PRE-21-17 視覚提示の違いが運動イメージに及ぼす影響 ―経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位を用いた検討― The influence of difference in visual information on motor imagery ―Examination using the motor evoked potential by transcranial magnetic stimulation― ○平本美帆 (OT),河野正志 (OT),水口雅俊 (PT),湯川喜裕 (OT),富永孝紀 (PT) 医療法人穂翔会村田病院リハビリテーション科 Key words: Evidence-based practice,Cognitive function 【導入】 運動イメージ(MI)時の視覚情報は,より皮質脊髄路の興奮性を増大させるが,視覚情報の違いによ るMIへの影響は明らかにされていない.本研究は,健常人を対象に視覚提示の違いがMIに及ぼす影 響を,経頭蓋磁気刺激(TMS)による運動誘発電位(MEP)を用いて検討した. 【方法】 対象は本研究に同意を得た健常人12名とした.前提条件として,被験者のMIにおける個人差を測定 する目的で,集団屈曲,伸展運動のMIを想起させた.次に,視覚提示の異なるMI課題として,立方 体をつまむMIを,対象物の視覚情報を提示した群(対象物群)と,手の視覚情報を提示した群(身体 群)に分け,各々の視覚情報を注視させて想起させた.TMSは左一次運動野を刺激し,MEPは右第1 背側骨間筋から記録した.前提条件のMIからMI課題のMEP振幅比を算出し,統計学的処理は,2群 におけるMEP振幅比の値を対応のないt検定にて比較し,有意水準を5%未満とした. 【結果】 前提条件のMIにおいて2群に有意な差は認められなかった.MI課題において,対象物群は身体群と比 較して,MEP振幅比は有意に高い値を示した(P<0.05). 【結論】 MI中の視覚情報において,イメージに含まれる対象物の視覚情報が視覚的表象の補完により,MIの 想起を鮮明にさせる可能性が示唆された.本研究は,より効率的なMIの生成を検討する上での基礎的 指標となると考えられた.
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