「Post QE 相場」の行方 - 三菱UFJ証券

藤戸レポート
「Post QE 相場」の行方
2014 年 8 月 11 日
株価動向だけを見てマーケットの強弱を判断すると、錯誤に陥ることが
少なからず起きる。典型的なのは、「高値を抜けたら買い」の発想だ。テクニ
カル分析では、これを公式にしているものが多い。例えば、直近の実戦で
見れば、日経平均は 7/28 に 7/4 高値 15,490 円を抜けたため、「買い」と
いう判断だ。しかし、その判断の正確性を高めるためには、出来高・売買代
金といった市場エネルギーの増大が必須要件となる。プライスだけがフワフ
ワと上昇するのは「ダマシ」となるケースが多い。東証一部の売買代金は、
7/25~29 の 3 営業日で各 1 兆 7057 億円、1 兆 5,922 億円、1 兆 5,819
億円の薄商いだった。この薄商い下の上昇は、幾度も指摘したように「要警
戒」の明瞭なサインである。特段の好材料もなく、奇妙なほど株価指数が上
昇となれば、「マーケットの魔術師」の介入を想起しなければならない。
既に先週号で指摘したように、デリバティブにはヘッジファンドの「買い
アンワインドに転じた「マーケット
仕掛け」とアンワインドを示唆する手口が並んでいた。例えば、欧州系A証
の魔術師」
券は、6/6 時点では日経平均先物は▲11,873 枚の売り越しだった。ところ
が、公的年金(国家公務員共済・地方公務員共済・私学共済と言われてい
る)の積極買いに歩調を合わせるように、ショートカバー(買い戻し)からニュ
ーロング(新規買い)へとスタンスを変更した。そして 7/30 時点では、+
20,464 枚の買い越しである。つまり、この間に日経平均先物を 32,337 枚買
ったことになる。7/31 からは、このポジションのアンワインドだ。7/31~8/7
に、▲852 枚、▲1,669 枚、▲2,009 枚、▲2,980 枚、▲1,422 枚、▲1,603
枚の連続売りである。都合▲10,535 枚の売り越しだ。同様に、日経平均先物
の買いが目立った欧州系B証券も、8/1~7 の間に▲3,760 枚の売り越し
だ。典型的なヘッジファンドの「買い仕掛け」とアンワインドである(グラフ 1)。
日経平均を振り回すアイテム
現物株では、「マーケットの魔術師」の関与が高まると、ファーストリテイリ
ング、ファナックといった日経平均に寄与度の高い銘柄が活躍する。つま
り、デリバティブ主導・日経平均値嵩株上昇のパターンだ。下落局面は、そ
の真逆が起こる。メディアでは、「暑いからエアリズム等の売上が好調で、フ
ァーストリテイリングの株価が上がっている」といった記事を目にするが、プロ
はファーストリテイリングの株価がファンダメンタルズで動いているとは誰も
思っていない。時価総額が僅か約 3.5 兆円のファーストリテイリングが、日
経平均の構成シェアで約 9%を占める歪さが、「日経を振り回すアイテム」と
してヘッジファンドに愛好されている。時価総額 20 兆円超のトヨタが、日経
平均のシェアでは 1.5%しかないのが実態だ(グラフ 2)。裁定買い・裁定解消
売りで振幅が大きくなる局面があるのも事実だが、どう見ても裁定売買が出
ないタイミングでも、ファーストリテイリングに「意図あり」の売買が集まる局面
がある。
「ダマシ」の典型的なパターン
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
(グラフ 1)
欧州系証券のアンワインドが
日経平均急落の一因に
日経平均と先物手口(欧州系証券2社)
(枚)
(円)
16,000
16,000
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
15759
(7/31
12,000
日経平均
(右メモリ)
15,500
8,000
4,000
15,000
0
欧州系証券2社先物手口
(日経平均:左メモリ)
-4,000
(グラフ 2)
値嵩株に振り回される
日経平均
6/26
7/2
7/8
7/14
7/18
7/25
7/31
14,500
8/6
日経平均構成比率上位銘柄(8/7時点)
8.6
ファーストリテイ
5.4
ソフトバンク
4.6
ファナック
3.1
KDDI
2.5
京セラ
アステラス薬
1.8
ホンダ
1.8
東エレク
1.7
ダイキン
1.7
セコム
1.6
信越化
1.6
0.0
(出所)BloombergのデータよりMUMSS作成
1.5
トヨタ
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
9.0
(%)
「高値を抜けたら買い」はアナロ
牧歌的な「アナログ投資」の時代ならば、「高値を抜けたら買い」も一つ
グ的発想
のセオリーだった。そもそも、テクニカル分析は、「手相占い」と同レベルの
内容だ。しかし、今や HFT(高速高頻度取引)とアルゴリズム売買が支配的
な「デジタル投資」の時代だ。しかも主役が海千山千のヘッジファンドとなれ
ば、「腕力で高値を抜けさせ、提灯買いを引き込んで自分は売り逃げる」と
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
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2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
いった高等戦術が常態化している。今回も、上記 A、B 証券は 15,500 円以
上の高値でアンワインドを成功させている。いまだに兜町では「アナログ的
思考」が幅を利かせており、今回も「8 月中に 16,500 円~17,500 円も」とい
った株屋の発言がメディアで踊っていた。時代錯誤の最たるものである。
「Post QE 相場」
ヘッジファンドがアンワインドを急いだ理由の一つは、海外環境の悪化
である。米株市場では、明らかに「Post QE相場」(量的緩和政策終了後の
相場)に視点が移行している。この 10 月でTaperingが終了するとなれば、
その後の相場展開に関心が集まるのも当然と言えよう。なぜならば、過去の
量的緩和政策である「QE1」、「QE2」終了後に、米株式は調整を経験してき
たからだ。過去 2 回の調整は以下のとおりである(グラフ 3)。
① 「QE1」・・・2008 年 11 月~2010 年 3 月。リーマン・ショックに対する
処方箋として発動された。ダウ工業株 30 種平均は 2009 年 3/6 安
値 6,469 ドル→2010 年 4/26 高値 11,258 ドルで+74.0%。その後、
同 7/2 安値 9,614 ドルまで「▲14.6%」(ザラ場ベース)。
② 「QE2」・・・2010 年 11 月~2011 年 6 月。米景気に浮揚感を与える
ために実施。実際は 2010 年 8 月末、ジャクソンホールの中銀総会
において、当時のバーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長が
「QE2」を強く示唆したため、相場は 2010 年 8 月でボトムアウトして
いる。ダウ工業株 30 種平均は、2010 年 8/27 安値 9,936 ドル→
2011 年 5/2 高値 12,876 ドルまで+29.5%。その後、同 10/4 安値
10,404 ドルまで「▲19.1%」。
「QE2」後の相場は、「ユーロ危機」が重なったため、下げ幅が拡大した
面もある。しかし、過去 2 回の「QE」終了後に、かなりの調整幅が出たことは
(グラフ 3)
QE1、QE2 の終了で
NY ダウが調整に
(ドル)
NYダウの推移(2008/1~)
20,000
17151
(2014/7)
18,000
QE2
(2010/11
~2011/6)
16,000
QE1
(2008/11
~2010/3)
14,000
12876
(2011/5)
11258
(2010/4)
12,000
10,000
9614
(2010/7)
8,000
6,000
NYダウ
QE3
(2012/9~
2014/10・予)
10404
(2011/10)
<19.1%>
<14.6%>
6469
(2009/3)
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
4,000
2008/1
2008/11
2009/9
2010/8
2011/6
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
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2012/4
2013/3
2014/1
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ストラテジー
5
事実なのだ。しかも今回は、「QE シリーズ」の総決算となる。想定外の大事
件が勃発しない限り、「QE4」はあり得ない。FRB が超緩和政策の出口に向
かうのは、テンポの差こそあれ、確実視される状況である。投資家が身構え
るのも当然であろう。米調査会社リッパーによると、7/31~8/6 に ETF を含
む米株投信から▲184.7 億ドルの資金流出で、2 月以来最大とのことだ。
米株調整の影響は避けられない
日経平均は、この「QE1」・「QE2」終了後に、米株式を上回る惨烈な下落
を演じている(グラフ 4)。
① 「QE1」終了後・・・日経平均は、2010 年 4/5 高値 11,408 円→同
9/1 安値 8,796 円で「▲22.8%」。
② 「QE2」終了後・・・日経平均は、2011 年 2/17 高値 10,891 円→同
11/25 安値 8,135 円で「▲25.3%」。
ただし、2011 年は御存知のとおり 3/11 に東日本大震災という未曾有の
天災が襲ったし、タイの大洪水で日本企業のサプライチェーンが粉砕され
た特殊要因が加わっている。しかも、政治面では、日本の長い憲政史にお
いて、特異な民主党首相が歴任していた時代である。円/ドル相場も、2011
年 10/31 には 1 ドル=75.35 円の円高ピークをマークしていた。「株安・円
高・無為無策の政府」に未曾有の天災という極端なシチュエーションであっ
た。したがって、現在磐石な体制にある安倍自民党政権、「異次元緩和」に
邁進する黒田日銀となれば、上記の下落幅を単純に適用できるものではな
い。ただし、下落幅はともかくとしても、米株の本格的な調整となれば、日経
平均が影響を受けることは否定できない。バーナンキ議長が発動した「QE」
政策は、かつてない非伝統的な政策であった。その極端な政策からの脱却
が具現化すれば、相応の価格変動は避けられないものと思われる。
(グラフ 4)
NY ダウを上回る下落率となった
QE1、QE2 終了後の日経平均
(円)
日経平均(2008/1~)
20,000
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
18,000
16320
(2013/12)
16,000
QE1
(2008/11
~2010/3)
14,000
QE2
(2010/11
~2011/6)
11408
(2010/5)
12,000
日経平均
10891
(2011/2)
QE3
(2012/9~
2014/10・予)
10,000
8,000
6,000
4,000
2008/1
8796
(2010/9)
<22.8%>
6994
(2008/10)
2008/11
2009/9
2010/8
8135
(2011/11)
<25.3%>
2011/6
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
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2012/4
2013/3
2014/1
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ストラテジー
5
大型 M&A の挫折が示唆するも
こうした「Post QE相場」への警戒感が、投資家に慎重スタンスを採らせ
の
始めている要因と思われる。7/30 のFOMC(米公開市場委員会)声明が、
インフレ見通しと雇用の評価を上方修正させて以来、投資家は遅かれ早か
れ「Post QE相場」への対策を考慮せざるを得なくなっている(グラフ 5)。パ
ーティのパンチ・ボールが即座に消えるわけではないが、盛りは過ぎて幕引
きへのタイミングが近づいていることは事実なのだ。8/5、「メディアの帝王」
ルパート・マードック会長が率いる 21 世紀フォックスは、750 億ドルに上る
同業のタイムワーナーへの買収提案を撤回した。タイムワーナーの経営陣
が、買収を断固拒否する姿勢を見せたことが主因だが、大型M&Aはマネー
の膨張期に拡大するのがセオリーである。5 月には、米製薬大手ファイザー
が英アストラ・ゼネカを 700 億ポンド(約 12 兆円)で買収する計画も挫折し
た。近くはスプリントによるTモバイル買収計画も断念が発表されている。
「米モバイルの 4 社体制を堅持」という米司法省・反トラスト局の基本方針
が、壁になったことは間違いない。しかし、このところの大型M&Aの連続的
な挫折は、マネーの膨張が極限に達して、遠からぬ未来にシュリンクが始ま
ることを予期しているものと思われる。
(グラフ 5)
物価見通しなどを
上方修正した FRB
%
米国のGDP: 個人消費の伸び と 個人消費支出価格指数(コアPCE)
7.0
%
3.5
個人消費の伸び(前期比年率)
コアPCE価格指数、右軸
6.0
5.0
3.0
2.5
2.0
4.0
2.0
3.0
1.5
2.0
1.0
1.0
0.5
0.0
0.0
2014年4-6月期GDP成長率
寄与度 (計+4.0%)
個人消費
1.69%
設備投資
0.68%
住宅投資 0.23%
在庫投資
1.66%
政府
0.30%
外需
▲0.61%
-1.0
-2.0
-3.0
-4.0
☆数値は実質GDP成長率(前期比年率)
-5.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
-2.5
03
04
05
06
07
08
(出所)米商務省、BloombergのデータをもとにMUMSS作成
09
10
11
12
13
14
15
※数値は季節調整値
日経平均は 7/31 高値 15,759 円から 5 連続安となったが、この間ヘッ
ヘッジファンドの売りに買い向かう
ジファンドの売りに買い向かったのが日銀だった。日銀は 8/1 に 144 億円
日銀
の ETF(上場投信)買いを行ったが、続く 4 日から 7 日の 4 営業日でも各
156 億円の買いを実施している。言葉を換えれば、8 月に入って延々と
ETF を買い続けているのだ。しかも、以前に遵守していた慎重なスタンス
(例えば、TOPIX が前日比▲1%or▲0.5%以上下がった場合に買い発動す
る)を転換し、小幅な下げの日にも積極的な買い姿勢を見せている。従来
は、前場引値を確認して後場に買い出動するケースが多かったが、どうも
直近では朝の寄り付き前後から買い姿勢を見せている兆候が現れている。
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
5
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
5
マーケットへの関与が深まる
(グラフ 6)
日銀の ETF 購入枠
拡大の可能性
日銀が、フレキシブルな買い姿勢に転換したことは評価できる。株式相場
は変幻自在のものであり、固定的な内規を遵守した買い手法より、マーケッ
ト・インパクトがポジティブになるのは間違いない。これで日銀のETF残高は
3 兆 1,885 億円となり(8/8 時点)、今年末のターゲット 3 兆 5,000 億円に近
づいてきた。この積極姿勢からすれば、秋 10 月の「展望レポート」が出るタ
イミングで、ETF取得枠の拡大があるかもしれない(グラフ 6)。
しかし、一歩引いて考えると、日本の相場は債券も株式も、日銀の関与
が深まっている。もちろん、国債のように年間発行額の 7 割を取得するよう
な圧倒的な買い主体ではない。しかし、変動商品である ETF を、これだけ
中央銀行が取得し、日々の株価形成にも大きな影響を与えていることは異
常である。大命題であるデフレ脱却を達成するためという大義名分があり、
「異次元緩和」に邁進している間は良い。しかし、FRB が既に摸索し始めて
いるように、いずれ日銀も出口のドアーに手をかける局面が必ず訪れる。そ
の時にマーケットは、極めてナーバスな動きを示すことになろう。おそらく、
余程の株価上昇局面、例えば日経平均が 20,000 円に迫ることがない限
り、日銀が市場で ETF を直接売却することはないものと思われる。黒田総
裁を始め、日銀の審議委員は「出口には様々な手法があり、十分対応でき
る」と口を揃えている。しかし、積み上げた ETF ポジションのアンワインド
は、かつて誰も経験したことがないはずだ。未曾有の実験である。
(億円)
(円)
日銀ETF購入と日経平均
18,000
50,000
(出所)AstraManager、日銀のデータをもとにMUMSS作成
17,000
45,000
16,000
40,000
15,000
3.5兆円
(2014末)
35,000
日経平均
(右メモリ)
30,000
14,000
13,000
12,000
25,000
11,000
20,000
10,000
15,000
9,000
3兆1,885億円
(8/8時点)
10,000
日銀ETF購入額
(左メモリ)
5,000
0
2010/12
「GPIF ネタ」に敏感な投資家
8,000
7,000
6,000
2011/6
2011/12
2012/6
2012/12 2013/6
2013/12
2014/6
2014/12
日銀のETF積極買い姿勢と並んで、投資家が今最も注目しているのが、
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人。今年 3 月末の運用資産額が
126 兆 5,771 億円に達する最大の公的年金)のアセット・アロケーション(資
産配分比率)の変更である(グラフ 7)。GPIFが国内株のウェイトを 1%高めれ
ば、約 1.3 兆円の買い需要が発生するため、投資家がGPIFの動向に
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
6
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
5
(グラフ 7)
投資家の期待高まる
GPIF の資産比率変更
*
GPIFの資産構成比率(2014/3末)
GPIF資産(2014/3末)
資産
国内債券
国内株式
外国債券
外国株式
短期資産
合計
構成比率
55.43%
16.47%
11.06%
15.59%
1.46%
100.00%
金額
(億円)
701,596
208,466
139,961
197,326
18,422
1,265,771
(出所)GPIFのホームペーシをもとに
MUMSS作成
センシティブになるのは当然であろう。8/7、ロイターは「GPIFの運用改革で
は、日本株への配分を 20%超に増やすことを想定し、9 月末にかけ調整を
本格化させる見通しであることが、複数の政府・与党関係者への取材で分
かった」と報じた。「9 月・20%」という数値は従来報道どおりで、何ら新味はな
い。問題は、「20%超」という漢字一文字である。この「超」の部分に、「1.3 兆
円×α」の増額を市場は読み取ったのだ。8/7 の日経平均は、米株安・円
高もあって軟調に推移していたが、この 14:00 に発表されたロイター報道
で、一気に切り返しに転じた。当日の日経平均安値は、13:25 の 15,061 円
で 15,000 大台割れも意識されていた。ところが、ロイター報道で 14:00 以
降に日経平均先物に大口買いが連発し、14:29 には高値 15,243 円をマー
クするに至った。安値から実に 182 円高である。ショートしていた向きからす
れば、想定外の値動きであろう。マクロやミクロのファンダメンタルズ材料を
超越して、「超」一字で 200 円近い反騰である。まるで恋人を想う 10 代の少
女のように、投資家はGPIFが株式市場で活躍することを待ち望んでいる。
メディアの記者は、自分の記事がマーケット・インパクトを持つことを喜
ファンダメンタルズの材料が力不
ぶ。これはメディア企業自体も同様だ。そこに raison d'être(存在意義)を見
足→公的資金への依存
い出すのだろう。ロイターの記事のインパクトを見ると、おそらくメディアは
「GPIF ネタ」を追い求めることになる。そして内容のない羊頭狗肉のペラペ
ラ記事を、氾濫させることになるだろう。その度に、今回のようなドタバタ劇が
起こるかもしれない。まさに「GPIF 狂想曲」である。
もう一つ重要なのは、この記事の「政府・与党関係者への取材で分かっ
た」という表現だ。何故に、国民の重要な年金資産の運用方針を、運用に
は素人の政治家が決定するのか。GPIF のガバナンスは、いったいどうなっ
ているのか。しかも、「調整を本格化させる前」に、何故に「20%超」という数値
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
7
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
5
だけが一人歩きするのか。私の 30 余年の相場経験からすれば、政治が過
剰に関与した場合には、相場の結果は必ずしも望ましいものではなかっ
た。目先的には、兆円単位の買いを行えば株価が上昇するのは物理的現
象だ。しかし、長期的には、力業で支え続けることはできない。それは、
1990 年代の公的資金による PKO(株価維持策)の挫折で証明されている。
中央銀行の ETF 買いと「GPIF ネタ」で維持されるマーケットとは、いったい
何なのだろうか?株式需給面しか頼りになるものがないのか。
裏を返せば、ファンダメンタルズの材料だけでは、株価の飛躍シナリオを
描くのが苦しくなりつつあるせいかもしれない。4~6 月期決算は概して良好
である(11 ページに特集)。しかし、通期見通しを上方修正した企業は数え
られるほどで、ほとんどが期初見通しの維持である。「通期上方修正→EPS
の上昇→PERの低下→株価上値余地の拡大」というシナリオが使えるのは、
10 月下旬~11 月の中間決算発表時以降になろう(グラフ 8)。マクロ面にお
いても、法人部門の改善傾向は評価できるが、消費増税による家計部門の
疲弊は継続している。物価を勘案した実質賃金は、6 月も前年比▲3.8%と
回復の兆しがない(グラフ 9)。
(グラフ 8)
昨年度は中間決算で
企業の上方修正が相次ぐ
(円)
(円)
日経平均と予想EPS
1,300
17,000
16,320
(12/30)
15,759
(7/31)
1,250
16,000
日経平均
(右メモリ)
1,200
15,000
1,150
14,000
1,100
1,050
13,188
(8/28)
13,000
中間決算
発表期
1,000
12,000
予想EPS(左メモリ)
950
11,000
900
(出所) AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
850
2013/6
苦悩するプーチン大統領の「悪魔
の選択」
10,000
2013/8
2013/10
2013/12
2014/2
2014/5
2014/7
海外要因では、ロシア・プーチン大統領の思いつめたような表情が気に
なる。マレーシア航空機撃墜に際しても、停戦を破棄したウクライナの行動
が招いた悲劇と非難しながらも、沈鬱な表情が印象に残った。ハリウッド映
画「フレンチ・コネクション」で、ジーン・ハックマン演じるポパイ刑事が、FBI
を誤射した時のような顔だ。今ロシアの TV 局 RTR(国営放送・ロシア 1)で
は、ウクライナ東部のルガンスク州、ドネツク州等の親ロシア系住民の苦境
を連日伝えている。水道や電気といったインフラ設備が機能せず、医師もほ
とんどが疎開し、薬局でも薬品が枯渇している。その中に、ウクライナ軍の
重砲や迫撃砲弾が着弾するのだ。死者を埋葬できずに放置した映像まで
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
8
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
5
(グラフ 9)
実質賃金、2 ヶ月連続で
前年同月比▲3.8%の落ち込み
(%)
実質賃金と消費支出(前年同月比)
10.00
(出所)BloombergのデータをもとにMUMSS作成
8.00
消費支出
実質賃金
6.00
4.00
▲3.0%
(2014/6)
2.00
0.00
2.00
4.00
▲3.8%
(2014/6)
6.00
▲8.2%
(2011/3)
8.00
10.00
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
流している。こうした内容が連日報道されれば、ロシア国民の中にも、何とか
しろといった感情が高まるのは当然だ。ある意味では、見事なメディア・コン
トロールである。ロシアの調査機関レバダ・センターによると、8 月上旬のプ
ーチン大統領の支持率は 87%で、過去のピーク 88%に迫ると報じている。も
し、プーチン大統領が手を拱いていれば、親ロシア派はウクライナ軍に殲滅
されるのは必定だ。まるで投資家のように、プーチン大統領はウクライナ介
入のリスクとリターンを天秤に掛けている。ポーランドのトウスク首相による
と、「ロシアのウクライナ介入のリスクは、かつてないほどに高まった」と述べ
ている。ロシア、プロイセン、オーストリア=ハプスブルグ帝国によって 3 次
にわたる国土分割を被り、亡国の民となったポーランド首相の発言だけに
意味深である。既にウクライナ国境には、装甲部隊を含めた軍の集結が完
了しているとのことだ。ロシアの報道によれば、「平和維持軍」を投入する可
能性があるとしている。名称はどうであれ、ロシア軍のウクライナへの本格的
侵攻となれば、事態は全く次元の異なった段階へと移行する。内戦の間
は、市場に与えるインパクトも限定的だ。しかし、正規軍のバトルとなれば、
マーケットが「ショック症状」に陥るリスクも否定できない。要注意である。
オバマ大統領の豹変
8/8、オバマ大統領は、今まで否定し続けたイラク空爆を承認すると表明
した。スンニー派の過激組織「イスラム国」の侵攻が止まらず、イラク北部に
あるクルド人自治区の中心都市アルビルが危機に曝されたことが、直接の
契機としている。しかし、背景には、共和党の「チキン大統領」という反オバ
マ・キャンペーンがあるものと思われる。NBC と WSJ が、足下で実施した世
論調査では、オバマ大統領の外交政策に対する支持率は 36%と過去最低
になったとのことだ。11 月の中間選挙を前にして、黙認できる数値ではな
い。追い詰められて豹変したというのが実態であろう。狂信的な「イスラム
国」の膨張が止まらなければ、空爆の規模がエスカレートするかもしれな
い。ウクライナと並んで、また地政学的リスクの懸念が高まったことになる。
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
9
2014 年 8 月 11 日
ストラテジー
5
好業績主力株を丹念に拾う
(グラフ 10)
短期的に急騰となった
コロプラ、バンナムHD
この混乱への処方箋が、「白猫・黒猫」(コロプラ)、「妖怪ウォッチ」(バン
ナム、ハピネット等)というのが、アナログ兜町の流儀だ(グラフ 10)。「お好き
な方はどうぞ」と言うしかないが、先週指摘したように、材料株の終焉は突然
訪れる。しかも、こうした流行りものは人気離散も早い。当分は、まだ「旬」が
続くが、グリー、DENAやガンホーの株価がどういう推移を辿ったかを、じっく
り振り返るべきである(グラフ 11)。攻めるのも良いが、利益確定売りも忘れな
いようにしたい。オーソドックスなアプローチでは、海外情勢に注意を払い
つつ、好業績主力株の押し目を丹念に拾いたい。そして、公的資金のサポ
ートを待つべきだろう。
(円)
(円)
急騰を演じるゲーム関連銘柄
3600
4,500
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
4,000
3200
3,500
コロプラ(左)
3,000
2800
2,500
2,000
2400
1,500
バンナムHD(右)
1,000
2000
500
1/6
(グラフ 11)
流行りものは人気離散に注意
2/4
3/5
(円)
4/3
5/2
6/3
7/1
7/30
(円)
ゲーム関連銘柄の株価推移
1,100
1,400
1,000
1,200
900
1,000
グリー(左)
800
800
700
600
600
ガンホー(右)
400
藤戸 則弘
投資情報部長
500
(出所)AstraManagerのデータをもとにMUMSS作成
200
2013/8
400
2013/9
2013/11
2014/1
2014/3
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
10
2014/5
2014/7
2014 年 8 月 11 日
概ね確りとなった 4-6 月期決算発表
特集
・4-6 月期の決算発表が、前半戦
を折り返した。
消費増税直後の四半期ゆえ、警
戒感も強かったが、①電機・ハイ
テク部材、②自動車部品、③設備
投資関連(機械・IT投資)、④欧州
関連、⑤公共事業関連、などで大
幅増益となる企業も少なくなく、全
体でも 4-6 月期の 2 桁営業増益
達成が、視野に入ってきた。
・通期計画に対する進捗率も概ね
確り。現時点では、通期予想を引
き上げる 3 月決算銘柄は少数だ
が、秋に向けては、修正への期待
が強まりそうな銘柄もありそうだ。
3月決算銘柄の四半期営業利益の推移 < 左メモリ >
(兆円)
20
18
20.6
翌1-3月
16
7-9月
12
21.1
4-6月
10
30
22.4
25
15.42兆円 20
(前年比
15
+6.3%)
10
(7-翌3月
5
予想)
0
4-6月期進捗率
(対通期) < 右メモリ >
10-12月
14
22.6
(%)
8
5
6
3.46兆円 10
(前年比
15
+13.2%)
20
4
2
0
-2
25
06
07
08
09
10
11
12
13
14
(年)
*7/31 までに 4-6 月期実績・通期予想営業利益を発表済みの 3 月決算銘柄のうち、時価総額 100
億円未満・電力および金融・06 年以降に上場した銘柄、を除外した 509 社で集計(単純合計)。
直近四半期(4-6月期)の営業増益率が大きく、通期予想に対する進捗率も前期に比べ堅調な銘柄の例
コード
銘柄
6135
6796
6702
3626
5929
6703
6724
2489
6676
9533
3668
6302
1983
6504
3553
7408
9706
6479
1881
7732
6516
6762
6807
6581
2282
5486
5803
6770
6817
6674
6954
6755
6472
6952
6503
牧野フ
クラリオン
富士通
ITHD
三和HD
OKI
エプソン
7/31
終値
対通期進捗率
決算 営業
期 増益率 前期 今期
差
<円> <月期>
<%>
846.0 4-6 黒転
415.0 4-6 黒転
801.0 4-6 黒転
1,902.0 4-6 黒転
732.0 4-6 黒転
231.0 4-6 黒転
4,490.0 4-6 6.8倍
アドウェイズ(M) 1,881.0 4-6 6.0倍
メルコ
2,235.0 4-6 5.6倍
邦ガス
573.0 4-6 5.2倍
コロプラ
3,960.0 10-6 5.0倍
住友重
509.0 4-6 4.5倍
東芝プラ
1,648.0 4-6 4.3倍
富士電機
536.0 4-6 4.0倍
共和レザ
590.0 4-6 4.0倍
ジャムコ (2部) 1,867.0 4-6 3.7倍
空港ビル
3,540.0 4-6 3.0倍
ミネベア
1,237.0 4-6 3.0倍
NIPPO
1,818.0 4-6 2.6倍
トプコン
2,381.0 4-6 2.5倍
山洋電
794.0 4-6 2.4倍
TDK
4,985.0 4-6 2.4倍
航空電
2,128.0 4-6 2.4倍
日立工
875.0 4-6 2.2倍
日本ハム
2,122.0 4-6 2.2倍
日立金
1,682.0 4-6 2.0倍
フジクラ
515.0 4-6 2.0倍
アルプス
1,452.0 4-6
95.0
スミダコーポ
725.0 1-6
93.3
GSユアサ
668.0 4-6
93.2
ファナック
17,990 4-6
91.7
富通ゼネ
1,426.0 4-6
90.3
NTN
501.0 4-6
80.0
カシオ
1,747.0 4-6
74.8
三菱電
1,376.0 4-6
73.5
<%>
<%> <ポイント>
通期
コード
増益率
<%>
銘柄
7/31
終値
対通期進捗率
決算 営業
期 増益率 前期 今期
差
<円> <月期>
<%>
<%>
<%> <ポイント>
通期
増益率
<%>
-
0.9
- 81.3 6498 キッツ
597.0 4-6 73.1 16.5 22.5
6.0
26.7
- 15.3
- 33.8 5333 ガイシ
2,478.0 4-6 71.7 19.4 26.3
6.9
26.5
-
3.9
- 29.8 7224 新明和
936.0 4-6 68.5 11.0 23.8 12.7 -21.8
-
3.5
- 10.2 2327 NSSOL
2,987.0 4-6 64.9 14.5 21.7
7.2
10.3
-
2.6
-
6.5 6586 マキタ
6,190.0 4-6 64.5 19.4 29.5 10.1
8.4
-
3.1
-
4.8 9663 ナガワ(JQS) 2,725.0 4-6 59.9 12.5 17.0
4.5
17.3
9.4 45.5 36.1
41.2 6471 日精工
1,469.0 4-6 59.1 18.8 24.6
5.7
22.0
4.6 23.3 18.7
18.1 6473 ジェイテクト
1,807.0 4-6 58.8 17.9 26.2
8.3
8.2
7.2 22.8 15.6
77.9 7011 三菱重
678.1 4-6 58.7 17.1 22.4
5.3
21.3
16.2 57.1 40.9
46.0 4004 昭電工
151.0 1-6 56.8 25.9 32.9
7.0
23.3
59.2 74.7 15.6 4.0倍 4617 中国塗
787.0 4-6 54.8 20.3 23.2
2.9
35.5
3.9 16.5 12.6
7.8 7261 マツダ
2,501.0 4-6 54.4 20.0 26.8
6.8
15.3
2.4
9.9
7.5
2.6 6645 オムロン
4,635.0 4-6 52.3 19.1 26.8
7.7
8.7
1.4
5.0
3.6
14.7 3569 セーレン
930.0 4-6 51.0 17.7 23.0
5.3
16.3
8.1 32.1 23.9
1.1 9531 東ガス
592.6 4-6 50.3 24.1 45.1 21.1 -19.9
6.3 17.3 11.0
35.0 6981 村田製
9,922.0 4-6 47.9 19.8 25.6
5.8
14.4
12.9 28.8 15.8
34.0 7276 小糸製
2,841.0 4-6 47.0 14.0 19.2
5.2
7.5
11.0 26.3 15.3
24.2 5911 横河ブHD
1,565.0 4-6 46.4 16.3 31.2 14.9 -23.4
6.1 17.5 11.5
-9.2 6501 日 立
808.7 4-6 44.5 10.4 14.3
3.9
5.1
6.0 10.8
4.8
36.4 6465 ホシザキ
5,280.0 1-6 44.4 52.5 59.6
7.1
27.2
18.6 33.2 14.6
36.9 7309 シマノ
12,100 1-6 43.2 50.8 52.4
1.6
38.8
10.9 16.8
6.0
55.7 6594 日電産
6,777.0 4-6 41.3 21.3 24.3
3.1
23.4
12.7 24.6 11.9
23.0 9532 大ガス
430.3 4-6 40.1 28.3 39.5 11.3
0.1
13.6 20.7
7.1
47.3 3104 富士紡HD
286.0 4-6 39.5 22.8 27.1
4.3
17.4
12.5 24.8 12.3
12.0 5334 特殊陶
3,110.0 4-6 39.3 20.9 24.3
3.4
20.0
14.7 26.2 11.5
14.2 4021 日産化
1,906.0 4-6 32.4 30.2 37.9
7.7
5.6
13.9 24.8 10.9
13.0 4927 ポーラオルHD 4,290.0 1-6 32.1 39.4 47.2
7.8
10.2
11.0 19.8
8.8
8.7 6752 パナソニック
1,257.5 4-6 28.2 21.0 26.5
5.5
1.6
40.6 49.3
8.8
59.0 7976 菱鉛筆
3,295.0 1-6 27.9 51.3 64.2 12.9
2.3
8.8 12.4
3.6
37.4 7751 キヤノン
3,392.0 1-6 26.2 45.4 52.9
7.5
8.2
21.1 32.5 11.4
24.4 3258 常和HD
4,100.0 4-6 25.0 21.1 21.5
0.3
23.1
15.1 28.4 13.3
1.4 6395 タダノ
1,812.0 4-6 24.2 22.1 25.3
3.1
8.8
14.8 22.0
7.2
21.2 4922 コーセー
4,305.0 4-6 23.0 12.3 15.1
2.8
0.3
15.1 20.1
4.9
31.7 6301 コマツ
2,309.0 4-6 21.1 21.8 26.1
4.3
1.0
14.5 22.8
8.3
10.6 2206 グリコ
1,929.0 4-6 20.8 32.7 36.9
4.1
7.3
*今期の対通期進捗率・通期増益率は発行会社予想営業利益。シャドウは中間期予想のみ、白抜
きは通期予想も上方修正した企業、但し通期予想の修正幅が中間期予想の修正幅以下の場合、
中間期予想のみの修正と見なした。
(出所)図表は全て AstraManager をもとに MUMSS 作成
巻末に重要な注意事項を記載していますので、ご参照下さい。(35014081131M)
11
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兼任しております。:三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱倉庫
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書(Annual Report)、四半期報告書、アーニングリリース等の会社発表による公開情報をもとに作成しております。
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せん(金融商品取引法上の情報開示銘柄を除く)。当該外国証券の開示情報は、主要取引所の所在する国の開
示基準に基づいています。
(リスク情報について)
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外部評価の変化、金利・為替の変動等により、投資元本を割り込むリスクがあります。
(手数料について)
・ 国内株式の売買取引には、約定代金に対し最大1.404%(税込み)の売買手数料をいただきます(ただし約定
代金が193,000円以下の場合は最大2,700円(税込み))。株式は、株価の変動等により、損失が生じるおそれ
があります。
・ 外国株式の売買取引には、現地委託手数料と国内取次手数料の両方がかかります。現地委託手数料等は、その
時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その金額等をあらかじめ記載することはできません。
詳細はお取引のある部店までお問合せください。国内取次手数料は、約定代金に対して最大0.864%(税込
み)の手数料が必要となります。外国株式は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
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お支払いいただきます。債券は、金利水準の変動等により価格が上下し、損失を生じるおそれがあります。外国債
券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
(著作権について)
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(加入協会) 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
投資情報部
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