Ex. 5-1

Ex. 5-1
野球のボールは 141.7–148.8 g と決められている.いまボールの質量を 145 g と
して時速 150 km/h で真上に投げる.このときボールが持つ運動エネルギーはどれ
だけか?また空気抵抗が無視できるとき何 m の高さまで上がるか?
解答例)
運動エネルギー K は
1
K = mv 2 = 0.5 × 0.145 × 1502 = 0.145 × 1502 = 125.9 (J)
2
力学的エネルギー保存の法則より最初の運動エネルギーがすべて重力ポテンシャ
ルエネルギーに変わったとき最高点に達する.よって
1
mgh = mv 2
2
→
h=
v2
1502
=
≈ 88.6 m
2g
2 × 9.8
Ans.5–1
Ex. 5-2
バネ定数 49 N/m のバネを 1 m 伸ばす.このときバネが持つポテンシャルエネ
ルギーはどれだけか?またこのバネに 1 kg の物体をつけて 1 m 伸ばした状態から
離す.バネが元の長さに戻ったときの物体の速さを求めよ.
解答例)
バネの持つポテンシャルエネルギー U は
1
1
U = kx2 = × 49 × 12 = 24.5 (J)
2
2
力学的エネルギー保存の法則より
1
U = mv 2
2
√
→
v=
kx2
=
m
√
Ans.5–2
49 × 1 √
= 49 = 7 (m/s)
1
Ex. 5-3
水平な粗い台の上に質量 1 (kg) の箱がある.初速
度 7 (m/s) を与えて滑らせたら距離 4 (m) だけ動い
て静止した.摩擦力はいくらか?また動摩擦係数 µk
を求めよ.
v
静止
d
解答例)
最初に持っていた運動エネルギー K は
1
49
K = mv 2 =
2
2
摩擦力 F は一定であるから止まるまでに摩擦力がした仕事は −F d であり,物体は
F d の仕事をした.これが物体の持っていた運動エネルギーに等しいから
1
F d = mv 2
2
→
F =
mv 2
2d
床の垂直抗力を N とすると
mv 2
,
µk N =
2d
N = mg
よって
µk =
49
5
v2
=
= = 0.625
2dg
2 × 4 × 9.8
8
Ans.5–3
Ex. 5-4
バネ定数 k のバネを自然長の状態から l だけ伸ばすときにする仕事を次の手順で
求め,それがバネの持つポテンシャルエネルギーに等しいことを示せ.
1. バネが x だけ伸びた状態のときにさらに伸ばすのに必要な力を求めよ.
2. 1 で求めた力で微小距離 dx だけ伸ばすときにする仕事を求めよ.
3. 2 で求めた仕事を x = 0 から l まで積分することで l だけ伸ばすときにする仕
事を求めよ.
解答例)
1. バネが x だけ伸びた状態での復元力は kx.さらに伸ばすのに必要な力も kx.
2. この力で dx だけ伸ばすのに必要な仕事 dW は
dW = kxdx
3. 2 の仕事を x = 0 から l まで積分すると
∫
∫
W
dW =
0
[
l
kxdx =
0
1 2
kx
2
1
W = kl2
2
バネの持つポテンシャルエネルギー U は
1
U = kl2
2
よって求めた仕事とポテンシャルエネルギーは等しい.
Ans.5–4
]l
0
Ex. 5-5
⃗ が質点の座標を x,y として
平面内を運動する質点に働く力 F
F⃗ = (ay, ax)
⃗ がポテンシャルを持つかどうかしらべよ.持つ場合,ポテ
で与えられるとき,F
ンシャルエネルギーはどう表されるか.
解答例)
Fx = −
∂U
= ay,
∂x
Fy = −
∂U
= ax
∂y
よって
∂Fx
∂ 2U
=−
= a,
∂y
∂x∂y
∂Fy
∂ 2U
=−
=a
∂x
∂x∂y
上式を満足する U は存在する.したがってポテンシャルは存在する.
x 方向への力とポテンシャルの関係から
−
∂U
= ay
∂x
両辺を x で積分して
−U = axy + f (y)
y 方向にも同様に
−U = axy + g(x)
f (y) = g(x) となるのはそれらが定数の時のみである.定数は任意に取ることがで
きるから,ここで定数を 0 とするとポテンシャル U は
U = −axy
と表される.
Ans.5–5