アカウンタビリティ・メカニズムレビューの業務指示書(TOR) アジア開発銀行 1. アジア開発銀行(ADB)は1995年、ADBが支援するプロジェクトにおけるADBの業務政策 および手続きの遵守について、プロジェクトの受益者が独立組織に異議申し立てを行う場を提 供する「査察(インスペクション)機能」を確立した。1長期に渡るレビュー・プロセスを経て、 ADBは2003年に、以前の査察機能を増強する現在のアカウンタビリティ・メカニズム(AM)2を 導入した。AMは、ADBの開発効果とプロジェクト品質を改善し、プロジェクトの影響を受ける住 民の懸念に機敏に対応し、全ての利害関係者に公正な対応をし、最高水準の職業意識と技術力 を反映した職員配置と業務を行い、可能な限り独立性と透明性を確保し、費用効果と効率を高 め、ADBにすでに存在する他の監理、監査、品質管理および評価の諸制度を補完することを目的 としている。AMの発効は2003年12月12日に宣言された。2010年5月1日から4日にかけて開催され たADBの第43回年次総会において、ADB総裁は、理事会と経営陣が共同でAMのレビューを実施す ると発表した。この目的のために、理事会・経営陣共同の作業部会が設立された。 2. このレビューの目的は、AM の改善の余地を探ることにある。レビューは幅広く行い、下 記の内容が含まれる。 1) 2003 年の AM 政策に反映された歴史的視点、目的および諸原則に照らして、AM の有効性 と妥当性を分析する。 2) ADB 業務の背景の変化、特に「ストラテジー2020」の採択を踏まえ、2003 年以降の AM に関する ADB の経験を評価する。 3) ADB の AM を他機関の同様の制度と比較・分析する。 4) 一般市民、プロジェクトの影響を受ける住民、政府、ADB 理事会のメンバー、経営陣、 業務部局スタッフ、非政府組織および市民団体を含む利害関係者との協議。 5) 分析、比較、評価および協議によって特定される主な課題への対応。 6) 上記分析に基づく、各種政策、AM の機能、およびその業務手続と管理手続の変更と改善 に向けた勧告。 3. レビューには公開協議プロセスが含まれる。協議は 3 つの段階に分けて行われる予定で ある。第 1 段階では、ADB ウェブサイトを通じて、現在の AM 政策に対するパブリック・コメン トを募集する。第 2 段階では、ADB が先進加盟国と開発途上加盟国の双方において現地協議を 行う。提案されている開催地はワシントン DC、フランクフルト、東京、ジャカルタ、イスラマ バードとマニラである。協議には政府、非政府組織、民間セクター、そして可能な場合にはプ ロジェクトの受益者および影響を受ける住民の参加を得る。第 3 段階では、ADB ウェブサイト を通じて、作業グループの報告書についてパブリック・コメントを募集する。AM レビューの専 用ウェブサイトがすでに設置されている。 1 2 Establishment of an Inspection Function. ADB. 1995. Manila. Review of the Inspection Function: Establishment of a New Accountability Mechanism. ADB. 2003. Manila (「AM 政 策」) 1 4. レビューの実施時期は 2010 年 4 月から 2011 年 4 月までを予定している。レビューのス ケジュールを付録 1 に示す。 2 付録 1 アカウンタビリティ・メカニズムレビューのスケジュール案 (必要に応じ更新する) 2010 年 4月 理事会・経営陣共同作業部会の設置 5月 業務指示書草案を理事会に提出 6月 業務指示書の決定 7月 外部専門家の選任 6~9 月 現行政策に対するコメントの募集を ADB ウェブサイトに 12 週間掲示し、書面による コメントを受領 7~11 月 利害関係者との現地協議 12 月 アカウンタビリティ・メカニズム政策改定案に対するコメント募の集を ADB ウェブ サイトに 8 週間掲示し、書面によるコメントを受領 2011 年 1~3 月 AM 政策改定案の内部レビュー 4月 政策改定案の理事会承認と公開 3
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