人 間 的 魅 力 は どう生 まれ るか ――立川談志を読み解く― 2009HPo51駒 田 実千瑠 本論文は、死ぬまで舞台に立ち、求め続けられた人間=『 魅力のある人間』 として落語 家立川談志に焦点を当て、人間的魅力 とは何かについて考察 した。その方法として、談志 に最も近い存在であり、談志と毎日の時間を共に過 ごした弟子たちが語つたエ ピソー ドか ら、そこに見られる落語家立川談志の特徴を考察するとい う手法を採った。100年 に一度 の天才 と呼ばれ 、生涯変化 し続 けた人間 として立川談志 を考察す ることによって、談志 の 人間的魅力 の本質 を見 つ け出す よ う努 めた。 第 1章 では 、落語 につい て の解説及 び談志 の経歴 を立川流 の起源 を含 めて紹介 した。 続 い て第 2章 では 、落語家 と しての立川談志に視点 を置 いた。 そ の理 由 として、人間松 岡克由に とつて 、 60年 間人生 を注 いできた落語は単なる仕事 ではな く、生 きがいで もあ り、生き方 に影 響 を及 ぼす ものであったか らだ。 60年 の人生 を落語家立川談志 としての プライ ドと共 に過 ご して きた松岡克 由の生 き方 。考 え方は 、 立川 談志 に表 現 されてい る。 よつて 、落語家 立川 談志 の考 え方 を含 め彼 の人間的魅力 につい て考 えた。 第 3章 は人 間本 来 の 姿や欲望 を認 め る力 を談志 の人 間的魅力 の ひ とつ と してエ ピソー ドを挙げなが ら考察 した。 第 4章 では、管理 され てい な い状態 にい る人間へ の憧れ とい うものが要因 とな り談志に ͡ 魅力 が生まれ て い るこ とを説 明 した。 以上 をま とめ、第 5章 では結論 とした。 -22- シル バ ー 教 育 の 可 能 性 を考 える 一 私 たちが 高 齢 者 にな る 日 ― 20Ю HP023林 幸 太 郎 本研 究 の 目的 は 、今 日に広 ま りつつ あ る高齢者 に向 けた教 育 ,「 シル バ ー 教 育」 に注 目 し,こ れ に対す る理 解 を深 め私 た ちが高齢者 にな る頃 に存在す るだ ろ う望 ま しい シル バ ー 教 育 の 姿 を検討す るこ とで ある。 まず 、第 1章 では 、そ もそ も シル バ ー 教 育 とは何 な のか につい て ,そ の成 立 した経緯や 理念 も交 えつつ ま とめた。 シル バ ー 教 育は ,成 人教育 とは違 い社 会 に 出 て 有用 な技術や知 識 を身 につ けるの ではな く,企 業や 団体で の役割 を終 えた あ との仕事以外 での人 間 関係 の 形成 を 目的 として成 立 した。 これ は高齢者 の生 きがいの視 点か らも重要な意 味 を持 つて お り,成 人教育 とは違 っ た役割 を果 た してい る。 次 に第 2章 では 、 シル バ ー教 育 につ い て私 た ち若者 の視 点か ら検討 してい つた。 現在 シ ル バ ー 教 育 を受 けて い る世代 は私 た ち とはま っ た く違 う時代 を過 ご してお り,特 に情報化 社会 と して成長 し始 めた 私 た ち と現在 の 高齢者 はま った く違 った知識や価値観 を持 ってい る。例 えばそれ は情報端末 の使用頻度 に も表れ てお り,今 日のシル バ ー 教育 の 内容 は私 た ち若者 に とって魅力 の な い もの と して感 じられ る。 この よ うに現在 の シル バ ー 教育 は若者 に とつ て 関 心の対象 にな ってい な い こ とを確認 し,シ ル バ ー 教育 の変化 の必要性 に つい て 確認 した。 これ らの展 開 をふ まえ 、第 3章 においてはシル バ ー 教育 が将来 どの よ うに変化 してい く 可能性 があ るのか , どの よ うに変化す る必要 があ るのか につい て考 察 した。 まず若 い うち か らスマー トフォンや パ ソコ ン を使 い こなす私 た ちに とつ て情報端末 の講座 は必要 ではな く,さ らに現在 よ りさらに発展 した機器 を用 いた学習 を取 り入れ てい る可能性 が ある。 ま た ,シ ル バ ー 教育 は人 間関係 の形成 を 目的 と して成 立 したが ,そ の 目的 も情報端末 を利用 した SNSや イ ンター ネ ッ トの活用 で シル バ ー 教育 に参加 しな くて も達成 で きて しま う。 これ に よって将来 の シル バ ー 教 育 は人 間関係 の形成 よ りも,教 育 の 内容 の質 が 重要視 され , 成人教育 に近い 実学的 な もので あ っ た り,社 会参加 に役 立つ知 識や技術 習得 に 関 した もの にな る こ とが予想 され る。 しか し,そ もそ も現 在 の シル バ ー 教 育 の 実 践 は十 分 とは 言 えず ,こ れ 以 上 の 広 が りを見 せ な い 可能 性 が あ る。 とい うの も ,シ ル バ ー 教 育 の 宣伝 や 広 告 が公 共 施 設 の チ ラ シ や イ ン タ ー ネ ッ ト上 の 情 報 に しか 載 らず ,TVや 新 聞 な どの 自然 と 日常 生 活 で 日にす る とこ ろ で 見 か け な い こ とが ,そ もそ も シル バ ー 教 育 の 存 在 さえ知 られ な い こ とに つ な が つて い る。 シル バ ー 教 育 の 今 後 の 展 開 を望 む 前 に ,ま ず 自主 的 に 調 べ な い 限 り参加 す る こ と さえ ま ま な らな い 現 状 の 広 報 を改 め る必 要 が あ る。
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