挫折経験の心理的メカニズム -個人種目選手を対象として- 城本 佳菜 (競技スポーツ学科 スポーツ情報戦略コース) 指導教官 豊田 則成 キーワード:挫折 向き合う 発奮材料 自己探求 1.緒言 本研究は, 「挫折経験をどのように語るのか」 3.結果と考察 本研究は.上記の RQ の下,個人種目競技者 という,リサーチ・クエスチョン(Research は, 「競技をするなかで上手くいかない状況を Question,以下 RQ と示す)を設定し,質的 感じ,競技する自分を見失いながら悩むという にアプローチをし,発展継承可能で有益な仮説 挫折経験をするが,競技を継続していくことで 的知見を導き出すことを目的とした. 競技と向き合う.しかし,再び上手くいかない 2.方法 状況を感じ,成果が出ない状況に陥ることで自 インフォーマント(Informant:情報提供者. 分らしさを見失い,悩むという 2 段階の挫折 以下 Inf.と略す)は,本学の個人種目競技をす 経験の中で自己と向き合うということをし,振 る3・4年次生で,現在も競技を引き続き行っ り返ることで自己の変化に気づき,その経験は ている学生 9 名(男性:4名,女性:5名)と 力になっていくと語る」という仮説的知見を導 し,一人あたり60分程度(1対1形式)の半 き出した. (Fig.1) 構造化インタビューを実施した.分析方法につ 4.まとめ いては質的研究法である複線径路・等至性モデ すなわち,「挫折経験を通じて競技と向き合 ル(Trajectory Equifinality Model,以下 TEM い,自己と向き合うといった2段階の自己探求 と略す)を用いて行った. を経験する」といえる.
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