八頭町鳥獣被害防止計画(最終)

(別記様式第1号)
計画作成年度 平成20年度
計画主体
八頭町
八頭町鳥獣被害防止計画書
<連絡先>
担 当 部 署 名
所
在
地
電 話 番 号
F A X 番 号
メールアドレス
八頭町役場産業観光課
八頭町郡家493
0858-76-0208
0858-76-0217
[email protected]
1.対象鳥獣の種類、被害防止計画の期間及び対象地域
対象鳥獣
イノシシ、シカ、カラス、サギ、ヌートリア、アライ
グマ、サル、クマ
計画期間
平成20年度~平成22年度
対象地域
八頭町全域
2.鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本的な方針
(1)被害の現状(平成 20年度)
鳥獣の種類
被害の現状
品 目
被害数値
イノシシ
水稲、いも類、野菜類
シカ
水稲、果樹、野菜類、ス
ギ・ヒノキ
カラス
果樹等
サギ
水稲
ヌートリア
面積(a) 金額(千円)
256.3
1,881
460.3
37,216
3
156
-
-
水稲等
6
66
アライグマ
果樹等
-
-
サル
野菜類、果樹
12
314
クマ
果樹等
4.2
158
(2)被害の傾向
○イノシシ
主に水稲被害が発生。被害額は年々増加しており、山間部よりも里部に
多く出没する傾向にある。捕獲数は、H19 から H20 にかけて4%増加し
ている。
○シカ
捕獲数は H18 から H19 にかけて 3 倍に増加している。農作物被害も H18
には無かったが H19 から被害が出始め、現在、わさびや水稲にも被害が
出ている状況である。今後、被害の増加が予想される。
○カラス
山間部を中心に果樹(梨)の被害が大きく、H18 から H19 にかけて被
害額が増加している。
○サギ
被害の実態は把握していないが、水稲への被害が発生している。
○ヌートリア
H19 から目撃情報が増えてきており、H20 には水稲被害が今後被害の発
生が予想される。
○アライグマ
農作物被害はまだ報告されていないが目撃情報が増えてきており、今後
被害の発生が予想される。
○サル
H19 から H20 にかけて出没頭数、目撃頭数が増加し、被害額も大幅に
増加している。
○クマ
山間部での果樹(梨、柿)の被害が大きく、被害額は増加傾向にある。
(3)被害の軽減目標
指標
現状値(平成20年度) 目標値(平成22年度)
イノシシ
256.3 a
179 a
1,881 千円
1,316 千円
指標
現状値(平成 20年度) 目標値(平成22年度)
シカ
460.3 a
322.2 a
37,216 千円
26,051 千円
指標
現状値(平成 20年度) 目標値(平成22年度
サル
6a
102 千円
4a
68 千円
(4)従来講じてきた被害防止対策
従来講じてきた被害防止対策
捕獲等 (捕獲体制)
に関す ○全鳥獣対象
る取組
猟友会員に有害鳥獣捕獲許
可を出し、各地域で猟友会の
協力を得て捕獲体制を整備し
ている。
○イノシシ、シカ
町所有捕獲檻の貸出し。
猟友会による有害捕獲。
課題
(捕獲体制)
○全鳥獣対象
猟友会員の高齢化と会員数減少。
○イノシシ、シカ
町所有捕獲檻数の不足。
狩猟免許取得者がいない地域
では、迅速な対応ができない。
○ヌートリア、アライグマ
○ヌートリア、アライグマ
防除実施計画に基づく捕獲
箱ワナの整備が十分でないた
体制の整備。
め、迅速な対応ができない。
○クマ
○クマ
農作物に被害が生じた場合、
人身被害が想定される場合に、
鳥取県ツキノワグマ保護管理 緊急対応できる体制整備が必要。
計画に沿って、捕獲及び学習
放獣を行っている。
(猟友会への捕獲許可)
○カラス
○カラス
第1種猟銃免許取得者に捕
大型捕獲檻の整備が必要であ
獲を許可する。また県下一斉
る。猟銃免許取得者がいない
に行われるカラス捕獲に参加
地域では、迅速な対応ができ
している。
ない。
○サル
○サル、サギ
現在のところ、有効な対策
目撃情報があってからの対応
を見いだせない状況である。
になるケースが多いので、対応
○サギ
が後手後手となってしまう。捕
現在のところ、有効な対策 獲に携わる人材の確保が困難で
を見いだせない状況である。
ある。
防護柵
の設置
等に関
する取
組
鳥取県鳥獣被害総合対策事
業による、侵入防止柵や電気
柵等の設置を行っている。
鳥取県ツキノワグマ遭遇回
避総合対策事業による、電気
柵等の設置を推進している。
サルについては花火による
2戸以上の農家で組織する団
体が事業主体となり、鳥獣の侵
入防止柵の設置に取組んでいる
が、集落全体の農地を囲う取組
みができていない。
緩衝帯設置の促進ができてい
ない。
追払い、エアガンによる威嚇
等で農作物、人身被害を防い
でいる。
(5)今後の取組方針
○全鳥獣対象
多様な有害鳥獣の特性にあわせて、①侵入を防ぐ対策②個体数を減らす
対策③周辺環境を改善する対策を柱に総合的に対策を行う。捕獲体制を整
備することにより、被害を最小限にとどめ捕獲率を高める。
○イノシシ
侵入防止柵の設置が、飛び地とならないよう集団的な取組みを推進する。
傾斜地等でも設置と維持管理の容易なワイヤーメッシュ柵の導入を推進
する。また、隠れ家となりうる藪等の刈込みや緩衝帯の整備を促進する。
○シカ
侵入防止柵の複合柵「シシ垣くん(猪・鹿タイプ)」の整備を促進する。
○クマ
果樹園をはじめ民家にも出没する状況にあることから、
「シシ垣くん(猪
・熊タイプ )」の設置はもとより、農地と山林を明確化するための緩衝帯
の整備を促進する。
○ヌートリア、アライグマ
外来生物法に係る「防除実施計画」により、年間を通じた捕獲を実施す
る。特に、繁殖期前の捕獲を重点的にし、農作物への被害が発生する前に
地域からの完全排除を目的とした捕獲対策を強化する。
○サル
放任果樹等の処分を推進する。
農耕地には猿用の侵入防止柵、捕獲檻を設置する。また、人馴れを防ぐ
ために、花火やモデルガン等を使った追払い、追上げを積極的に行う。
また、捕獲した猿に電波式の発信器を取付け受信機で猿の行動を監視し、
民家や農耕地に近づいたときに事前に対策がとれるような体制づくりも検
討したい。
○カラス
カラスの餌付けとならないよう、くず野菜、くず果樹等の処分を推進す
る。銃や大型捕獲檻による捕獲をはじめ、テグスやネットの整備も視野に
入れて検討したい。
○サギ
テグス、ネットの整備を検討。
3.対象鳥獣の捕獲等に関する事項
(1)対象鳥獣の捕獲体制
有害鳥獣捕獲のために設置した檻の管理、見回りなどを猟友会へ委託。
【捕獲のフロー】
農作物の被害発生:農業者
有害鳥獣捕獲者の依頼:八頭町
有害鳥獣捕獲申請:狩猟免許取得者
狩猟免許取得者
八頭町
有害鳥獣捕獲許可:八頭町
狩猟免許取得者
捕獲従事者証の配布:八頭町
狩猟免許取得者
捕獲実施:狩猟免許取得者
狩猟免許取得者
捕獲報告・確認:八頭町
狩猟免許取得者
捕獲奨励金の交付:八頭町
狩猟者免許取得者
(2)その他捕獲に関する取組
年度
対象鳥獣
取組内容
平成
ヌートリア
・狩猟免許取得補助の活用及び捕獲と安全に関する
20 年度 アライグマ
講習会の開催による人材の確保
・防除実施計画に基づく捕獲体制の整備
平成
ヌートリア
・狩猟免許取得補助の活用及び捕獲と安全に関する
21 年度 アライグマ
講習会の開催による人材の確保
平成
ヌートリア
・狩猟免許取得補助の活用及び捕獲と安全に関する
22 年度 アライグマ
講習会の開催による人材の確保
(3)対象鳥獣の捕獲計画
捕獲計画数等の設定の考え方
○イノシシ
過去の実績から年間 400 頭を計画数とする。特に水稲被害が主であり、
被害地域を限定した捕獲体制を整備する。
○ヌートリア
目撃情報が増えてきており、年間 30 ~ 70 頭を当面の目標数とし、特
に繁殖期前の捕獲を強化し、地域からの完全排除を最終目標とする。
○アライグマ
目撃情報が増えてきており、年間 30 頭を当面の目標数とし、特に繁
殖期前の捕獲を強化し、地域からの完全排除を最終目標とする。
○カラス
過去の実績から年間 100 羽とする(そのうち、一斉駆除 20 羽を捕獲
目標とする)。
○シカ
過去の実績から年間 150 頭を当面の計画数とする。
○サル
過去の実績から年間 10 頭を当面の計画数とする。
対象鳥獣
イノシシ
平成 20 年度
400 頭
捕獲計画数等
平成 21 年度
400 頭
平成 22 年度
400 頭
ヌートリア
30 頭
50 頭
70 頭
アライグマ
30 頭
30 頭
30 頭
シカ
50 頭
50 頭
50 頭
サル
10 頭
10 頭
10 頭
100 羽
100 羽
100 羽
カラス
捕獲等の取組内容
(八頭町全体)
○イノシシ
・捕獲手段:捕獲檻を基本とする。
・実施予定時期:通年
○シカ
・捕獲手段:銃及びわな(くくりわな、捕獲檻)
・実施予定時期:通年
○ヌートリア、アライグマ
・捕獲手段:箱わなを基本とする。
・実施予定時期:通年(特に繁殖期前の捕獲を強化する。)
○カラス
・捕獲手段:一斉駆除を基本とし、その他猟銃による捕獲を行う。
大型捕獲檻による捕獲。
・実施予定時期:一斉駆除は2回/年 、その他は不定期、大型捕獲檻は
通年。
4.防護柵の設置その他の対象鳥獣の捕獲以外の被害防止施策に関する事項
(1)侵入防止柵の整備計画
対象鳥獣
整備内容
20年度
21年度
22年度
イノシシ
電気柵 15,000 m 電気柵 15,000 m 電気柵 15,000 m
ワイヤーメッシュ 1,000 m ワイヤーメッシュ 1,000 m ワイヤーメッシュ 1,000 m
シカ・クマ
電気柵・複合柵
電気柵・複合柵
電気柵・複合柵
サル
500 m
1,500 m
2,000 m
(2)その他被害防止に関する取組
年度
対象鳥獣
イノシシ
農作物残さの除去
20
クマ等
放任果樹の撤去
イノシシ
農作物残さの除去
21
クマ等
放任果樹の撤去
イノシシ
農作物残さの除去
22
クマ等
放任果樹の撤去
取組内容
5.被害防止施策の実施体制に関する事項
(1)被害防止対策協議会に関する事項
被害防止対策協議会の名称
八頭町鳥獣被害対策協議会
構成機関の名称
役割
八頭町
被害防除に関すること。
個体数調整に関すること。
協議会の運営に関すること。
八頭町猟友会
鳥獣捕獲体制に関すること。
担い手研修に関すること。
捕獲技術の研修等に関すること。
鳥取いなば農業協同組合
実行組合
鳥取県八頭総合事務所
(2)関係機関に関する事項
関係機関の名称
鳥取県生産振興課
鳥取県公園自然課
協議会の会計に関すること。
被害状況の把握に関すること。
協議会の支援及び技術指導に関すること。
役割
○全体計画の支援に関すること
○全体計画の支援に関すること
(3)鳥獣被害対策実施隊に関する事項
○イノシシ
被害が広範囲で発生しており、被害地周辺の集落単位で対応した方が迅
速なため、鳥獣被害対策実施隊を設置することは考えていないが、猟友会
の協力のもと捕獲を実施する。猟友会員数の維持・確保に努める。
○ヌートリア、アライグマ
平成20年度から外来生物法に基づく外来生物防除実施計画を策定し、
「捕獲と安全に関する講習」を受けることにより、狩猟免許を持たない農
業者等でも捕獲従事者として登録することにより捕獲が可能となるため、
鳥獣被害対策実施隊を設置することは考えていない。
(4)その他被害防止施策の実施体制に関する事項
○クマ対策
鳥獣被害対策実施隊は設置していないが、出没する地域が限定されるた
め、今後、狩猟免許取得者の中から緊急的な出動が可能な者をリストアッ
プし、鳥取県ツキノワグマ保護管理計画に沿った捕獲体制の整備を検討し、
段階的な対応を実施する。
6.捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項
埋設及び焼却等適切に処理を行うほか、食 肉等の有効活用を推進する。ま
た、鳥獣の保護管理に関する学術研究への利用についても、県等とも連絡を取
り合い、有効に利用されるような方向性を探りたい。
7.その他被害防止施策の実施に関し必要な事項
専門員の指導による現地研修会等を開催し、電気柵等の正しい設置方法
等を農家の方に再度周知する。