`帝国日本の文化権力: ハックジと文化媒体`という課題人は見た研究が

翰林大学校日本学研究所
帝国日本の文化権力
帝国日本の文化権力: 学知と文化媒体
第一段階
2008.12
2011.11
第二段階
2011.12
2014.11
第三段階
2014.12
2017.11
帝国日本における文化権力: 学知と文化媒体 (帝国の中心としての日本)
The Cultural Power of Imperial Japan : Knowledge and Media
帝国日本における文化権力: 学知と文化媒体 (周辺部の共通性と独自性)
The Cultural Power of Imperial Japan : Knowledge and Media
帝国日本における文化権力: 学知と文化媒体 (周辺部の中心部のと関係性)
The Cultural Power of Imperial Japan : Knowledge and Media
研究者氏名及び所属
研究分野
徐禎完 翰林大日本学科・日本学研究所所長
能楽史・芸能史
任城模 延世大 史学科
日本近代史・政策論
超寛子 ソウル大 日本学研究所
日本近代思想史
朴相絃 慶熙サイバー大 日本学科
日本近代文学
宋錫源 慶熙大 政治外交学科
日本政治思想
姜泰雄 光云大 東北亜文化産業学部
日本文化(映画)
徐在吉 国民大 国文学科
韓国近現代文学
朴羊信 翰林大 日本学研究所
日本近代史
洪善英 翰林大 日本学研究所
日本文化(演劇)
超亨根 翰林大 日本学研究所
社会学
超廷祐 翰林大 日本学研究所
社会学
*研究責任者
本研究は、植民権力の統治構造及び政治・経済的支配に関する従来の研究を踏まえながら、文化的領域
において非可視的、自律的な形態で遂行された権力のあり方を究明することを目的とする。
具体的には、帝国の学知の領域を植民政策学、官学から民間学、ひいては国家権力と衝突した運動の領
域にまでその範囲を拡大し、帝国日本の文化権力と学知の関連性を明らかにすることを目指す。その実践の
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帝国日本の文化権力
一つとして、「体制」側の学知と運動としての「反体制」側の学知という二つの枠を設け、両者の交渉・衝突、包
摂・排除の過程を追求する。そしてその一方で、新聞·雑誌、演劇、映画、ラジオ放送、歌謡などを含む文化媒
体が帝国の秩序構築と帝国文化の伝播にいかなる役割を果したかを追跡する。特に権力と文化媒体の関係
性を明らかにし、「帝国」という時空間の中で形成された文化権力のあり方を見きわめることを目的とする。
「帝国日本の文化権力」という研究課題は、本研究の問題意識を端的に示すものである。すなわち「帝国日
本」という研究対象と「文化権力」という研究テーマを設定したのであるが、これは、従来の帝国主義研究ある
いは植民地研究の限界を乗り越え、新しい視点や研究方法を提示するためである。
第一に、本研究は、「帝国日本」という時空間を研究対象とする。これは、植民地期をとり扱った従来の研究
が日本対朝鮮、日本対台湾、日本対満洲といった「帝国対個別植民地」という二項対立的視点で捉えてきたと
いう反省に基づく。さらには、日本の学界で産出されている帝国史研究は一国史の延長という限界をのり越え
ていないという批判的な立場をも含めている。つまり、本研究は「帝国日本」という視点から帝国対個別植民地
の関係はもちろん、帝国版図内の共通性と独自性、同一性と差別性に着眼するという点において有効である。
特に東アジアという地域単位の重要性がますます高まる現在的意味においても、このような研究対象の設定
は極めて大きな意味があると言えよう。
第二に、本研究は、帝国と植民地間の関係を、政治権力 · 経済権力というような通常の硬性権力ではなく、
学知と文化媒体を中心にした 「文化権力」という軟性権力を見極めることでアプローチーする。これは帝国植民地間の関係をより立体的に捉える視点を提供してくれる。ここには、帝国の成立と植民統治の根幹が力
の優位に基づいた政治的支配と経済的侵奪に他ならないが、軍事的占領と経済的搾取を越えた支配 · 統治
の実行と持続は日常の領域、すなわち日常と文化に対する支配なしでは不可能であるという立脚が基本とし
てある。つまり、表面的には非政治的かつ自律的な「知」と文化的実践の実行によって植民支配の安定的な
再生産と永続化を追い求めるが、それらは植民地の暮らしの中に染みこみ民衆の精神と暮らしを改変させて
いく。一方、植民地側は帝国の圧倒的な強力インフラを背景にした学知と文化媒体の実践を不可避に受容し
ながら、その表面的非政治性と自律性が許す空間の中で文化権力の効果を変容させ、植民権力が意図しな
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帝国日本の文化権力
い効果を生産していく。相互の間で異なる意図が衝突しひしめき合う文化権力の作動する空間の中で、時に
は帝国と植民地、支配と順応、抑圧と抵抗という単純な対立構図を乗り越えた諸現象として現出するのである。
本研究は帝国の文化権力のあり方を立体的に捉えるために知の領域である「学知」と日常的 · 大衆的実
践の領域である「文化媒体」に分け、その特性と効果を追跡する。第一段階研究では帝国の中心部に焦点を
置いて文化権力の歴史的系譜を探求し、第二段階研究では中心から周辺部へ移動して文化権力の拡散、移
植、変容の躍動性を追跡した。今回の第三段階研究では中心と周辺間の相互作用の脈絡、そして連続性と
拡張性を同時に追い求めるという点から第二段階研究に基盤しながらもそれを確張して総合する作業になる。
中心の学知と文化媒体の影響力が伝播 · 拡散する過程は周辺による伝播・専有、競合・連帯、還流・分枝と
いったより多層的で多方向的な脈絡の中で把握される。
「学知」分野と「文化媒体」分野の具体的な研究テーマは次の通りである。
<学知>分野
1年次研究
2年次研究
3年次研究
伝播・専有
競合・連帯
還流・分枝
植民政策学の植民地転移:
植民政策学の
「植民地ない帝国」建設プ
史学早稲田人脈を中心に
新しい地平と満洲論
ロジェクトと植民政策学
金億の和歌翻訳
和歌翻訳の全体像と訳語選
: 「殉難遺珠」
択を取り囲んだ競合
分野⁄研究テーマ
植民政策学
翻訳
「和歌」 翻訳の戦後
人口学と植民地
官学/民間学
日滿農政研究会の帝国農
戦時農村社会学の
業構想と朝鮮人姜鋌澤
展開とその戰後
日本浪漫派と
日本資本注意論争と
アジア連帯論と
戦後文化ナショナリズム
戦後再生
戦後日本民族主義
:「人口食糧問題」の誕生と
拡散
民族革命/文化論
アナーキズム
エスペラント運動と言語ナシ
ョナリズムの拮抗
災害と資本主義―東アジア
アナキズムの
環境思想
日本農本主義と満洲国農
業合作社運動
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帝国日本の文化権力
<文化媒体>分野
1年次研究
2年次研究
3年次研究
伝播・専有
競合・連帯
還流・分枝
植民地時代言論と
日本出版物の中の朝鮮像、
『朝鮮日報』と『毎日新報』
「親日」 問題
朝鮮出版物の中の日本像
の「民族」言説の分枝
「 蒙彊」
「国策」
帝国日本の他者、ハルビン
の日本語戯曲研究
紙芝居の移動する観客
の「安重根」
帝国日本のドイツ映画受容
帝国日本と朝鮮の防諜小説
帝国日本と合作映画のパ
とその影響
と防諜映画研究
ターン化研究
ラジオ放送と植民地大衆文
帝国日本内電波ネットワー
化
クの競合と連帯
大衆文化、雑種的ファンの
マスコミに映った朝鮮大衆
戦争と大衆文化: 帝国の
出現
文化の海外進出
座礁と植民地以後
分野⁄研究テーマ
新聞•雑誌
演劇
映画
ラジオ放送
大衆的実践
教育に投影された能と謡:
統合研究
植民地朝鮮の能と謡
社会統合のイデオロギー的
装置として
プロパガンダ道具からネー
ションの言語に再誕生した
朝鮮語放送
帝国日本の文化権力
としての能と謡