柳津町鳥獣被害防止計画

(別記様式第 1 号)
計画策定年度
平成 25 年度
計画主体
柳津町
柳津町鳥獣被害防止計画
<連絡先>
担 当 部 署 名 柳津町地域振興課
所
在
地 福島県河沼郡柳津町大字柳津字下平乙 234 番地
電 話 番 号 0241-42-2116
F A X 番 号 0241-42-3495
メ ー ル ア ド レ ス [email protected]
1.対象鳥獣の種類、被害防止計画の期間及び対象地域
対象鳥獣
ツキノワグマ、カラス、イノシシ、カワウ
計画期間
平成 26 年度~平成 28 年度
対象地域
柳津町全域
2.鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本的な方針
(1)被害の現状(平成 24 年度)※「イノシシ」のみ平成 25 年度
被害の現状
鳥獣の種類
品
ツキノワグマ
目
野菜
トウモロコシ
穀物類
水稲
10 千円
8.0a
15 千円
5.0a
小
25 千円
13.0a
計
野菜
トマト
キュウリ
カラス
小
計
野菜
ジャガイモ
小
計
イノシシ
淡水魚
アユ、ヤマメ
イワナ、コイ
ハヤ(ウグイ)
カワウ
小
合
被害数値
計
計
4 千円
2 千円
1.0a
1.0a
6 千円
2.0a
15 千円
15 千円
1.2a
1.2a
577 千円
(0.4t)
577 千円
(0.4t)
623 千円
(2)被害の傾向
本町における野生鳥獣の生息状況は、山間部から平地の集落へと拡
大してきており、被害発生区域も広範囲になってきている。
ツキノワグマに関しては、例年 6 月から 11 月にかけて町内全域にお
いて民家近くの畑等の被害が確認されている。また、民家近くでの遭
遇も見受けられ、今後被害の拡大さらには人的被害も危惧されている。
従来講じてきた「電気柵」設置により被害の軽減も見受けられ、当
対策の有効性が実証されつつある。
カラスによる被害は、主に 6 月から 12 月にかけて大字郷戸地内に集
中して発生し、特に野菜の食害が多発しており、年々増加傾向にある。
イノシシについては、近隣町村での農作物等の被害がここ数年発生
しているが、当町においては聞き取り調査でのジャガイモの被害のみ
である。しかし、今後町内に大量侵入のおそれもあるため、その対策
を講じる必要がある。
また、カワウについては、近年その群れが増加傾向にあり、着水防
止や追い払いを実施しているにも関わらず、5 月から 10 月にかけ、漁
業協同組合で放流している稚魚等の被害が依然として続いている状況
である。
(3)被害の軽減目標
指標
現状値(平成 24 年度) 目標値(平成 28 年度)
ツキノワグマ
農作物被害額
農作物被害面積
25 千円
17 千円
13.0a
10.0a
カラス
農作物被害額
農作物被害面積
6 千円
4 千円
2.0a
1.4a
イノシシ
農作物被害額
農作物被害面積
15 千円
10 千円
1.2a
1.0a
合計
農作物被害額
農作物被害面積
46 千円
31 千円
16.2a
12.4a
577 千円
0.4t
400 千円
0.3t
カワウ
水産物被害額
水産物被害量
※1
※1 イノシシによる農作物被害は平成 24 年度まで見受けられなかったため、
被害の現状値について平成 25 年度の被害数値(見込み)を計上した。
(4)従来講じてきた被害防止対策
従来講じてきた被害防止対策
課
題
捕 獲 等 ・柳津町鳥獣被害対策実施隊を ・ツキノワグマ捕獲時に使用してい
に 関 す 組織し、捕獲活動に取り組んで る箱わなは現在 11 基であるが、わな
る取組 きた。
に慣れたクマが多発していることか
・捕獲方法
ら、有害捕獲時のわな設置について
ツキノワグマ:箱わな、銃器 他町村との情報交換及び専門家の意
カラス:箱わな
見等を参考に取り組む必要がある。
イノシシ: -
・イノシシの対策については、ツキ
カワウ:銃器
ノワグマ対策に用いていた忌避資材
を目撃箇所に設置し、追い払いのみ
・捕獲後の処理方法
実施していたが、今後捕獲体制を整
ツキノワグマ:埋設
備するにあたって専用の箱わなの導
イノシシ: -
入が急務である。
カラス・カワウ:焼却
・カワウについては、アユの放流時
期を中心に銃器による一斉捕獲を実
・柳津町鳥獣被害対策実施隊と 施しているが、数羽程度の他区では、
してその技術の向上を目的とし 被害の軽減に至らないため、着水防
て実射訓練を実施した。
止のため必要な措置をとる必要があ
る。
・カラス用箱わなについては、捕獲
実績がなく、新たな対策(防護網の
購入)が必要である。
・担い手の育成及び新規狩猟免許取
得者への支援策(講習会等)の開催
が必要。
防護柵
の設置
等に関
する取
組
・各農家及び漁協において、侵
入防止柵やテープ張りの対策を
講じている。
・電気柵設置の講習会を行い、
農業者が電気柵を設置し、被害
防除を行った。
・漁協は、テープ張りの対策を
・従来の忌避資材等の対策の効果は
一時的なものであることから、電気
柵の設置を積極的に推進してきた。
その結果、電気柵設置箇所は被害の
軽減が確認されたが、その他の地域
等に関しては、その対策について集
中化するなど、地区内での組織的な
講じ、被害を防除してきた。
・追い払いとして、ロケット花
火や爆竹等で威嚇活動を実施し
てきた。
作付け等、地区全体の取組として対
策を講じる必要がある。
・追い払いは有効であるが、隣接耕
地で同様の被害をもたらす事がある
ため、地区が連携した組織的な活動
が必要である。地区間での調整を図
りながら対策を講じる必要がある。
(5)今後の取組方針
柳津町の被害防止対策の基本方針は、柳津町鳥獣被害対策実施隊による銃、
檻、わなでの捕獲を行いながら、住民自らが取り組む被害防止対策を柱に行う。
今後被害が予想される「イノシシ」については、他市町村において見受けら
れるよう、団地ごと壊滅的な被害をもたらす事から、町補助等の活用により、
有害捕獲及び狩猟期における捕獲に対する報償制度も検討したい。
さらに、従来の対象鳥獣に関しては、前計画での実施結果等を踏まえ、さら
に効果的な対策を講じるものとする。
特に、住民の自己防衛意識の高揚、被害防除に関する正しい知識の普及によ
り電気柵等の防除柵設置などより効果的な被害防止策が講じられるように総
合的な被害防止対策を推進する。
また、住民の理解と協力を得つつ、関係機関との連携を図る。
さらには、野生鳥獣の生息地となりえる耕作放棄地の土地所有者を含む地域
住民による緩衝帯の設置などに取り組み、人と野生鳥獣との本来あるべき棲み
分けを目的とした対策に取り組むものとする。
3.対象鳥獣の捕獲等に関する事項
(1)対象鳥獣の捕獲体制
本町に住所を有する狩猟許可者の中から、町長が有害鳥獣捕獲隊員として委
嘱を行い「有害鳥獣捕獲隊」を組織しているが、平成 24 年 7 月に当該捕獲隊
員に、農林業関係者等を含めた「柳津町鳥獣被害対策実施隊」を編成した。
捕獲については、柳津町と当該実施隊が中心となり、捕獲時期、捕獲場所等
について協議し、実施する。
(2)その他捕獲に関する取組
年度
対象鳥獣
ツキノワグマ
26
カラス
イノシシ
カワウ
ツキノワグマ
27
カラス
イノシシ
カワウ
ツキノワグマ
28
カラス
イノシシ
カワウ
取組内容
・イノシシ捕獲用箱わな(大型)2 基の導入。
・カラス対策について銃器、わな併用での捕獲の実施。
・鳥獣を捕獲する人材の育成のための講習会の開催。
・イノシシ捕獲用箱わな(大型)2 基の導入。
・カラス対策について銃器、わな併用での捕獲の実施。
・鳥獣を捕獲する人材の育成のための講習会の開催。
・対象鳥獣についての対策の見直しと新たな取り組み
についての検討。
・新たな狩猟者を含めた捕獲技術向上のための研修会
の開催
(3)対象鳥獣の捕獲計画
捕獲計画数等の設定の考え方
① ツキノワグマは、福島県第 11 次鳥獣保護事業計画及び福島県ツキノワグマ
保護管理計画の基準に基づき捕獲を行う。
② カラスは、福島県第 11 次鳥獣保護事業計画の基準に基づき捕獲を行う。
③ イノシシは、福島県第 11 次鳥獣保護事業計画及び福島県イノシシ保護管理
計画に基づく基準により捕獲を行う。
④ カワウは、福島県第 11 次鳥獣保護事業計画及び福島県カワウ保護管理計画
に基づく基準により捕獲を行う。
対象鳥獣
ツキノワグマ
捕獲計画数等
26年度
27年度
28年度
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県ツキノワ
グマ保護管理計画
に基づく基準によ
る。
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県ツキノワ
グマ保護管理計画
に基づく基準によ
る。
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県ツキノワ
グマ保護管理計画
に基づく基準によ
る。
福島県第11次鳥
獣保護事業計画に
基づく基準による。
鳥獣被害防止緊急
捕獲事業の目標頭
数 10羽
福島県第11次鳥 福島県第11次鳥
獣保護事業計画に 獣保護事業計画に
基づく基準による。 基づく基準による。
鳥獣被害防止緊急
捕獲事業の目標頭
数 10羽
イノシシ
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県イノシシ
保護管理計画に基
づく基準による。
鳥獣被害防止緊急
捕獲事業の目標頭
数 5頭
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県イノシシ
保護管理計画に基
づく基準による。
鳥獣被害防止緊急
捕獲事業の目標頭
数 5頭
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県イノシシ
保護管理計画に基
づく基準による。
カワウ
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県カワウ保
護管理計画に基づ
く基準による。
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県カワウ保
護管理計画に基づ
く基準による。
福島県第11次鳥
獣保護事業計画及
び福島県カワウ保
護管理計画に基づ
く基準による。
カラス
対象鳥獣
捕獲等の取組内容
ツキノワグマ
捕獲手段:箱わな、銃器による捕獲とする。
捕獲予定箇所:柳津町全域。
(被害が大きい地区を重点とし、必
要最低限とする。)
捕獲実施時期:6 月下旬から 11 月中旬。
カラス
捕獲手段:箱わな、銃器による捕獲とする。
捕獲予定箇所:柳津町全域。
(被害が大きい地区を重点とし、必
要最低限とする。)
捕獲実施時期:6 月上旬から 12 月上旬。
イノシシ
捕獲手段:箱わな、銃器による捕獲とする。
捕獲予定箇所:柳津町全域。
(被害が大きい地区を重点とし、必
要最低限とする。)
捕獲実施時期:6 月下旬から 3 月中旬。(狩猟期間含む)
捕獲手段:銃器による捕獲とする。
捕獲予定箇所:滝谷川流域(柳津町大字砂子原、黒沢周辺)
捕獲実施時期:5 月中旬から 10 月中旬。
カワウ
(4)許可権限委譲事項
対象地域
なし
対象鳥獣
なし
4.防護柵の設置その他の対象鳥獣の捕獲以外の被害防止施策に関する事項
(1)侵入防止柵の整備計画
対象鳥獣
整備内容
平成26年度
平成27年度
平成28年度
イノシシ
なし
大規模侵入防止柵
設置(電気柵:5
か所)
大規模侵入防止柵
設置(電気柵:5
か所)
カワウ
着水防止柵
テグス:5 か所
着水防止柵
テグス:5 か所
着水防止柵
テグス:5 か所
(2)その他被害防止に関する取組
年度
対象鳥獣
ツキノワグマ
カラス
イノシシ
26
カワウ
取組内容
ツキノワグマ対策としては、電気柵設置をさらに進
めるとともに緩衝帯の設置や放任果樹の除去等を住
民主導で積極的に実施する。
カラス、カワウについては、着水防止柵設置等、追
い払い活動の徹底を図り、効果的な被害防止に努め
る。
地域住民の自衛意識を促すよう、鳥獣被害防止に関
する情報提供を行う。
イノシシについては、生息状況調査を実施し、その
実態について、広く町民に周知し、注意喚起を行う。
ツキノワグマ
カラス
27
イノシシ
カワウ
ツキノワグマ
カラス
イノシシ
28
カワウ
ツキノワグマ対策としては、緩衝帯の設置や放任果
樹の除去等を個別ではなく、地域ぐるみ且つ広域的な
対策を積極的に実施する。
カラス、カワウについては、追い払い活動の徹底を
図り、広域的で効果的な被害防止に努める。
鳥獣被害防止に関する学習会等を実施し、自衛手段
について広く周知する。
イノシシ対策としては、その生息状況に応じ大規模
な侵入防止柵を設置し、団地単位での被害防止対策を
講じる。
ツキノワグマ対策として、地域ぐるみの取り組みを
定着させ、住民自らが対策を立案しながら、緩衝帯の
設置や放任果樹の除去等を積極的に実施できる体制
を整える。
カラス、カワウについては、追い払い活動の徹底を
図り、効果的な被害防止に努める。
鳥獣被害防止対策に住民一体となって取り組める
体制を整備する。
イノシシ対策としては、その生息状況に応じ大規模
な侵入防止柵を設置し、団地単位での被害防止対策を
講じ、住民主導の防衛対策を講じる。
5.対象鳥獣による住民の生命、身体又は財産に係る被害が生じ、又は生じる
おそれがある場合の対処に関する事項
(1)関係機関等の役割
関係機関等の名称
役割
柳津町
・平時、緊急時における現場への出動や、情報
収集及び各関係機関への連絡、調整等
福島県会津地方振興局
・状況把握と捕獲許可の検討等
会津坂下警察署
・緊急時の現場への出動及び発砲許可等
福島県猟友会両沼支部柳津分会
柳津町鳥獣被害対策実施隊
・平時、緊急時における現場への出動、対象鳥
獣の追い払いや捕獲等
(2)緊急時の連絡体制
住民からの通報
通報・協議・報告
会津地方振興局県民環境部
柳津町
許可
通報
会津坂下警察署
立会い
報告
許可命令
柳津町鳥獣被害対策実施隊
6.被害防止施策の実施体制に関する事項
(1)協議会に関する事項
協議会の名称
構成機関の名称
柳津町鳥獣被害防止対策協議会
役割
柳津町
・協議会事務局、協議会に関する連絡調整
被害状況調査を行う。
柳津町鳥獣被害対策実施隊
・有害鳥獣関連の情報提供及び捕獲作業を
行う。
福島県鳥獣保護員
・有害鳥獣関連の情報提供及び保護に関す
る助言、指導を行う。
柳津町農林業団体連絡協議会
・農林業における被害発生状況を把握し、
その情報を伝達する。
会津若松地方森林組合
・林業被害の発生に応じ、地域における林
業指導及び情報の提供等の助言を行う。
会津みどり農業協同組合
柳津総合支店
・有害鳥獣関連の情報提供及び被害防止に
関する指導を行う。
只見川漁業協同組合柳津支部
・内水面における有害鳥獣関連の情報提供
を行う。
柳津町区長連絡協議会
・地域における有害鳥獣関連の情報提供を
行う。
(2)関係機関に関する事項
関係機関の名称
役割
会津森林管理署
・国有林での有害鳥獣関連の情報提供を行う。
福島県会津地方振興局
県民環境部
・有害鳥獣の捕獲及び被害防止に関する助言
及び指導を行う。
福島県会津農林事務所
農業振興普及部
・有害鳥獣による農作物の被害防止に関する
助言及び指導を行う。
福島県会津農林事務所
会津坂下農業普及所
・有害鳥獣による農作物の被害防止に関する
助言及び指導を行う。
福島県会津農林事務所
森林林業部
・農地周辺の環境整備としての森林管理・森林
整備手法について、助言及び指導を行う。
(3)鳥獣被害対策実施隊に関する事項
・柳津町鳥獣被害対策実施隊は町有害鳥獣捕獲隊員を中心に構成されてい
るため、捕獲活動については狩猟免許を有する当隊員を中心に実施する。
・緩衝帯設置、放任果樹除去等はその他の隊員も含め、全員で実施する。
(実施隊:平成24年7月1日設置15名(町職員3名、柳津町猟友会員12名))
(4)その他被害防止施策の実施体制に関する事項
なし
7.捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項
・処理施設での焼却及び埋設等適切に処理する。
8.その他被害防止施策の実施に関し必要な事項
なし