関数論演習 第 13 回
2014 年 6 月 10 日 担当:中島
13
複素積分 3
例題 13.1. 次の積分の値を求めよ.
∫
2
|z|=2
ez
dz
z3
例題 13.2. |z − a| ≤ r において正則な関数 f が |z − a| = r 上で |f (z)| = M を満たすとする. この
とき
|f (n) (a)| ≤
n!M
rn
であることを示せ.
問 13.1. 次の積分の値を求めよ.
∫
ez
dz
(i)
|z−1|=1 z − 1
∫
(ii)
|z−i|=1
sin z
z2 + 1
∫
(iii)
|z|=1
eiz
dz
zn
(n ≥ 1)
問 13.2. 問 13.1 (iii) を使って
∫
2π
e− sin θ cos(cos θ − (n − 1)θ)dθ
0
を求めよ.
問 13.3. 例題 13.2 を使って Liouville の定理を示せ.
「全平面で正則, かつ有界な関数は定数関数のみである」
問 13.4. Liouville の定理を使って代数学の基本定理を証明せよ.
注: 代数学の基本定理. 任意の複素係数の n 次代数方程式は, 少なくとも一つ複素数の解を持つ.
レポート A 13.1. 次の積分の値を計算せよ.
∫
ez − e−z
dz
z4
3
(i)
|z|=1
∫
3
(ii)
|z|=2
sin(z 2 )
dz
z5
∫
(iii)
|z−i|=1
sin z
dz
(z − i)n
∫
レポート A 13.2. 関数 f (z) =
1
z
を曲線 γ : [−1, 1] → C, γ(t) = 2t2 −1+it に沿った積分 I =
f (z)dz
γ
を考える.
(i) 曲線 γ を図示せよ.
(ii) I の値を求めよ.
レポート A 13.3. D:単連結領域. {fn : n ≥ 1}: D 上正則な関数列. fn がある関数 f に広義一様収束
する. このとき f は D 上正則であることを Morera の定理を使って示せ. (Hint: 実関数の積分と極限
の順序の交換が可能になるための条件を思い出す)
注: D は単連結であると仮定しなくても成り立つ.
レポート B 13.1. (Taylor 展開の証明) D : 領域. f : D 上の正則関数とする. z0 ∈ D とする. 以下の
問に答えよ.
(i) ρ > 0 を Dρ (z0 ) ⊂ D となる値とする. |z − z0 | < ρ を満たす点とする.
Rn = f (z) −
n
∑
f (k) (z0 )
k=0
とおくと Rn =
(z − z0 )n+1
2πi
∫
|z−z0 |=ρ
k!
(z − z0 )k
f (ζ)
dζ と表せることを示せ.
(ζ − z)(ζ − z0 )n+1
(ii) (i) の Rn は 0 に収束することを示せ. ただし実数値連続関数はコンパクト集合上で最大値をとる
ことは使ってよい.
レポート提出期限: 2014 年 6 月 17 日 (火) 授業開始時まで
提出: 授業開始時に提出