小委員会設置申請書

[用紙2]
2014 年 9 月
日
小委員会設置申請書
1.名
称
建築生産関係者と法規範を巡る論点
に関する基礎的研究小委員会
英文名称は
Sub Committee を付記
2.所属本委員会
英文
名称
作成者:小川富由
Sub
Committee
of
fundamental research
for legal prospects
among stakeholders in
building process
法制委員会
(所属運営委員会)
3.設 置 期 間
4.設 置 目 的
2015 年 4 月
~
2019 年 3 月
(具体的な目標)
本小委員会は、建築法制委員会の一分野として、建築物に関する発注
者と受注者間の紛争を防ぎ公共の福祉を確保する観点で用意されてい
る現行法制度の法解釈的到達点について、現行法制度のもとでの法的紛
争の判例及び行政府による解釈文書等を基に、明らかになった点、いま
だに明らかになっていない点について整理し、建築生産における各種行
為と関係者に対する法的規制と保護の実態を明らかにすることを研究
目標とする。建築物については、関係する法制度が対象によって異なっ
ているが、ここでは一般的建築物から住宅まで幅広く取り扱う。
なお、法制度としては、建築生産に係る実務において生じた建築基準
に抵触する不具合等を基本とする紛争等を律する法の枠組みとして、主
に建築生産に関する行政法及びその原則法である民法を対象とすると
ともに、当該法制度を巡る建築生産関係者の法意識を対象に分析を進め
る。
5.委員会の位置付 (学会に設置する必要性、緊急性、新規性及び委員会の性格)
け
建築生産過程における主として建築基準法に抵触する不具合等に起
因する法的紛争は依然として多く、建築生産に関係する多くの実務者は
遵法と法的保護との関係性について大きな関心を持っている。だが、そ
の理解については当該関係者の間でも、相当の幅があるのが実情であっ
て、遵法意識が叫ばれる昨今にあっても実務者、専門職能者間において
も必ずしも共通の認識に立ちえていない。
建築物は社会の存立及び経済活動と密接に関係するにもかかわらず
その生産過程における役割と責任に関する法の枠組みについて明確な
認識が専門職能者間において共有されていないという事態は、建築物を
中心とする都市的建造環境の健全な発展に対する大きな阻害要因とも
考えられる。
本研究は、建築生産過程における法的枠組みでの原則的で基礎的な事
項ではあるが、しばしば関係者の間で不明確ないしは解釈の幅があると
みられる点について抽出し。それに関係する法的枠組みを整理分析し、
主として建築基準法に抵触する不具合等(住宅の雨漏り等の主として契
約者間での合意内容に抵触する不具合及び労災関係規定に起因するも
のを除く)に起因する法的紛争を判例等から分析することで、その保護
及び規制の実態と我が国の建築生産に関係する者が置かれている法的
状況の、いわば現時点での到達点を、建築界におけるコモンセンスとし
て明らかにすることを目的としている。
本研究は、建築法制委員会の活動における原論的な部分を担うことを
目的としており、建築生産に携わる専門的職能者が集う建築学会におい
てこそ設置することがふさわしい。また、建築生産過程においては、専
門職能以外の多くの者が参加するが、それらの者との法意識の差異の検
証は、コンプライアンス意識が高まっている現代において緊急性があ
る。
6.委員会の構成
(委員構成の考え方、分野別構成、地域性、公募制等)
建築法制に関して深い経験と学識のある者で委員会を構成し、学会委員
(確定している委員予 以外に弁護士等の法曹関係者の参加を求める。公募を行う。
定 者 名 簿を 記 載の こ
と。必ず会員名簿を記
入すること)
7.活 動 計 画
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
会員番号
0750281
役職
主査
幹事
氏 名
小川富由
勤務先
(一社)日本ビルヂング協会連合会
杉山義孝
平野吉信
西野加奈子
五條渉
日置雅春
菅谷朋子
顧問
弁護士
弁護士
松本光平
(活動の具体的方法、内容)
初年度:
民事紛争等における論点の整理
行政法での紛争可能性のある論点の抽出
2年度:
建築学会大会等での論点発表
判例、紛争審査組織での担当者ヒアリングを通じての整理
3年度:
現行法制度での、原論的法認識の整理分析及び論考
課題の抽出と提言の作成
4年度:
成果物の公表出版及び建築学会大会等での発表
8.期待される成果 (内容と公表形態)
と公表方法
建築生産プロセスにおける法的問題の発生態様と関係者の法的状況ご
とに論点を整理し、それについての現行法制度上の法意識の到達点をで
きるだけ明らかにしたうえで、その内容について出版物の形で公表する
ことを考える。
9.設置を予定する 名称:
WG
英 文 名 称 は Working
Group を付記してくだ
さい。
英文
名称
目的:
(WG がなければ記載
不要。WG が 2 つ以上
あ る 場 合は こ の欄 を
追 加 し てそ れ ぞれ 記
載すること。必要なら
各 WG ごとに小委員
会 設 置 申請 書 と同 様
の 書 式 のも の を添 付
する)
期間:
20 年
月
~ 20 年
月
注 1)各項目に関して提示された事項に注目して記述してください。
注 2)合同小委員会、研究会を設置する場合にもこの書式を準用してください。
別紙
研究対象として想定される論点
論点としては、
たとえば、
以下のような法規範に対する原理的認識に関する論点があげられる。
○生産や生活に基本的な財である建築物に法規制が必要なことに対して、建築生産に関わる者
の理解が不十分ではないか。
◯建築設計図書に対する設計者の意識と発注契約図書の法規範としての認識の間にかい離があ
るのではないか。
◯建築設計という行為を巡っては委任から請負までの幅広い見方が存在し、そのことが設計責
任について多様な見解を生み、建築生産過程における設計の意味をあいまいなままにしている
のではないか。
◯設計、工事監理、施工、確認検査という過程における担当者相互の責任の範囲、責任の割合
に関する認識については相互にかい離があるのではないか。
◯建築物の安全確保において管理者責任と生産者責任の範囲、割合についての認識に関係者間
でかい離があるのではないか。
○必要最低限の規制としての法で定める基準への適合性の確保を担保する仕組みである建築確
認との関係において、建築確認を得られれば、建築物の安全性が保障されていると、また建築
確認を得さえすれば建築物の品質はそれでいいと考えられていないか。
○羈束行為とは何か、許可行為とどう違うのか。