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経済的生物
森岡達史
数理科学講座
§0.序.
本 稿 で は 、企 業 に つ い て 考 察 す る 。 中心 とな る の は §5の 要 点5.1で
§1.経
あ る。
済.
[3]で は 、 蟻 の 社 会 に お け る経 済 に つ い て 考 察 した 。
次 節 か らの 議 論 は[3]の
§2.時
間.
[3,Page1]で
要 点2.1.
要 点2.3.
述 べ た 要 点 を も う1度
書 い て お く。
生 物 は 「生 きる た め に 必 要 な 時 間 」 が足 りる とは 限 らな い 。
要 点2.2. §3.分
続 きで あ る 。
「蟻 の 集 ま り 」 に は 、 時 間 が 余 っ て い る 。
蟻の社会 に おけ る 「
豊 か さ 」 とは 、 「
時 間 が 十 分 に 余 っ て い る 」 こ とで あ る 。
配.
生物の社会では 「
資源の分配」が行われる。分配 と時間の関係について次が成 り立つ。
要 点3.1.
分 配 の 効 率 が 悪 い と、 生 物 は 「
時 間 を余 らせ る 」 こ とが で きな い 。
蟻 の 場 合 は 、 要 点3.1に
要 点3.2.
つ い て 次 が成 り立 つ 。
共 同住 宅(蟻 の 巣)の 存 在 に よ っ て 、 蟻 は「 効 率 化 さ れ た 分 配 」 を 可 能 に す る 。
人間については次が問題になる。
問 題3.3. 問 題3.3に
「
効 率 化 され た 分 配 」 を 、人 間 は どの よ うに 実 現 す るの か 。
対 応 す る の が 金(か ね)の 存 在 で あ る 。 す な わ ち 、 次 が 成 り立 つ 。
要 点3.4. 通 貨 が あ る こ とに よ っ て 、 人 間は 「
分 配の 効 率」 に 関 して 蟻 の 社 会 を近 似 で き る 。
要 点3.4は
次 の よ うに 言 い か え られ る。
要 点3.5. 社 会 に 通 貨 が 無 い とす る と、人 間 は 「
効 率 化 され た 分 配 」 を実 現 で き な い 。
最 後 に 、 要 点3.1を
も う1度
書 いて お く。
要 点3.1. 分 配 の 効 率 が 悪 い と、 生 物 は 「
時 間 を余 らせ る 」 こ とが で きな い 。
§4.収
支.
人 間 が 生 きて い くた め には 、水 を飲 む必 要 があ る。 ま た 、企 業 が 存 続 す るた め に は、 金 を 得 る
(儲け る)必 要 が あ る 。 本 稿 で は 、 暫 定 的 に 次 の 見 方 を 採 用 す る 。
想 定4.1. 人
間 とは 、 水 に 関 す る収 支 で あ る 。
想 定4.2. 企 業 と は 、 金 に 関 す る 収 支 で あ る。
1
2
§5.生 物.
企 業 に は 、 次 の よ うな 特 徴 が あ る 。
○ 「
産 ま れ る 」(創 業 す る)と
「
死 亡 す る 」(倒 産 す る)が あ る。
○ 生 き残 ろ う とす る 。
話を単純化する と、前節 と本節の議論によ り次が言える。
要 点5.1. 企業 は生物 で ある。
§6.自 然.
[1]のⅦ
等 に よ る と、 次 が 成 り立 つ 。
要 点6.1. 自然 は人 間 の 上 に 「別 の 生 物 」 を置 か な い 。
さ ら に 、 次 が 成 り立 つ 。
要 点6.2. 要 点6.1の
「別 の 生 物 」 に は 、 企 業 も含 まれ る 。
§7.共 存.
まず 、[2]のⅩⅦ
要 点7.1. 人
要 点7.1は
で 述 べ た 要 点 を も う1度 書 い て お く 。
間 が 創 り出 した 「
経 済 の 恐 竜 」 は 、 人 間 に よ っ て 否 定 され な が ら受 け継 が れ る 。
次 を意 味す る。
要 点7.2. 未 来 の 社 会 で は 、 企 業 は 人 間 と共 存 す る 。
§8.捕 食.
進 化 の 歴 史 に お い て は 、 哺 乳 類 は 恐 竜 に 捕 食 され て い た と考 え られ て い る 。 これ は 、 次 の よ
うに 言 い 表 わ され る 。
要 点8.1. 人 間 の 祖 先 は 、 恐 竜 に よ っ て 「生 き て い る時 間 」 を 減 ら され た 。
こ こ で 、 要 点2.2を
要 点2.2. も う1度
書 い て お く。
「蟻 の 集 ま り」 に は 、 時 間 が 余 っ て い る 。
要 点8.1と
要 点2.2の
視 点 か らは 、 要 点7.2は
次 の よ うに 言 い か え られ る 。
要 点8.2. 未 来 の 社 会 で は 、 人 間 に 「余 っ て い る時 間 」 は 企 業 に よ っ て 失 わ れ な い 。
最 後 に 、 要 点6.1と
要 点6.2を
も う1度 書 い て 本 稿 を 終 わ る 。
要 点6.1. 自然 は人 間 の 上 に 「別 の 生 物 」 を 置 か な い 。
要 点6.2. 要 点6.1の
「別 の 生 物 」 に は 、 企 業 も 含 ま れ る 。
注 意8.3. 要 点6.1と
ウ イ ル ス の 関 係 に つ い て は 、[2]のⅩⅨ
等 を参照 せ よ。
REFERENCES
1.森 岡 達 史,物 理 的 進 化 論,大 阪 教 育 大 学 紀 要 第Ⅲ 部 門62 No.1(2013),1-10.
2.森
岡 達 史,環 境 と 教 育,大 阪 教 育 大 学 紀 要 第Ⅲ 部 門63 No.1(2014),91-101.
3.森
岡 達 史,生 物 と 時 間,大 阪 教 育 大 学Repository(2014).