地域間幹線系統及び地域内フィーダー系統に係る協議会補助について

【資料 7】
平成25年12月
交 通 支 援 課
地域間幹線系統及び地域内フィーダー系統に係る協議会補助について
1. 基本的考え方
(1)導入の背景
地域公共交通確保維持改善事業については、制度発足から3年が経過し、地域にとって必要
不可欠な生活交通(地域間幹線バスや乗合タクシーによる地域内フィーダー運行等)の確保維
持に一定の成果をあげている。
また、地域ぐるみによる生活交通の利用促進を図るための地域協働推進事業の活用など、一
部地域においては、自治体、運行事業者、利用者等の関係者が、密接な連携の下、地域全体
で生活交通を支えていくという動きが顕著に出てきており、今後は地域がより主体性を発揮できる
ような補助制度の構築も必要である。
そこで、平成26年度事業の下半期(補助対象期間:H26.4~9)以降において、計画策定から
補助金の活用まで一貫して協議会が中心的な役割を担えるように、地域の協議会を新たに補助
対象として取り扱うことができるよう、平成26年度から新たな制度を創設する。
(2)制度の概要
① 位置付け
協議会が補助の受け皿となるに当たっては、交通事業者を含め、地域の関係者の合意の下、
一致協力して施策を推進するために、協議会が中心的な役割を果たし得るだけの体制等が整
っていることが必要不可欠であるが、現実的には、そうした地域はまだ少数にとどまることから、今
後とも事業者補助を基本的な仕組みとしつつ、意欲的で体制が十分に整っている地域において、
その意向に応じて協議会補助も活用できる「選択制」とする。
② 対象分野
陸上交通は、鉄道、幹線バス、コミュニティバス、デマンド運行、自家用有償運送等 、多様な
選択肢があるが、地域の特性に応じた最適な手段・経路等について、面的な視点で工夫を凝ら
しながら、そのあり方を地域全体で検討していくことが必要であるところ、二地点間を結ぶことが
基本の離島航路・航空路とはその性質を異にし、現在補助を受けていないような系統も含め、
地域全体の交通体系についての議論が必要となるものである。こうした特性を踏まえ、協議会補
助について、まずは陸上交通の分野で導入し、その実施状況等を踏まえて他モードへの展開を
検討する。
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③ 対象協議会
補助の受け皿となることができる協議会の範囲については、生活交通ネットワーク計画(以下
「NW 計画」という。)の策定に関わる全ての協議会ではなく、その中でも 、地域公共交通の活性化
及び再生に関する法律(平成19年法律第59号)に規定する協議会に限定する。これは、同法に規
定する協議会であれば、 事業実施予定者の協議応諾義務(§6④)や協議会メンバーの協議結
果尊重義務(§6⑤)が法定されていること等により、それぞれの役割分担の下での生活交通の
運行をはじめとした各種組みの着実な履行が、それ以外の協議会の場合よりも制度的に担保さ
れていることを前提に、制度の趣旨に適った役割を協議会が的確に果たすことが十分に期待で
きるからである。
(3)具体的スキーム
地域公共交通確保維持事業においては、協議会は、補助金の交付を受けて補助対象系統の
運行を確保・維持しようとするときは、NW 計画を策定し、国土交通大臣に対して当該計画の認
定申請を行う必要がある。
協議会補助を選択するに当たって、以下(※)に示す要件を満たした NW 計画について、国土
交通大臣の認定を受けることが必要となる(具体的な実施スケジュールは、別添 参照)。
※ 協議会補助を選択する場合の NW 計画認定の要件(現時点での想定)
○ 協議会補助を選択することについて関係者の合意が得られていること
○ 補助対象系統について、自治体と事業者との間で運行委託又はそれに準じた契約
が締結されていること
○ NW 計画の中で、以下の事項があらかじめ明確に定められていること
・補助対象系統の地域全体のネットワークの中での位置付け
・モニタリングの手法
・関係者間でのリスク分担を含めたそれぞれの役割
【認定の際に必要となる添付書類のイメージ】
・協議会補助に対する関係者の意思が確認できるもの
・国庫補助対象外系統も含む地域全体の生活交通網がわかるもの(地図等)
・関係者の役割分担を明らかにしたもの(計画中に盛り込むことでも可)
・運行委託若しくはそれに準じた契約又は当該契約を締結することを確認できるもの
・モニタリング概要(主な内容、実施時期など)
・モニタリングの結果及び評価(二年目以降)
・モニタリング結果を反映した改善点(二年目以降)
<参考1> 協議会補助選択の場合の実施スキーム
①NW 計画の策定
②国土交通大臣による計画認定
③モニタリング実施
④協議会による補助金交付申請
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⑤モニタリングも踏まえた協議会による事業評価(一次評価)
⑥国による事業評価(二次評価)
⑦協議会への補助金交付
⑧委託契約等に基づく協議会から事業者への補助金交付
<参考2> 一般的なモニタリングのイメージ
【手法】
○ OD調査
○ 利用者アンケート
○ 住民ヒアリング 等
【内容】
○ 現状把握
(車内聞き取りアンケート、住民懇談会実施等)
○ 収入増加に係る取組み
(利用性の高いダイヤ設定、地域住民の利用意識醸成のためのPR活動等についての検証)
○ 費用削減に係る取組み
(利用実態を踏まえた運行回数の適正化、運行本数の削減の必要性等についての検証)
以 上
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