常微分方程式論 演習問題3 略解 (担当:増淵)

 常微分方程式論
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演習問題3 略解 (担当:増淵) (1) 特性多項式:p(λ) = λ2 − 2λ − 3 = (λ + 1)(λ − 3), 基本解:e−x , e3x . 一般解は y(x) = c1 e−x + c2 e3x
(c1 , c2: 定数). 初期条件を満たす解は,y(0) = c1 + c2 = 4, y (0) = −c1 + 3c2 = 0 により c1 , c2 を
決定すると y(x) = 3e−x + e3x .
(2) 特性多項式:p(λ) = λ3 + 3λ2 − 4 = (λ − 1)(λ + 2)2 , 基本解:ex , e−2x , xe−2x . 一般解は y(x) =
c1 ex + (c2 + c3 x)e−2x (c1 , c2, c3 : 定数).
(3) 特性多項式:p(λ) = λ2 −1 = (λ−1)(λ+1), 基本解:ex , e−x . 特解は,特性多項式が (λ−2) を因数に持
たないので y(x) = ke2x の形を仮定できる(問 2 も参照).この y(x) について y (x) − y(x) = 3ke2x
となり,これが右辺に一致すればよいから k = 1 となる.∴ 特解は y(x) = e2x . 以上より,一般
解は y(x) = c1 ex + c2 e−x + e2x (c1 , c2 : 定数). 初期条件を満たす解は,y(0) = c1 + c2 + 1 = 0,
y (0) = c1 − c2 + 2 = 1 により c1 , c2 を決定すると y(x) = −ex + e2x .
(4) まず y − y = 32xe3x の特解を求める.特性多項式 ((3) と同じ) が (λ − 3) を因数に持たないので,
y(x) = (ax + b)e3x の形を仮定できる.この y(x) について y (x) − y(x) = {8ax + (6a + 8b)}e3x
となり,これが右辺に一致すればよいから a = 4, b = −3 となる.よって y − y = 32xe3x の特解
は y(x) = (4x − 3)e3x . 線形性より,y − y = 24e2x + 32xe3x = 8 · 3e2x + 32xe3x の特解は,前
問の結果と上記の計算から y(x) = 8e2x + (4x − 3)e3x . 基本解は前問と同じであるので,一般解は
y(x) = c1 ex + c2 e−x + 8e2x + (4x − 3)e3x (c1 , c2 : 定数).
(5) 特性多項式:p(λ) = λ2 − λ = λ(λ − 1), 基本解:1, ex . 特解は,特性多項式が (λ − 1) を因数
に持ち,右辺が xex であるので,h(x) を 2 次以下の多項式として y(x) = h(x)ex の形を仮定でき
る.h(x) = ax2 + bx + c とおくと,y (x) − y (x) = {h (x) + h (x)}ex = {2ax + (2a + b)}ex.
これが 2xex に一致すればよいから,a = 1, b = −2. c は任意なので 0 としてよい(※).よって
y(x) = (x2 − 2x)ex が特解となる.以上より,一般解は y(x) = c1 + (x2 − 2x + c2 )ex (c1 , c2: 定数).
※特解は解の一つを求めればよいので,この場合満たすべき条件の存在しない定数 c は任意に決め
てよい.
2 特性多項式 p(λ) が (λ − c) を因数に持たないとき,微分演算子 p(D) に関して p(D)ecx = p(c)ecx なる性
質があり,しかも p(c) = 0 である.
((λ − c) を因数に持たないことにより,方程式 p(λ) = 0 は λ = c と
1 cx
1
1
e )=
p(D)ecx =
p(c)ecx = ecx .
いう根を持たない.
)よって,p(D)y(x) = p(D)(
p(c)
p(c)
p(c)
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1. ỹ(t) の一階・二階微分が以下のようになり,これらから示される.
d
dỹ(t)
= y(et) = y (et )et = xy (x)
dt
dt
d
dỹ(t)
d2 ỹ(t)
= {y (et)et } = y (et)e2t + y (et)et = x2 y (x) +
2
dt
dt
dt
dỹ
d2 ỹ
+ ỹ = tet となる.特性多項式は p(λ) = (λ + 1)2 , 基底解は
+2
2
dt
dt
dỹ
d2 ỹ
+ ỹ = {4at + (4a + 4b)}et
e−t , te−t . 特解は ỹ(t) = (at + b)et とおける.これに対し 2 + 2
dt
dt
1
1
(t − 1)et
となるなるので,a = , b = − と定まる.以上より,一般解は ỹ(t) = (c1 + c2 t)e−t +
4
4
4
c1 + c2 log x (log x − 1)x
+
.
(c1 , c2: 定数). y(x) = ỹ(log x) より y(x) =
x
4
2. 上問の結果により,与式は