様式第5号(第 9条関係) 論文内容の要旨 報告番号│空 欄 氏名 栗原都 P r o t u m o r a lr o l e so fmelanoma i n h i b i t o r ya c t i v i t y2 i no r a l squamous c e l l carclnoma 口腔扇平上皮癌における melanomai n h i b i t o r ya c t i v i t y2 ( M I A 2 )の腫蕩促進性 論文内容の要旨 これまでわれわれは m e l a n o m ai n h i b i t o r ya c t i v i t y( M I A )が口腔扇平上皮癌 ( O S C C )にお いて V E G F系を介して腫傷血管新生・リンパ管新生を促進することを明らかにしてきた。 M I A 2は新規 M I A遺伝子ファミリーとして同定された分泌タンパクであり、正常では肝細胞 に特異的に発現し、正常組織では肝細胞に特異的に発現し、肝炎や肝の線維化に伴い発現 元進するが、メラノーマ、肝細胞癌および大揚癌では発現は低下し、癌抑制性に作用する ことが報告されている。今回、 O S C Cにおける M I A 2の機能について検討した。 9 3例の O S C C患者標本を用いて免疫組織化学にて M I A 2発現を検討したところ 6 2例 ( 6 6 . 8児)に M I A 2発現を認め、かつ M I A 2発現は腫蕩の局所進展および頚部リンパ節転移 と関連を認めた。 M I A 2発現とリンパ球浸潤様式を調べたところ、 M I A 2発現は腫蕩聞のリ ンパ球浸潤と逆相関を認め、調節性 T細胞の相対的増加により、腫蕩免疫が抑制される可 I A 2発現を認める O S C C高転移株 H S C 3と M O L T 3リンパ球を共 能性が示唆された。また、 M 培養しその影響を調べたところ、 M I A 2は Tリンパ球の癌細胞層への浸潤を阻害した。ヒト O S C C組織にて M I A 2は局所浸潤とリンパ節転移との関係を示したため、 M I A 2k n o c k d o w nを S C 3細胞の増殖能、浸潤能、アポトーシスへの影響を検討した。その結果、 M I A 2 行い、 H は O S C C細胞の浸潤を促進し、アポトーシスを抑制するが、増殖能には影響を与えなかっ た 。 次に、 M I A 2の血管新生、リンパ管新生における役割を検討するため、 V E G Ff a m iI yへの S C 3に対して M I A 2k n o c k d o w nを行うと V E G F、V E G F C、V E G F Dの発現は 影響を検討した。 H E G F C、V E G F Dの発現低下は 0 3 8および E R K 1 / 2の抑制により生じることが示 抑制され、 V 唆された。 M I A 2の受容体を同定するため、免疫沈降法を用いて i n t e g r i n α 4、 α5との関 I A 2は H S C 3で i n t e g r i n α 4とα5の両者に結合するが、 α4により高い親 係を検討した。 M n t e g r i nα4の k n o c k d o w nでは 0 3 8のリン酸化が抑制され、アポトーシス 和性を示した。 i が冗進する一方、 i n t e g r i nα5k n o c k d o w nでは J N Kのリン酸化が減少し、アポトーシスが 抑制された。以上より、 M I A 2は癌細胞のアポトーシス抑制、浸潤能の促進、リンパ球浸潤 抑制および血管新生の促進をもたらし、 O S C Cにおいて癌促進因子として作用することが明 らかとなった。
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