問題と解答例

解析入門 I e クラス 中間試験(略解)
平成26年5月28日(水)
10時30分∼12時00分
コース :
学修番号:
氏名:
• 開始の合図があるまで,問題の内容を見てはならない.
• 学修番号と氏名を所定欄に必ず記入すること.
• 答だけではなく答に至った経過をすべて説明すること.答のみのものは正解であっ
ても大幅に減点することがあるので注意すること.
• 携帯電話は電源を切ってカバンにしまうこと.
• 机の上には筆記用具,学生証,時計以外は置かないこと.
• 試験中は教員の指示に従うこと.
1 次の微分方程式の一般解を求めよ.
(1) y ′ (x) + 5y(x) = 0
(2) y ′ (x) − y(x) = e2x
(1)
d 5x
(e y(x)) = 0
dx
と同値なので, 答えは
y(x) = Ce−5x .
ただし, C は任意定数.
(2) 式変形して
ex
d −x
(e y(x)) = e2x
dx
よって
d −x
(e y(x)) = ex
dx
を解いて,
e−x y(x) = ex + C.
したがって,
y(x) = e2x + Cex .
2
(1) 次の初期値問題の解を求めよ.
y ′ (x) + 2x y(x) = 0,
y(0) = 1.
(2) 次の微分方程式の一般解(実数解)を求めよ.
y ′′ (x) + y ′ (x) + 3y(x) = 0
(1) 式変形して
e
−x2
)
(
d
x2
e y(x) = 0.
dx
よって, y(x) = Ce−x となるが, y(0) = 1 より,
2
y(x) = e−x .
2
(2) 特性方程式は
λ2 + λ + 3 = 0
なので, これを解いて
√
1
11
λ=− ±i
.
2
2
よって, 実数の一般解は
− 21 x
y(x) = C1 e
√
√
11
11
− 12 x
cos(
sin(
x) + C2 e
x).
2
2
3
(1) 次の微分方程式の一般解を求めよ.
y ′′ (x) − 2y ′ (x) − 3y(x) = 0
(2) 次の初期値問題の解を求めよ.
y ′′ (x) − 2y ′ (x) − 3y(x) = ex cos x,
y(0) = 0, y ′ (0) = 1.
(1) 特性方程式は
λ2 − 2λ − 3 = 0.
これを解いて, λ = 3, −1 となるので, 一般解は
y(x) = C1 e3x + C2 e−x .
(2) 非斉次方程式の特殊解を
U (x) = Aex cos x + Bex sin x
の形で探すと, A = − 15 , B = 0 となり(計算は略す)
1
U (x) = − ex cos x.
5
よって微分方程式の一般解は
1
y(x) = C1 e3x + C2 e−x − ex cos x
5
となる. 初期条件 y(0) = 0 より
C1 + C2 −
1
= 0.
5
3C1 − C2 −
1
= 1.
5
y ′ (0) = 1 より,
これを解いて C1 =
7
, C2
20
3
= − 20
をえる. よって求める解は
y(x) =
7 3x
3
1
e − e−x − ex cos x.
20
20
5
4
(1) 次の微分方程式の一般解を求めよ.
y ′′ (x) − 4y ′ (x) + 4y(x) = 0
(2) α ̸= 2 とする. 次の初期値問題の解を求めよ.
y ′′ (x) − 4y ′ (x) + 4y(x) = eαx ,
y(0) = 3, y ′ (0) = 1.
(3) 次の微分方程式の特殊解を1つ求めよ.
y ′′ (x) − 4y ′ (x) + 4y(x) = e2x
(1) 特性方程式 λ2 − 4λ + 4 = (λ − 2)2 = 0 を解いて λ = 2 は重解. よって, 一般解は
y(x) = C1 e2x + C2 xe2x .
(2) U (x) = Aeαx の形で特殊解を見つけると, A =
U (x) =
1
(α−2)2
となる(計算略)ので,
1
eαx .
2
(α − 2)
したがって微分方程式の一般解は
y(x) = C1 e2x + C2 xe2x +
1
eαx .
(α − 2)2
初期条件 y(0) = 3, y ′ (0) = −1 より,
C1 +
1
= 3,
(α − 2)2
2C1 + C2 +
α
= 1.
(α − 2)2
これを解いて(計算略)
C1 = 3 −
1
,
(α − 2)2
C2 = −5 +
1
.
2−α
従って, 求める解は
y(x) = (3 −
1
1
1
)e2x + (−5 +
)xe2x +
eαx .
2
2
(α − 2)
2−α
(α − 2)
(2) 右辺の指数関数の指数 2 が斉次方程式の特性方程式の解 λ = 2(重解)と一致することから, 特殊解の
候補を
U (x) = Ax2 e2x
として探すと, A =
1
2
を得る(計算略). よって求める特殊解は
1
U (x) = x2 e2x .
2
5 k > 0 を定数とする. 次の初期値問題を解け. ただし, 答えは最終的に y(x) = · · · の形であらわす
こと.
√
y ′ (x) = k 1 + y(x)2 , y(0) = 0.
変数分離形の微分方程式であるので
∫
∫
1
√
dy = k dx = kx + C.
1 + y2
ここで
(log(t +
であることから,
∫
√
1
1 + t2 )′ = √
1 + t2
√
1
√
dy = log(y + 1 + y 2 ).
1 + y2
よって,
log(y(x) +
すなわち
y(x) +
√
√
1 + y(x)2 ) = kx + C.
1 + y(x)2 = ekx+C
となる. ここで y(0) = 0 より C = 0 を得る. 従って
√
y(x) + 1 + y(x)2 = ekx .
式変形して
√
1 + y(x)2 = ekx − y(x)
となり, これを自乗して
1 + y(x)2 = y(x)2 − 2ekx y(x) + e2kx .
これより y(x)2 が消えて
1
y(x) = (ekx − e−kx )
2
を得る.