統計物理学 I 小テスト (2014/5/9) 解答例

統計物理学 I 小テスト (2014/5/9) 解答例
確率 p で表、確率 1 − p で裏が出るコインを N 枚用意し、コインを一斉に投げること
を考える。i 番目 (i = 1, 2, · · · N ) のコインに関する確率変数 fi を次のように定義する。
{
1
fi =
−1
(コインが表を向いたとき)
(コインが裏を向いたとき)
各々のコインの振る舞いは独立とする。また、平均値には ⟨ ⟩ をつけて表すことにする。
このとき、以下の問いに答えよ。
1. ⟨fi ⟩、⟨fi fj ⟩ (i ̸= j)、⟨fi2 ⟩ を求めよ。
2. fi の分散 σf2i = ⟨fi2 ⟩ − ⟨fi ⟩2 を求めよ。
N
1 ∑
3. 新たな確率変数 m を m =
fi と定義する。このとき、⟨m⟩、⟨m2 ⟩ を求めよ。
N i=1
2
2
4. m の分散 σm
= ⟨m2 ⟩ − ⟨m⟩2 を求め、N σm
= σf2i を示せ。
5. N 枚のコインのうち n 枚が表である確率 Pn を、場合の数を考えることで求め、Pn
が規格化されていることを示せ。
(解答例)
1. ⟨fi ⟩ = p − (1 − p) = 2p − 1 . ⟨fi2 ⟩ = p + (1 − p) = 1 であり、各々のコインの振る
舞いが独立であるから、⟨fi fj ⟩ = ⟨fi ⟩⟨fj ⟩ = (2p − 1)2 である。
2. σf2i = 1 − (2p − 1)2 = 4p(1 − p)
N
1 ∑
⟨fi ⟩ = 2p − 1 = ⟨fi ⟩
3. ⟨m⟩ =
N i=1
σf2i
1 ∑
1
N2 − N
2
2
2
⟨fi fj ⟩ =
⟨m ⟩ = 2
+
(2p − 1) = ⟨m⟩ +
N i,j
N
N2
N
σf2i
2
より N σm
= N σf2i である。
N
N
∑
N!
n
N −n
5. Pn =
p (1 − p)
であり、二項定理より
Pn = 1 である。
n!(N − n)!
n=0
2
4. σm
=