KK演習23

暮らしの力学 KK 演習 23
演習 23-1(部材に穴が開いているときの重心の算定法)
厚さが 100mm=0.1m の図 ex23-1 に示されている板がある。長方形の部分は鋼製であり、その単位
体積重量は  st  77.0(kN/m 3 ) である。その長方形板には半径 0.15m の円形の穴があいている。
半円部分は銅製で単位体積重量は  cu  87.3(kN/m 3 ) である。重心の位置を求めよ。
図 ex23-1
図 ex23-1-1
解答 23-1 この板の形状は、図 ex23-1-1 に示されている座標を選べば、 x 軸に対して上下対称で
あることがわかる。すなわち、重心は x 軸上にある。従って、重心の y 座標はゼロである。また厚さ
が一様であるので、 z 軸方向の重心座標は厚さの 1/2 の面上にある。(18.1)式を用いれば重心の
x 座標を算定でき、すべての重心座標が定まる。穴のない長方形板と負の重さを持った円板の重
ね合わせと考えればよい。穴のない長方形板の重心は x1  0.45(m) である。円板(すなわち、穴)
の 重 心 は x3  0.3(m) で あ る 。 半 円 板 の 重 心 は 、 教 科 書 表 3.1 を 参 照 し て 、
x2  0.9  0.424  0.3  1.027(m) である。次にそれぞれの部分の重量を算定すると下記のよう
になる。ここで、 x3  300mm  0.300m などと解釈している。
W1  0.900  0.600  0.100  77.0  4.158(kN)
W2  0.500    0.300  0.100  87.3  1.234kN 
2
W3  0.150  0.100  77.0  0.544kN 
2
したがって、全重量は、 W  W1  W2  W3  4.848kN となる。これらを(18.1)式に代入すると、
重心の x 座標が次のように求まる。
x
4.158  0.450  1.234  1.027  (0.544)  0.300
 0.614(m)
4.848
演習 23-2 図 ex23-2 に示された部品の重心の座標 Gx , y, z  を求めよ。ただし、球形部は鋼製
で、単位体積重量は  st  77.0(kN/m 3 ) であり、棒部分はアルミニウム製で  at  27.0(kN/m 3 )
とする。
図 ex23-1
解答 23-1 球の中心を座標原点に選ぶと、この物体はx軸に対し回転対称であるから、 y  z  0
である。球と棒の重量を算定する。
3
4 3
4  0.100 
3
R  st  
  77.0  10  40.32( N)
3
3  2 
(球) W1 
 2

2
d l al  0.015  0.200  27.0  10 3  0.954( N)
4
4
球の中心に座標原点をとったから、球の重心は x1  0 、棒の重心は、
(棒) W2 
x2  R 
l
 0.050  0.100  0.150(m)
2
従って、この物体の重心のx座標は、
x
W1 x1  W2 x2 0.150  0.954

 3.47  10 3 (m)  3.47(mm)
W1  W2
41.27