KK23

暮らしの力学 KK23
仕事とエネルギ(4) 動力(仕事率)
機械などの効率を表す目安として仕事率という概念がある。これは、単位時間になす仕事の割合で


ある。これはまた動力ともばれる。力による仕事率は、力(ベクトル) F と速度(ベクトル) v の内
積で与えられる。
dU
(23.1)
 U  F  r  F  v
dt
単位は明らかに Nm  J s  であるが、 W  J (ワット)が一般的に用いられる。
s
s
直線上で、一定の力 F が作用し続けて、物体が v の速度で移動したとすれば、そのときの仕事率 P
P


は、(23.1)式より、
P  Fv
(23.2)


である。また、2次元デカルト座標系において、力 F の座標成分を Fx , Fy とし、速度 v の座標成分を
v x , v y とすると、そのときの仕事率 P は、(23.1)式より、
P  Fx v x  Fy v y
(23.3)
となる。
動力の単位として慣用的に馬力(PS)が用いられる。これとワット( W )とは次のように換算
できる。
1PS  0.7355kW
1kW  1.360PS
回転体の仕事と動力
図 23-1 に示されているように、回転体が力 F を受けて中心軸 O 周りで回転運動をしている。その
回転角を  とするとき、 だけ回転する間に力 F がなした仕事 U を導こう。微小な角変位を d とす
ると、力 F と同じ方向の微小な変位 ds は rd に等しいので、微小な角変位を d だけ回転するとき
に力 F がなした仕事 dU は、(20.5)式により次のようになる。
P  Fv  Fr  T
dU  Fds  Frd
したがって、  だけ回転するときに力 F のなし
た仕事 U は次のようになる。

U   dU   Frd Fr
0
(23.4)
トルク定義式 T  Fr を用いて書き直すと、
(23.4)式はつぎのようにも書ける。
U  T
(23.5)
動力は単位時間あたりの仕事であるから、周
方向速度を v とすると、 v  r 式より回転体の
動力 P はトルク T と角速度  の積で与えられ
る。
図 11-5
回転体の仕事
(23.6)
例題 23-1
教科書例題 9.3
例題 23-2
教科書例題 9.5
KK 演習 28、宿題⑱