高機能生体活性金属インプラントの開発

高機能生体活性金属インプラントの開発
助教 山口 誠二
YAMAGUCHI Seiji
生命健康科学部 生命医科学 科
材料が大きな役割を果たしている。しかし、一般に人工材料は生体内で形成され
るコラーゲン線維の膜により隔離されて骨と結合しないので、これを長期に亘って
患部に固定することは容易でない。
チタン金属及びチタン合金は強度が高く生体親和性に優れるので、人工関節、
人工歯根などに広く使用されている。我々は、これらの金属に簡便な化学処理
生 命 健 康 科 学 部
最近の医療においては、人工骨、人工関節、人工椎体、人工歯根などの人工
及び加熱処理を施してその表面に特殊な酸化物層を形成させることにより骨結
合能を付与する研究を行ってきた。これらの処理を施した金属を生体内に埋入
すると、その表面に自発的に骨類似アパタイトが形成され、これを介して生体
骨と金属とが強固に結合することが動物実験及び臨床試験により確認された。
現在は、これらの成果をもとに、金属表面に骨形成を促進するイオンや抗菌性
を示すイオンをも導入することにより、生体内で周囲の骨の成長を促して短期間
で骨と結合し、かつ抗菌性を示して感染症を防ぐ新規高機能インプラント材料の
開発を進めている。
【研究テーマ】
チタン金属及びチタン合金へアパタイト形成能を付与する化学処理及び加熱
処理技術の開発
化学処理及び加熱処理を施したチタン金属が疑似体液中でアパタイトを形成
する機序の解明
キーワード
相談に応じられる内容
Ti、Ti-6Al-4V合金、Ti-Zr-Nb-Ta合金、アパタイト、
擬似体液、骨形成促進、抗菌性
インプラント材へ骨結合能を付与する表面処理法、インプラント材の表面構造解析
出産前後の女性のメンタルヘルスに関する研究
准教授 横手 直美
YOKOTE Naomi
生命健康科学部 保健看護学科
対する出産前準備教育や精神的ケアは十分とは言い難い。出産施設を対象
とした全国調査や帝王切開経験者に対するインターネット調査から、帝王
切開分娩時の情報提供とケアに関する研究を進めている。また、一般の
妊婦・母親に対して書籍やネット上での情報提供を行っている。
また、乳児の健やかな成長発達を促し、母親のストレスを低下させる
ベビービクス講習会会場の様子
顔のマッサージ
ための子育て支援として、ベビービクスと育児教育をプログラム化した
子育てセミナーを本学で開催している。参加者の協力を得て、ベビービクス
および子育てセミナーの効果を検証している。
【研究テーマ】
帝王切開における出産前準備教育プログラムの開発
帝王切開分娩後のバース・レビューの効果
緊急帝王切開時の妊婦の適応力を高める研究
赤ちゃんのサーモグラフィ撮影時
「ひこうき」のエクササイズ
帝王切開の母親のための関連製品の開発
ベビービクスが母子の心身に与える効果
エクササイズを活用した産後うつ病の予防
(左の写真は参加者の承諾を得て掲載)
キーワード
相談に応じられる内容
帝王切開分娩、情報提供、術後のケア、エクササイズ、 帝王切開分娩に関する医療製材や関連製品の開発
産後うつ病
マタニティ/ベビーに関する教育やエクササイズ・プログラム
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生 命 健 康 科 学 部
日本では5人に1人が帝王切開分娩で子どもを出産しているが、 母親に