自由電子のE-kの関係 自由電子は[ ]エネルギーの影響を受けないことから、電子の持つエネルギーは[ ] エネルギーのみである。従って、電子の質量m 0 と速度v を用いれば、自由電子のエネルギーは、 E= [ ] と表される。 またこれは、運動量p=mvを用いれば E= [ ] とも表される。 今、ド・ブロイの関係より、運動量pと電子波の波数kの間には[ ]の関係があるから、 自由電子 のエネルギーは波数kを用いて E= [ ] とも表される。 従って、自由電子 のEと kの関係は [ ] 線で表される。 この関係式の両辺を波数kで微分してみよう。 一階の微分をとれば、∂E/∂k = [ ]、 2 2 二階の微分をとれば、∂ E/∂k = [ ]、 と表される。この式は電子の質量mを含むことがわかる。 従ってこの式を書き換えれば、m= [ ]と表すことができる。 この質量の表現は自由電子に対するものであり、m 0 は電子の静止質量9.11x10 -31[Kg]である。 し かし、この質量の表現は一般的に、周期的なポテンシャル中を運動する固体内の電子にも拡張する ことができる。 この場合、上の式で表される固体中の電子の質量m*は[ ]と呼ばれる。 * * E-kが鋭く、とんがった場合m は[ 大き、小さ] く、E-kの曲線がなだらかな場合m は[ 大き、小さ] い。 ①自由電子のE-Kの関係と、②クローニッヒペニーモデルを解いて得られる周期的ポテンシャル中の 電子の電子のE-Kの関係(①に対応する部分だけでよい)を図示し、両者を比較せよ。 周期的ポテンシャル内の電子のE-kの関係 固体中の電子は、周期的に配列した原子の作る周期的なポテンシャルの影響を受けており、Eと kの関係は自由電子におけるEとkの関係と大きく異なる。 クローニヒペニーモデル 図に示すようなポテンシャル分布を仮定する。 Schrodingerの波動方程式を、以下に示す2つの領域で解く。 (領域Ⅰ)井戸内の領域0 ≦x≦a, V(x)=0 波動方程式 [ [ ](2) [ (領域Ⅱ)壁の内の領域-b≦x≦0, V(x)=V0 波動方程式 [ [ ](5) [ ただし、V o-E>0 とする。 ] (フルで)(1) ] 教科書(4.57)(3) ](フルで)(4) ] 教科書(4.58)(6) ところで、上の2つの方程式には、周期的ポテンシャルの影響がふくまれていない。 周期的ポテンシャル中の電子の波動関数は[ ] 関数ψ(x)で与えられることが証明され ている。すなわち[ ] の定理(テキスト91p)をわかりやすくあらわせが次の ように表現することができる、 V(x)=V(x+L) (7) で表される周期Lのポテンシャル中の電子の波動関数は、次のように平面波の振 幅を周期関数U(x)で変調した形をしている。 ψ(x)= U(x)exp(ikx) (8) ここで、U(x)は周期Lの周期関数であり[ ] (9) である。 ここで( 8 )式を(2)(5)に代入して整理する。 まず、( 8 )式の2階の微分を求める。 ( 8 )式をxで微分して dψ(x)/dx= [ (10) ( 1 0 )式をもう一度xで微分して、 d2ψ(x)/dx2= [ (11) ] ] (領域Ⅰ) (11)式を(2)式に代入して [ (12) これを整理すると (13) ] [ ] (領域Ⅱ) (11)式を(5)式に代入して [ (14) ] これを整理すると (15) [ ] これらの方程式の一般解は、解をeλxとおいて (13), (15)式に代入する。 (領域Ⅰ) (13)式にU 1(X)= eλxを代入して [ 解と係数の関係より λ= [ =[ =[ ]± i [ ] (17) よってA,Bを定数として(13)式の一般解は次式で表される。 ] (16) :λの二次方程式 ] ] [ ] (18) (領域Ⅱ) (15)式にU 1(X)= eλxを代入して [ ] (19) :λの二次方程式 解と係数の関係より λ= [ ] =[ ] =[ ]± i [ ] (20) よってC,Dを定数として(15)式の一般解は次式で表される。 [ ] (21) 境界条件 x=0およびx=-b (=a)において波動関数がなめらかに接続することが境界条件である。 したがって[ ] および[ ] が連続であることが必要とされる。 具体的には、 x=0において[ ] が連続であるから [ ] (22) x=0において[ ] が連続であるから [ ] (23) x=−bにおいて[ ] が連続であるから [ ] (24) x=−bにおいて[ ] が連続であるから [ ] (25) である。 (22)式に (18),(21)式を代入して [ ](26) これにx=0を代入して [ ]( 2 7 ) (17)式をxで微分して [ これにx=0を代入して [ (21)式をxで微分して [ これにx=0を代入して [ (23)式に (29),(31)式を代入して [ ](28) ](29) ](30) ](31) ]( 3 2 ) ( 1 8 )式にx=aを代入して [ ( 2 1 )式にx=-bを代入して [ (33)(34)式を(24)式に代入して [ ](33) ](34) ]( 3 5 ) (17)式をxで微分して ( 2 8 )式にx=aを代入して (21)式をxで微分して これにx=-bを代入して (36)(37)式を(25)式に代入して ](28) ](36) ](30) ](37) ]( 3 8 ) [ [ [ [ [ (27), (32), (35), (38)式を定数A,B,C,Dに対して整理すると、 ( 2 7 )式より [ (39) ]A + [ ]B+ [ ]C+ [ ]D=0 ( 3 2 )式より [ (40) ]A + [ ]B+ [ ]C+ [ ]D=0 ( 3 5 )式より [ (41) ]A + [ ]B+ [ ]C+ [ ]D=0 ( 3 8 )式より [ (42) ]A + [ ]B+ [ ]C+ [ ]D=0 となる。式(39)-(42)の連立方程式において、任意定数A,B,C,Dがともにゼロにならない解を 持つための条件(自明な解を持たない条件:線形代数)は係数で作られる行列式がゼロでなければ いけない。この条件を行列式で記して整理せよ。 最終的に、次式が得られる。 [ これが、求めたいEとkの関係を与える式である。 ] (43)
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