PRE-19-48 運動イメージおよび運動観察における物品の有無が脳活動に及ぼす影響 ―脳波を用いた検討― The effect that object and non-object condition gives to brain activity in motor imagery and action observation ○谷 茉理菜 (OT),市村幸盛 (PT),湯川喜裕 (OT),大松聡子 (OT),富永孝紀 (PT) 穂翔会 村田病院リハビリテーション科 Key words: Motor imagery,Action observation,Mu rhythm 【はじめに】Motor imagery (MI)やAction observation (AO)は, 共に運動関連領域が賦活し, Mu リズムの減衰が確認されている.Muthukumaraswamy(2004)は,AOにおいて物品の提示がMuリズ ムの減衰を認め,目標指向運動に関与するミラーニューロンシステム(MNS)がより反応したと報告して いる.しかし, MIでの物品の有無の比較やMIとAOの Muリズムの減衰を比較した報告は少ない.本研究 では物品の有無におけるMIとAOでのMuリズムの減衰を検討した. 【対象と方法】対象は,同意を得た健常成人8名とした.コンピューター画面を注視し「安静8秒,準備2 秒,実行5秒」を10セッション,2回繰り返し,脳波を測定した. 実行ではMIとAOをそれぞれ物品有り,物 品無しで実施し,比較した.統計学的処理は二元配置分散分析を用い,多重比較はTukey法を用いた.有意 水準は5%未満とした. 【結果】物品の有無に関わらず,MIよりAOでMuリズムの有意な減衰を認めた.さらに,AOでは物品無 しより,物品有りにて有意な減衰を認めたが,MIでは認めなかった. 【結論】本研究では,MNSの関与に伴い,MIよりもAOにおいてMuリズムの減衰が認められたと考え られた.また,AOでは目標指向運動である物品有りにおいてMuリズムの減衰を認めたことから,臨床に おいても運動関連領域を賦活させる一助になる可能性が示唆された.
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