ゼカリヤ8章1~17節 「わたしはシオンに帰る」

「わたしはシオンに帰る」
ゼカリヤ8章1~17 節
~ゼカリヤ書連続講解説教 10~
イントロダクション ~7 章と8章は挿入:断食問題を扱っている
⑴ ゼカリヤ書のアウトライン
① 8つの幻:1~6章~終末に至る歴史段階
② 断食に関しての質問と答え:7~8章~今日的な課題
③ メシア来臨とイスラエルの回復:9~14章~歴史の最終章
 メシアの初臨~拒絶:9~11章
 メシアの再臨~受容:12~14章
⑵ 7章と8章は、預言を受けた信者がどう生きるか、宗教をどう実践するか?
① 断食を継続するかの問い~7:3
 その答えは直接的に与えられていない
 先祖はどうであったか、動機はどうであったかと問われている~7 章
② 悔い改め(信仰)の土台・前提となる神からの約束が 8 章にある
 10 回繰り返される定型句
 「万軍の主はこう仰せられる」(2,3,4,6,6,9,14,19、2
0、23)
 イエス時代のユダヤ教徒は週に2回断食していた
 教会史の中でも同様に断食が必須であると教えられてきた
 新約聖書で断食は勧められているか?
 今回は 7 回までの神託を扱う
本論
1) 神の嫉妬に燃える愛
2~3節
 偶像礼拝に陥り、裁きを下したが
 敵がこれを良いことに、イスラエルを苦しめたとき
 激しく憤りその民を救う行動に移された ホセア11:8
2) 離散した民をエルサレムに召集 4~7節
 平和がもたらされるエルサレム広場の描写
 現在でなくメシア王国を預言したもの
 どこからの召集か?「日の出る地と日の入る地」:全世界を表わす用語
3) 契約がそのイスラエル召集の土台となっている 8 節
 「彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる」とは契約関係を表わ
している専門用語~エレミヤ24:7、エゼキエル34:30~31
 「そのとき」~「新しい契約」関係に導かれるときに成就する
 アブラハム契約が締結された段階で約束されている~創世記 17:7、レビ
11:45
 契約遂行の土台が「神の真実と正義」:faithful and righteousness
 アブラハム契約の片務性は神の義の発動となって歴史に展開され、終末預言
を完成させる
4) 神殿再建に着手せよ 9~13節
 「勇気を出せ」(9,13):hands be strong
 神殿がなおざりにされていた時は、生活のための労働も徒労に終わった
 「残りのもの」(レムナント)=信者に対しては新たな約束を与える
 のろいが繁栄の祝福となる
5) 将来の神の約束 14~17節
 かつて神の裁きの計画は実行された
 将来には幸の計画がある
 ゆえにみことばを聞いて、これを実践せよ~7:9~10
結論
〝木″よりも〝森″を俯瞰する
1) 断食を継続するか、が民の関心ごとだった
 安息日問題~その日程や禁止事項についても今日、教会が議論している
 奉仕内容~労苦、時間、金銭のささげものはどれほどが妥当か?
2) 神は、ご自身の計画とその約束にフォーカスされる
 エルサレムには平和と繁栄とが約束されている
 信者はイエスとともに全世界を相続する
 現状とは程遠い内容であったとしても、この約束は契約事項である
3) 神は何を求めておられるのか
 神に受け入れられる「霊的な礼拝」について:ローマ12:1
 神の義について(ローマ 1~8 章)、計画について(9~11 章)に論じた後
の結論であった
 神の義を経験し、契約関係に招かれたものの自然な応答であり終着点が全
的な献身である