数学 A2 §12 極座標と2重積分 12.1 極座標 座標平面上の点 P の位置は,原点 O からの距離 r と,x 軸の正の方向と OP のなす角 θ によっても定まる.この y とき P y • (r, θ) を [ ] [ • θを[ r ] ] • rを θ O x x という. 直交座標 (x, y) と極座標の関係は次で与えられる. x = r cos θ , y = r sin θ θ は 0 ≤ θ ≤ 2π で考えることが多いが,一般角をとることもある.上式か ら逆に次を得る. r= [例題 12.1] ( √ x2 + y 2 ; 極座標が (r, θ) = 4, − cos θ = x y , sin θ = r r π) の点を直交座標で表せ. 6 x = r cos θ = y = r sin θ = よって (x, y) = 1 [例題 12.2] 直交座標が (x, y) = r= √ (√ ) 3, 1 の点を極座標で表せ. x2 + y 2 = cos θ = x = r , sin θ = y = r より θ = よって (r, θ) = [例題 12.3] 直交座標において x2 + y 2 ≦ 4, y ≧ 0 で表される領域は極座標で ≦r≦ ≦θ≦ , で表される. 12.2 極座標変換による 2 重積分 公式 (x, y) を (r, θ) に極座標変換して,領域 D を r, θ の不等式で表すとき ∫∫ ∫∫ f (x, y) dxdy = f (r cos θ, r sin θ) r drdθ D D 注 形式的には,dxdy = r drdθ と変換される. 極座標で表された領域 D : a ≦ r ≦ b, α ≦ θ ≦ β を a = r0 < r1 < r2 < · · · < rm = b α = θ0 < θ1 < θ2 < · · · < θn = β として,小領域 Dij : ri−1 ≦ r ≦ ri , θj−1 ≦ θ ≦ θj に分割すると,小領域の 面積は原点から遠ざかるにつれて,r に比例して大きくなる.これが r 倍の理 由である. 2 z z = f (x, y) z a b y x x [例題 12.4] ∫∫ D : x + y ≦ 1, y ≧ 0 とするとき 2 2 (x + y) dxdy を求めよ. D x = r cos θ, y = r sin θ とおくと dxdy = r drdθ D は r, θ について次の不等式で表わされる. ≦r≦ ≦θ≦ , また,x + y = ∫∫ (x + y) dxdy = D 3 ∫ ∞ e−x dx = 2 参考 √ π であることを,次の手順により示せ. −∞ ∫ ∞ (1) I = e −x2 ∫∫ e−x 2 dx とおくと,I = −∞ P 平面全体とする. ∫∫ e−x 2 (2) −y 2 dxdy を極座標変換で計算. P 4 2 −y 2 dxdy .ただし,P は xy
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