う。 被害の深刻な地域は、捕獲活動の実施と並行し、各関係機関から指導を受け、地域 住民と一体となった捕獲以外の対策を検討し実施していく。 3 (2)その他捕獲に関する取組 年度 26 27 28 対象鳥獣 取組内容 シカ、イノシシ、 捕獲の担い手の確保・育成(市全体で10名程度) アライグマ、ヌートリア、カラス シカ、イノシシ 捕獲の担い手の確保・育成(市全体で10名程度) アライグマ、ヌートリア、カラス シカ、イノシシ 捕獲の担い手の確保・育成(市全体で10名程度) アライグマ、ヌートリア、カラス (3)対象鳥獣の捕獲計画 捕獲計画数等の設定の考え方 近年の捕獲実績(下記参照)及び生息状況などの各関係機関のデータを活用して 捕獲計画数を設定する。特にシカについては、県が策定した特定鳥獣保護管理計画と の整合を考慮し、シカの目撃効率に基づいて推定された丹波市における捕獲目標頭数 1,505頭(一般狩猟を含む)を最低限達成するために必要な捕獲頭数を、近年の捕獲 実績等を勘案し設定する。 対象鳥獣 捕獲数(許可捕獲) 22年度 23年度 24年度 イノシシ 191 92 74 シカ 879 414 379 アライグマ 142 65 62 ヌートリア 11 7 14 カラス 189 165 28 対象鳥獣 捕獲計画数等(許可捕獲) 25年度 26年度 27年度 イノシシ 100 100 100 シカ 650 650 650 アライグマ 150 150 150 ヌートリア 50 50 50 カラス 200 200 200 捕獲等の取組内容 被害発生地域の住民から農会長へ報告があり、農会長から市へ捕獲要望書の提出に より、銃器、箱わなを活用した捕獲を実施する。箱わなの設置は、市猟友会を中心に 依頼し、運搬や捕獲時の連絡等は、行政及び地域住民が一体となり行う。実施時期及 び場所については、基本的に狩猟期間を除く期間とするが、被害が多い地域を中心に 捕獲活動を行う。 4 (4)許可権限委譲事項 対象地域 対象鳥獣 なし なし 4.防護柵の設置その他の対象鳥獣の捕獲以外の被害防止施策に関する事項 (1)侵入防止柵の整備計画 整備内容 対象鳥獣 26年度 金属柵 27年度 金属柵 28年度 金属柵 (野猪等被害防止柵 (野猪等被害防止柵 (野猪等被害防止柵 設置事業)(市単独事 設置事業)(市単独 設置事業)(市単独事 業) 事業) 業) 延長 6,000m 延長 10,000m 延長 10,000m 高さ 180cm 高さ 180cm 高さ 180cm 鳥獣被害防止総合対 策事業) シカ・イノシシ 延長 6,800m 高さ 180cm 電気柵 (野猪等被害防止柵 設置事業)(市単独事 業) 延長 300m 段数 2~4 段 (2)その他被害防止に関する取組 年度 対象鳥獣 取組内容 シカ・イノシシ 放任果樹の除去、普及啓発活動 26年度 アライグマ・ヌー 侵入防止柵の管理 トリア・カラス 獣害に強い集落づくりの推進 シカ・イノシシ 放任果樹の除去、普及啓発活動 27年度 アライグマ・ヌー 侵入防止柵の管理 トリア・カラス 獣害に強い集落づくりの推進 シカ・イノシシ 放任果樹の除去、普及啓発活動 28年度 アライグマ・ヌー 侵入防止柵の管理 トリア・カラス 獣害に強い集落づくりの推進 5 5.対象鳥獣による住民の生命、身体又は財産に係る被害が生じ、又は生じるおそれがあ る場合の対処に関する事項 (1)関係期間の役割 丹波県民局丹波農林振興事務所森林林業課 被害状況の把握、連絡調整 丹波市役所産業経済部農業振興課 被害状況の把握、連絡調整 丹波警察署 被害状況の捜査、関係者への事情聴取 丹波市鳥獣被害対策実施隊 被害状況の関係機関への報告 丹波市猟友会 被害状況の関係機関への報告 (2)緊急時の連絡体制 (被害状況の関係機関への報告)(被害状況の把握、連絡調整)(捜査、関係者事情聴取) 丹波市猟友会 ⇒ 丹波市鳥獣被害対策実施隊 丹波農林振興事務所 ⇒ 丹波警察署 丹波市農業振興課 6.被害防止施策の実施体制に関する事項 (1)被害防止対策協議会に関する事項 被害防止対策協議会の名称 丹波市有害鳥獣対策協議会 構成機関の名称 役割 丹波市猟友会 有害鳥獣捕獲活動(対象鳥獣) 地区代表者 普及啓発活動、農林業被害調査 鹿加工組合丹波 シカ肉の有効活用 丹波市森林組合 林業被害調査、活動補助作業 丹波ひかみ森林組合 林業被害調査、活動補助作業 丹波ひかみ農業協同組合 農業被害調査、活動補助作業 ほか 有害鳥獣捕獲活動補助作業(主にアライグマ、ヌートリ 丹波市役所産業経済部農業振興課 ア)後継者育成 技術指導及び原因究明 丹波市役所産業経済部農林整備課 情報提供、被害防止柵設置指導等 (2)関係機関に関する事項 関係機関の名称 役割 兵庫県森林動物研究センター 情報提供、技術指導 兵庫県丹波農業改良普及センター 情報提供、被害防止技術指導 兵庫県丹波農林振興事務所森林林業課 情報提供、鳥獣捕獲活動、及び生息地管理の 指導 兵庫県丹波農林振興事務所農政振興課 情報提供、被害防止技術指導 兵庫県篠山土地改良事務所 情報提供、被害防止柵設置指導 6 (3)鳥獣被害対策実施隊に関する事項 平成24年度に鳥獣被害対策実施隊を設置した。 (4)その他被害防止施策の実施体制に関する事項 関係行政機関が相互に協力して被害対策を円滑に遂行するため、関係行政機関担当 者で構成する鳥獣被害対策サポートチームを組織する。鳥獣被害対策サポートチーム は、丹波市有害鳥獣対策協議会に対し、野生動物の生息実態と被害実態、被害防止に 関わる知識や技術等に関する情報を提供し、適切な被害防止計画の立案と円滑な実施 を支援する。また、地域住民が自ら被害対策に取り組めるよう研修会の開催支援を行 い、実情に応じた被害対策を実践するものとし、各自治会や農家の自発的な被害対策 の指導や捕獲の担い手である猟友会との連絡調整を密にして速やかな防御や捕獲を 行うため、有害鳥獣担当専門員を配置する。 7.捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項 捕獲したシカを新たな地域資源としてとらえ、有効活用処理施設を平成 25 年度に建 設し、捕獲されたシカを処理施設において解体し、活用できる部位を食肉その他に加 工して丹波市の新たなブランドとして有効活用を推進していく。 イノシシの肉については従来から有効活用されている状況である。 8.その他被害防止施策の実施に関し必要な事項 なし 7
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